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大阪市営交通民営化 修正案で矛盾深まる 際立つ橋下・「維新の会」の暴走・破綻 道理のなさ浮き彫り

2013年05月19日

 15日開会の大阪市議会で、大阪市営地下鉄・市バス事業の民営化問題が最大の焦点となっています。さきの3月市議会では民営化関連条例案が、市民の世論や運動、市議会での日本共産党の追及や野党会派からの批判を受けて民営化関連条例案が継続審議に。これを受けて橋下徹市長は民営化方針を一部修正し、市議会で可決に必要な3分の2以上の賛成を取り付けようとしていますが――

「新たなスタート」どころか
民営化で大阪市の責任放棄

 大阪市営地下鉄のうち、8号線(今里筋線)延伸部(今里―湯里6丁目間・約6・7`)などの路線は、財政難などの中で未着手となってきましたが、10年の大阪市議会で、今里筋線の早期整備を求める決議が、維新の会も含め全会一致で可決。ことし3月市議会での民営化審議でもその整備が大きな論点となりました。

保証はなし

 修正案では、外部の有識者でつくる検討委員会を条例で設置し、地下鉄ネットワークの整備について大阪市の考え方を明確にすると追加。「民営化は地下鉄8号線の延伸の取り組みのエンドではなく新たなスタート」と打ち出していますが、民営化で生まれる新会社は、検討委員会の結論を「最大限に尊重」するだけで、あくまで新会社の「経営上の判断」と、何の保証もありません。
 今里筋線の延伸などは「大阪市交通事業の設置等に関する条例」の計画路線に位置付けられたもの。この条例を廃止するのが民営化です。橋下市長は、修正案を決めた市戦略会議(8日)で「僕自身は市長部局で(延伸部整備の)旗を振らない」と明言しており、公共交通に対する責任を放棄する考えは変わりません。

身近な「市民の足」守れない
「路線廃止の判断」さえ明記

 身近な「市民の足」としてなくてはならない市バスについて修正案は、現在の103路線のうち14を廃止して89路線に「再編」して民営化(来年4月)。8カ所の営業所単位で民間に譲渡(営業所等を賃貸)しますが、応募がなかったり、民営化後に民間事業者が撤退した場合の受け皿として、大阪運輸振興に譲渡する方針を新たに盛り込みました。

廃止もある

 交通局100%出資の大阪運輸振興は、現在3営業所計57路線の運行業務を請け負う外郭団体。しかし譲渡する路線数も不明で、民営化後は「地下鉄株式会社」の子会社となるもので、「路線維持の着実な保障」(修正案)の裏付けにはなりません。
 バス路線全体のサービス水準の維持に行政が責任を持つのは民営化後5年間。それ以降は新設する市の「交通政策部門」が、「必要と判断」した路線の「維持方策」を示すものの、逆に「路線が不要と判断した場合は、廃止もあり得る」と断っているほどです。

地下鉄・市バスの一体運営でこそ市営交通は発展する

公共の福祉

 ことしは1933年に地下鉄が開業して80周年。日本共産党は3月市議会で、市営交通の役割は「公共の福祉の増進」が目的であり、80年の歴史を重ねて黒字を生むようになった地下鉄と、バスとを一体に運営することで維持・発展できると主張しました。
 さらに橋下市長が民営化の理由にする「運賃値下げ」「終発時間延長」は民営でなくても実現でき、市営でこそさらなる運賃値下げやサービス向上、安全対策が図れると力説し、地下鉄・市バスの廃止・民営化に反対。今回の修正案では「公営企業の意義」を付け加えざるを得なくなるなど、民営化の道理のなさが改めて浮き彫りになっています。
 3月市議会では公明党が民営化推進の立場から、修正を要求。ところが正式発表は5月市議会が開会するわずか1週間前。しかも市議会開会中に交通水道委員会で民営化問題が審議されるのは1回だけです。自民党などから「議論が尽くせない」などの非難も出るなど、橋下・維新の会が民営化で暴走すればするほど、矛盾とほころびが噴き出ています。

世界の常識に反する民営化
経済の健全な発展にも逆行
「交通権の確立・大阪市営交通を守り発展させる会」事務局長
宮崎守正さんの話

 いま世界の諸都市では公営で安全・便利・安価な都市交通を発展させることが流れになっています。大阪市でも都市の「動脈」としての地下鉄、それに人々を運ぶ「毛細血管」としてのバスを一体に運営する総合交通体系が、これからの時代にはますます必要です。
 橋下大阪市長が進める民営化は、地下鉄とバスを分離して独立採算にするというものですが、民間でも不採算のバスが切り捨てられるのは目に見えています。世界の常識に反し、総合交通体系を維持・発展するの公の責任を放棄するもので、絶対に許せません。
 修正案では「将来ビジョン」で地下の「グランドリニューアル」を追加し、コンビニ業者と連携した店舗展開や各種商業施設の設置などを掲げました。大資本に新たなもうけ口を提供するだけで、地域の商店街や零細小売業者の皆さんには大打撃になります。
 地下鉄・市バスの民営化は、高齢化社会の中でのまちづくりにも、大阪経済のまともな発展にも逆行し、断じて許すわけにはいきません。私たちもより広範な人々との共同を広げ、民営化をストップさせるまで全力で頑張ります。(2013年5月19日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2013年05月19日

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