>>>ひとつ前のページへトップページへ

「大阪市立桜宮高校体罰問題」の「しんぶん赤旗」報道を掲載します

2013年01月18日

「しんぶん赤旗」2013年1月11日(金)
体罰はスポーツの否定
「しんぶん赤旗」スポーツ部長 和泉 民郎
 「30〜40回たたかれた」「口から血を流して帰宅した」…。バスケットボール部顧問の体罰を苦に、17歳の男子高校生が、みずから命を絶ったといわれる今回の問題。大阪市立桜宮高校での体罰の実態が明らかになるにつれ、そのひどさに胸が締めつけられます。
 体罰や暴力的な指導は、依然として日本の部活動やスポーツ界が抱える深刻な問題です。
“氷山の一角”
 文部科学省によると、体罰を理由に処分を受けた教職員はここ10年ほど年間400人前後で推移しています。2011年は404人で、うち3割ほどの110人が部活動に関するものでした。しかし、これは氷山の一角にすぎません。
 取材でもこんな場面を目にしたことがありました。高校柔道の全国大会で、ある強豪校の顧問が、試合に敗れた後、選手を革靴でけりあげ、会場のすみにチームを集めました。すると、ある選手を集中的に殴り始め、その生徒はひざからがっくりと崩れ落ちました。それでも、体罰は続きました。
 今回のバスケットボール部は5年間で3回、全国大会に出場する強豪校でした。成績を上げるために、体罰を加えて生徒を駆り立て、成績を上げようとしたのではないか。こうした暴力、体罰に頼った指導に共通した心理状態がここにあります。
 しかし、体罰や暴力がいかに子どもたちの人権や人格を否定し、心身を抑圧し、傷つけることになるのか。今回の男子生徒は、みずから部のキャプテンに名乗りを上げる、前向きでバスケットに一生懸命な若者でした。その心を体罰が押しつぶしたのです。
 本来、部活やスポーツに、暴力や体罰は、相いれません。
 スポーツはそれを通じて人格や人間性の発展を促すものです。そもそもスポーツは、その野蛮さ、暴力的なあり方をルールによって排除し、より安全で人間的な質を持った文化として成立したものです。体罰は、スポーツの根本の否定でもあるのです。
優れた実践も
 現在、体罰によらず、選手の自主性を尊重しつつ、成長し、強くなっている部活動の実践が多く生まれています。さらに体罰がスポーツのあり方に反するとの声は近年、そのトップを極めた人からも上がっています。
 プロ野球元巨人の桑田真澄投手は、「小学生のときから、グラウンドに行って殴られない日はありませんでした。…『この野球界を変えたい。なんとかしたい』と高校生のころからずっと考えていた」とその著書『野球を学問する』のなかで明かしています。そして、3年前、早大大学院で野球の根性主義、体罰や暴力、いじめ問題の根源の思想と、新しいあり方を研究論文としてまとめています。
 体罰や暴力をこのスポーツ界の中から、いかになくしていくのか。一人の若者の死を決して無駄にしてはなりません。

「しんぶん赤旗」2013年1月11日(金)

橋下市長「体罰あり得る」
「禁止はうわべのスローガン」
大阪自殺問題で
 大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒が教員から体罰を受け、自殺した問題で、橋下徹市長は10日、「正直僕は、クラブ活動の中でビンタをすることは、ありうると思っている」と体罰を容認し、「きちっとルール化できていなかったのが問題だ」などと主張しました。
 橋下氏は教員による体罰について、「全国大会を目指す桜宮高校の体育科では、保護者も含め、ある程度のところは教育的な指導だという暗黙の共通認識があったのではないか」と発言。「にもかかわらず教育委員会が体罰禁止とか、手を上げることは絶対にありえないという、うわべっ面のスローガンだけで事にあたっていたことが(事件の)最大の原因」と強弁しました。
 その上で、実態解明と体罰をどこまで容認するかというルールづくりを主張し、「これは議論が出ると思う。“手を上げることを前提とするルールをつくるのか”ということになるでしょうけど、それはそれでまたそのときに批判を受けながら議論していけばいい」などと語りました。

投稿者 jcposaka : 2013年01月18日

トップページへ ひとつ前のページへ ページ最上部へ
ご意見・ご要望はこちらから