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オスプレイNO! 沖縄にも大阪にも米軍基地いらん 田中八尾市長も反対

2013年06月16日

八尾空港 オスプレイ断固反対 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長らが持ち出した、米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイの飛行訓練の一部を八尾空港(八尾市)で行うことを打ち出したのに対し、地元・八尾市はじめ府内外で怒りが広がっています。開発段階から事故が多発、世界各地で墜落し死傷者を出しているオスプレイ。橋下氏や安倍首相らは「沖縄の負担軽減」を繰り返し口にしていますが――

 八尾市の田中誠太市長は3日、松井氏がオスプレイの訓練受け入れの意向を固めたとするマスコミ報道を受けて反対を表明。八尾市議会(定数28、欠員1)では、維新系の議員ら4人を除き、共産・自民・公明など5会派23人が5日、連名で松井知事への抗議文を出しました。
 橋下、松井両氏が八尾空港での訓練受け入れを安倍政権に正式に提案した6日夕、日本共産党八尾市会議員団が近鉄八尾駅前で抗議宣伝。足を止めて各弁士の話を聞いていた同市在住の男性(79)は、「オスプレイ配備などあり得ない。松井知事(八尾在住)は八尾空港を自分の庭とでも思っているのか。政治家失格や」と怒りを込めて語りました。
 7日、田中市長と同市役所内で会談した松井氏は、「安全保障の上に市民生活も全てでき上がっている。日本国内全て、沖縄の負担の軽減・応分の負担を考えていかなければいけない」と主張しました。
 田中市長は、「単に(事前に)説明がなかったから怒っているわけではない」と指摘。オスプレイの安全性に対する市民の不安や、八尾空港で起きたセスナ機やヘリの墜落事故を挙げ、「市民の安全性をしっかりと確保しなければいけない。トータル的に考えたとき、八尾市長として反対」と拒否しました。

大本の安保条約廃棄を
共産党・たつみ候補

 民主党前政権は昨年、沖縄県民挙げての反対を押し切り、米国言いなりに米軍普天間基地(同県宜野湾市)へのオスプレイ配備強行を容認。今回の橋下氏らの提案に、菅義偉官房長官は「歓迎する」と応じ、安倍晋三首相は小野寺五典防衛相に八尾空港での訓練受け入れ計画の検討を指示しました。
 橋下氏は6日午後、東京都内で「初めて日本の自治体において、米軍の訓練を引き受けるという表明をしたのが大阪だ」と演説しましたが、普天間基地の辺野古(名護市)「移設」を公言しているのが日本維新の会。本音は米軍基地の沖縄県内たらい回しです。
 府議会閉会日の7日、大阪労連が呼び掛けた抗議宣伝に駆け付けた、日本共産党のたつみコータロー参院大阪選挙区候補は、「米軍基地の負担や痛みの軽減などと、あたかも沖縄のことを考えているように言うが、痛みというものは移動させるのではなく、取り除かなければならない」と強調しました。
 「『大本にある米軍基地と米兵にこそ出て行け』というのが、真っ当な政治家の発言だ」とたつみ候補。「日本が本当に独立し、主権を回復するために、一番の障害になっている日米安保条約を廃棄して、米国と対等の関係をつくれる日米友好条約に変えようというのが日本共産党の立場です」と訴えました。

八尾空港=八尾市で共同通信社ヘリから【写真提供:共同通信社】
 普天間基地(沖縄県宜野湾市)の面積480・5fと比べ、八尾空港は70fと約7分の1。周囲には航空法の高さ制限を超える構造物や樹木をはじめ民家が密集。低空飛行訓練やヘリコプターモードでの訓練を行うオスプレイ受け入れは、沖縄の「負担軽減」どころか、負担の拡散に他なりません。

「負担軽減」理由にした欺瞞
基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表
高里鈴代さん

 橋下さんたちは、沖縄の負担を軽減するために八尾でオスプレイ飛行訓練をと言っています。
 2006年の日米共同声明では、米軍再編で沖縄の海兵隊の一部をグアムに移すことが出されました。その条件として挙げられたのが、普天間基地を辺野古への移設とともに、グアムへの移設に必要な費用7千億円を日本が負担するというものでした。当時の額賀防衛庁長官は、「沖縄の悲願に応えるために移す」と言い、小泉首相は、「沖縄の負担軽減のためにやるなら安いものだ」と言いました。あたかも沖縄のためのようにです。
 しかし米軍再編は、決して沖縄のためではなく、軍を増強し、効率よく配置することで、自衛隊と米軍がもっと相乗りしながらやっていくことであって、決して沖縄の負担軽減ではありません。「沖縄の負担軽減」がいつも枕詞に使われながら、さらなる軍事強化や効率化が行われてきたのです。
 私たちは沖縄全体で米軍基地はノー、辺野古移設も新たな基地の建設もノー、普天間は閉鎖すべきだと言ってきました。維新の会は、沖縄で政策協定を結んだ「そうぞう」との記者会見でも、普天間の県外移設と言ってもどこも受け入れないから、まずは辺野古移設をと言いました。沖縄にこれほど集中している米軍基地の撤去や削減の問題について、いっさい触れないという狙いを根底に持っていながら、オスプレイの演習をちょっと移しましょうというのは欺瞞(ぎまん)です。
 アメリカに守られていると言いますが、何か遠いものから守られる以前に、米軍が駐留し、居続けていることで、私たちは命が脅かされ、人権が侵害され、環境が破壊され続けてきました。
 「慰安婦」発言問題でもそうですが、橋下氏は、政府に対して強いことを言っているように見えますが、「強制連行を直接示す記述はなかった」とした07年の安倍内閣の閣議決定をしっかり押さえ、それに基づいて発言しています。今回のオスプレイ問題でも、「可能性を調べてみましょう」と政府に言わせることで、いまの安倍政権を実によく支え、推進させていく役割を担っていると思います。(談)(2013年6月16日付け「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2013年06月16日

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