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鮮明 自共対決 矛盾集中の大阪 争点くっきり

2013年07月07日

 参院選が4日公示されました。安倍・自民党が景気回復・経済政策や原発、憲法などの国政の主要課題で暴走を加速させている中、これとたたかい、打開の道を示しているのはどの党か。各党の公約や大阪選挙区候補の主張から見てみました。

共産党
憲法擁護・原発ゼロ・増税に反対
国民守る政治の道筋示す
賃上げ・雇用拡大で景気回復

 日本共産党は山下よしき書記局長代行はじめ比例5議席の絶対確保と、大阪ではたつみコータロー選挙区候補(36)は必勝へ全力。政府が「投機とバブル」をあおるアベノミクスの異常さを批判し、賃上げと安定した雇用の拡大で国民所得を増やし、家計消費と内需を活性化して本格的な景気回復に向かう道を提案。260兆円もの大企業の内部留保の1%を使うだけで月1万円の賃上げができると提言しています。安倍政権が「成長戦略」で打ち出す「解雇の自由化」に反対、ブラック企業の根絶など「人間らしく働けるルールの確立」を掲げています。

 大阪選挙区で消費税増税に反対を表明しているのは、日本共産党だけ。たつみ候補は「大企業や富裕層に応分の負担を求めれば年間8〜11兆円の増収になり、増税はまったく必要ない」(MBSラジオ)と語り、消費税増税なしに社会保障を充実する道を示しています。  憲法96条改悪にも「国防軍設置」にもきっぱり反対し、「憲法を守り生かす政治」を掲げています。たつみ候補は辺野古(沖縄県名護市)への新基地建設に反対する集会(4月)にも参加。橋下・維新の会が八尾空港への欠陥機オスプレイの飛行訓練受け入れを持ち出す同空港をセスナ機から視察、「オスプレイはどこにもいらない」の提言を発表(6月24日)するなど、「基地も安保もない日本」を訴えています。  たつみ候補は「原発再稼働と輸出も論外」(MBSラジオ)ときっぱり。「即時ゼロ」の決断を政府に迫ると同時に、政府が「原発事故収束宣言」を撤回し、政府の責任で収束と廃炉、除染、賠償をやり抜くことを求めています。  日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の「慰安婦」問題での暴言に対して、たつみ候補は撤回・謝罪、辞任を求める見解を発表。侵略戦争に命懸けで反対した歴史を持つ党として、歴史の逆流を許さない立場を貫いています。

自民党
憲法改悪・原発推進・消費税増税
「ねじれ解消」で悪政推進

 安倍晋三首相は自民党公約で「『ねじれ』を解消してこそ『政治の安定』が実現できます」と強調。大阪選挙区候補の柳本卓治氏(68)も「ねじれ解消」を第一に掲げ、「自民党安倍政権の継続を図る」「参院でも過半数を取れなければ政治ができない」(6月23日)と強調。「軸のぶれない政治」を訴えますが、その中身は安倍・自民党政権の暴走の加速です。
 公約で憲法改正の発議要件を定めた憲法96条改定や「国防軍の設置」などうたい、「憲法改正原案」の国会提出を目指すと明記。集団的自衛権の行使を規定した「国家安全保障基本法」の制定を総選挙に続いて打ち出しています。柳本氏は衆院議員時代から「新憲法制定議員連盟」の事務局長を務めるなど、正真正銘の改憲派です。
 原発政策では公約で再稼働と輸出を盛り込んでいます。柳本氏もMBS「報道するラジオ」参院選討論会(以下MBSラジオ、6月28日放送)で「将来的に依存度を下げていき、ゼロを目指すとしても、今は原発の再稼働を視野に入れて、エネルギー問題に対処」と公言しました。
 消費税増税計画について公約では沈黙していますが、柳本氏は「いまの財政状況から言えば消費税を上げなければならないと同意して、自民党、民主党、公明党でやってきた」(MBSラジオ)との立場。「法人税の大胆な引き下げ」(公約)の一方で解雇の自由化を狙い、「骨太の方針」で社会保障削減を盛り込んでいます。

公明党
どこまでも自民に追随

 公明党の杉久武候補(37)は、MBSラジオの討論出席を辞退してメッセージを寄せましたが、「アベノミクスに基づく経済政策は評価する」と安倍政権に追随しながら、「経済成長を具体的に生活者に実感できる施策が急務」(MBSラジオ)などと言い訳に躍起。消費税問題では生活必需品への軽減税率の導入を言うものの、増税そのものは「やむをえない」(同)としています。
 原発再稼働や輸出も容認。96条改定について杉氏は「先行して改正するのは反対」にとどまっています。

維新・みんな
悪政の後押しとけん引

 日本維新の会の橋下共同代表は東京都議選の街頭演説(6月22日)で、自民党の参院選公約に「全部賛成です」と絶賛。参院選公約で「農協改革」「カジノ解禁」「混合診療の拡大」などを盛り込みました。消費税増税には反対せず、「地方税化」を打ち出しています。
 綱領では「日本を孤立と軽蔑の対象に貶(おとし)め」たなどと憲法を敵視し、公約でも96条改定をはじめ憲法の全面的改定を主張。選挙区候補の東徹氏(46)は「国民の考えを直接聞くためにも発議要件の改正を」(MBSラジオ)と、立憲主義を真っ向から否定しています。

「慰安婦」暴言に居直り続け

 橋下氏は「『慰安婦』は必要だった」(5月13日)との暴言を撤回せず、居直りに終始。東氏は「(発言の一部)切り取られて報道されている」(MBSラジオ)と橋下氏を擁護。公約では「いわゆる慰安婦問題について歴史的事実を明らかにし、日本国及び日本国民の尊厳を名誉を守る」と主張しています。
 八尾空港でのオスプレイの飛行訓練受け入れ問題で橋下・維新の会は「沖縄の基地負担軽減」を口にしていますが、「日米同盟を深化」(公約)と根源にあるアメリカ言いなりの自民党政治をただす気はありません。

自民党の政策は自党の主張

 橋下暴言を受けて、日本維新の会との選挙協力を解消したみんなの党。2日、新人で会社員の安座間肇氏(35)=「維新政治塾」元塾生=を大阪選挙区候補に擁立すると発表しました。「大胆な金融緩和はみんなの党が主張してきたこと。政策にパクリはオーケーです」(渡辺喜美代表)など自民党の政策を容認・後押ししています。

民主党
未だ公約違反に無反省

 民主党の梅村聡候補(38)は医師として「社会保障制度改革」を掲げ、街頭演説で「何が悪かったのか、何を反省して次をどう変えていくのか。そのことを説明する責任が私たちの世代にはある」(6月28日、JR天王寺駅前)と語りましたが、自民・公明・民主の3党合意に基づく消費税増税や社会保障切り捨て、沖縄県の米軍基地問題での公約違反にはまるで無反省です。
 同じ演説会には野田佳彦前首相が応援に駆け付け、「アベノミクスを厳しくチェックしていかないといけない」と叫びましたが、対案は何一つ示しませんでした。

自民党との対立軸が見えず

 「安倍政権の暴走にブレーキをかけ 国民の幸せ・生活を守る」(「プレス民主」6月号外)足場はどこにもなし。「未来志向の憲法を国民とともに構想」(公約)などと改憲姿勢をアピールしています。(2013年7月7日付「大阪民主新報」より)


投稿者 jcposaka : 2013年07月07日

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