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原発、就職難、維新の会 志位さんに、聞いてみた 青年トークセッション一問一答

2012年05月26日

 「社会の中で弱い立場にある方を一番大事にする政治は、すべての方を大事にする政治になる」――。日本共産党の志位和夫委員長は、発達障害のある中学1年生の男子生徒の質問にそう答えました。同党府委員会と民青同盟府委員会が共催した大阪青年トークセッションで志位氏は60分の講演の後、90分にわたり青年らの質問に一問一答形式で丁寧に答えました。

政権取ったら何したい?
消費税に頼らない社会保障の充実

 障害のある中学生の質問は、「僕が大人になったとき、障害があっても仕事ができる社会になっていますか」というもの。維新の会大阪市議団が議会に提出しようとした家庭教育支援条例案で、親の愛情不足が発達障害の原因であるかのように書いたことについても「僕は違うと思う」と話しました。
 志位氏は「一人一人、かけがえのない人生で持っている能力を発揮する権利がある」と述べ、民主や自民、公明の各党が、障害者に重い負担を強いた自立支援法を抜本改正する案を骨抜きにしたことを、怒りを持って告発。どんな障害を持っていても成長・発達する可能性を唱え、障害児教育に力を注いだ教育者の遠山啓の言葉を紹介しました。

維新には社会的連帯で

 維新の会についても、「本当に卑劣だと思うのは、市民の中に『敵』をつくるやり方だ」と批判。「市民を分断し、互いにむしばみ合いをさせるのは、かつてヒットラーがやったことと同じ。私たちは社会的連帯で立ち向かおう」と訴えました。
 「きょうは仕事で参加できない父に代わって質問します」と切り出した大阪市住吉区の青年は、「共産党が政権を取ったらまず何をしたいですか」と質問。志位氏は、講演の中でも紹介した、消費税に頼らない社会保障の充実と財政再建を示した同党の提言の内容をぜひ実現したいと強調。労働者派遣法の抜本改正、働く貧困層や安保条約をなくすことなども挙げた上で、他の野党からも「共産党は唯一、政権党になれる」と評価されていることも紹介しました。
 大阪市西成区で学童保育指導員をしている女性も、橋下・維新の会について質問。「展望が見える話が聞きたい」と求めました。
 志位氏は「単に競争至上主義と自己責任だけでなく、独裁・恐怖政治でそれを押し付ける」と橋下・維新の会について述べ、「異質の危険がある」と指摘。また、同党以外の政党が中央レベルで「あるかないか分からない票を欲しがって色目を使っている」ことを「政党の自殺行為」と述べ、戦前から民主主義を守り抜いてきた共産党を伸ばすことに展望があると話しました。

民主党のようにならない?
日本改革のプログラム、綱領で国民に約束

就職難打開4つの提案

 就職難についての質問もありました。いまや中学3年生との会話の中でも「就職が心配」という言葉が飛び出すと言います。志位氏は「打開のために4つの提案をしたい」と切り出しました。
 1つは非正規雇用から正規雇用への転換。2つ目にサービス残業の根絶。これにより約100万人の雇用が増えるといいます。3つ目は公務員減らしをやめること。「公務員と民間で給料の減らし合戦やってどうするのか」と志位氏。4つ目に志位氏は、福祉や新エネルギー開発などの新しく健全な成長分野に政府が力を入れることを挙げ、「簡単ではないが一歩ずつ解決したい」と意欲を見せました。
 原発の廃炉にかかる費用についての質問に志位氏は、「使用済み核燃料が無害になるまで100万年かかり、廃炉にする技術の開発もこれからだ。電力業界が核燃料サイクルの名目で積み立てる19兆円に加え、原発で儲けてきたメーカーや大手ゼネコン、大銀行の拠出で総額約50兆円の財源を確保し、将来にわたり国民負担なしで除染と賠償、廃炉に」とする同党の提案を説明しました。
 「共産党が影響力を増したとき、民主党のように変わっていかないか心配」と話す青年に対しては、志位氏は、「共産党には綱領がある。日本をこういうプログラムで変えていくと国民に約束した文章だ。みんなで決めた綱領を一番大切にしている」と話しました。また、財界からの企業献金や御用組合などからの団体献金を受け取ったことがないことや、全国に2万4千の支部があり、「もし国民を裏切ったら全国の党員が黙っていない」と、草の根で国民と結び付いている共産党の姿を紹介しました。

「古典は人生の財産に」

 一問一答を終えた志位氏は、最後に青年たちに、『資本論』をはじめ社会科学の古典を読むことを勧め、「私も高校生の頃に読んだがちんぷんかんぷんだった。しかし読む度に新しい発見があり、必ず人生の財産になる。生きていく上での羅針盤になる」と語りました。
 さらに青年らに入党を呼び掛けた志位氏は、カール・マルクスが高校の卒業論文で書いた「職業の選択にさいしての一青年の考察」の一節を紹介し、「私は仕事をしていて個人や集団の役に立ったときにもっとも幸福感を感じる。全部を助けようと思わないこと。まず一人を助けることが大勢を助けることにつながる。そういう人生をぜひ若い皆さんに選び取ってほしい」と話しました。(2012年5月27日付け「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2012年05月26日

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