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たつみコータローのさわやか対談 国民多数の願いを代表した闘争 ダイキン有期間社員雇い止め裁判原告

2013年03月24日

JMIUダイキン工業支部委員長
青山 ー見さん

労働者と日本経済左右する裁判
日本共産党 参院大阪選挙区候補
たつみ コータローさん

 日本共産党のたつみコータロー参院大阪選挙区候補は、ダイキン工業の不当な雇い止めを許さず解雇撤回・職場復帰を求める裁判原告でJMIU(全日本金属情報機器労働組合)ダイキン工業支部の委員長・青山一見さんと対談。偽装請負の状態を含め、20年に及ぶダイキン労働者としての思い、裁判闘争と日本経済と雇用対策のあり方について語り合いました。

たつみ こうしてお話するのは初めてですね。違法な雇い止めを許さないと立ち上がった4人の姿に励まされていました。きょうは、じっくりお話を聞かせてください。
青山 集会などでいつも、たつみさんの姿はお見掛けしていました。こちらこそ、よろしくお願いします。
 私は、ダイキン工業の堺製作所で計20年ほど働き、業務用エアコンの出荷作業やフォークリフトでの荷卸しや部品搬入などの業務に従事しました。当時は職場の半数以上は「支援従業員」と呼ばれた非正規労働者で、「請負」労働者ですが、ダイキン正社員と一緒の製造ラインに従事していました。
たつみ 典型的な「偽装請負」ですね。20年も働き続けたとすると職場では大ベテランですね。

働き続けたい願い裏切られ

青山 はい、正社員にも仕事を教えていました。空調大手の大企業で職場環境が良かったこともあり仕事にやりがいを感じていましたし、誰もがずっと働き続けたいと願っていたと思います。
 ダイキンは07年に請負労働者を直接雇用にする方針を示しました。もともと大阪労働局が、法律違反の偽装請負を解消して、「雇用の安定化」を図るよう是正指導したのがきっかけですが、ダイキンが提示したのは「半年」「1年」の契約を最長2年6カ月まで繰り返す有期契約でした。有期社員になるか、辞めて別の仕事を探すか1カ月以内に決めろと言われましたが、「選択肢」なんてないに等しいものです。“ずっと会社に貢献してきたのだからきっと仕事は続く”と誰もが信じて有期社員になりました。
たつみ そして2年6カ月で雇い止めされたのですね。業績が好調な大企業がある日突然何百人もの首を切る、あまりにひどいやり方ですね。
青山 2010年8月末に、私を含め203人が雇い止めされ、前後して240人が新たに採用されました。仕事が好きだったし、ベテランとして良い仕事ができると自負もありました。仲間と弁護士さんに相談し、労働組合を立ち上げて団体交渉も続け、解雇後にすぐ地位確認と損害賠償を求めて大阪地裁へ提訴しました。

命と暮らしの根幹軽視され

たつみ 人間が生きていく上で雇用の確保は土台となるものです。
 私は9年間、生活と健康を守る会の職員として働き、社会格差が広がる中、生活に苦しむ人たちの最後の「駆け込み寺」として相談・支援を続けました。リストラなど家族の失業で収入が途絶えたのを機に住む家さえ失いご飯も食べられないというケースは本当に多いんです。雇用は「暮らし」と「命」を守る根幹。雇用があまりにも軽く扱われる企業社会のあり方は1日も早く改善されなければなりませんね。
青山 昨年11月に大阪地裁で判決があり、2年6カ月の「契約書」にサインしたことを理由に請求はすべて退けられました。17年間偽装請負で働いた事実にはまったく目を向けない判決です。「有期」契約が、企業が自由に首切りできる使い勝手のよい制度として悪用されるようになれば労働者の未来にとって大問題です。
たつみ 控訴審の本格審理が大阪高裁で始まりましたね。弁護団も強化され、何としても「逆転勝訴」を勝ち取ろうと支援の動きも急速に広がっていると聞きました。
青山 3月5日の第1回口頭弁論では、原告の仲間が陳述し職場復帰の願いを訴えました。地裁判決があまりにひどい内容だっただけに、原告4人にとって「絶対に勝ちたい」との気持ちは以前より強く固くなっています。原告には加われなかった昔の仲間たちの願い、そして未来にこんな雇用制度を続けさせてはいけないという怒りが原告4人の「絆」となっています。
たつみ 素晴らしいですね!間違ったことを許せないと立ち上がった4人の勇気に励まされますし、苦しんでいる多くの人たちの声をもっともっと広げて必ず社会を変えていかなければと思います。
青山 私はいま組合専従として多くの支援者のカンパに生活を支えられ、支援を訴え続けています。残りの3人は生活のためアルバイトです。1人は妻と病弱な幼子のためと午前7時から午後3時まで飲食店で働き、続けて別の会社で午後10時までのダブルワーク。もう1人も午前3時から午後10時までのダブルワークを続けています。

多くの仲間と共にたたかう

 4人とも生活は大変ですが、労働組合と出会い、裁判闘争を通じて大きく成長しました。
 私は、市民合唱団Peace Callの一員となって働く仲間の輪を広げ、市民劇団による創作劇が6月21(金)、22(土)の2日間上演されることも決まりました。
 裁判傍聴に駆け付けてくれる多くの方の姿に、「1人でたたかっているんじゃない。国民多数の願いを代表してたたかっているんだ」と確信しています。
たつみ 雇用と労働者の暮らしを守ってこそ、会社自身の発展につながるはず。日本共産党は雇用を守り、賃上げを訴える「働く人へのアピール」を発表しました。大企業を相手にたたかう青山さんたちと共に、1日も早い解決へ力を尽くしたいと思います。
青山 日本共産党の山下よしき参院議員は、私たちの実態を詳しく調査してダイキン問題を国会質問し、政府に「労働者に大変な苦労をかけている」(菅直人首相・当時)と答弁させました。次の参院選では日本共産党が大きくなってほしい。何としても山下さんとたつみさんを国会に送り出したいです。
たつみ ありがとうございます。ダイキン裁判のゆくえは、労働者と日本経済を大きく左右する重大問題だと思います。何としても勝利しなければなりませんね。裁判傍聴などの支援活動にも参加したいと思います。非正規労働者の働く実態を広く訴えて、現状を変えていくために力を合わせていきましょう。
(2013年3月24日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2013年03月24日

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