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市民の命、暮らし守ろう 橋下・PT試案 福祉切り捨て・負担増のオンパレード 急速に広がる運動と共同

2012年04月28日

 橋下徹大阪市長の号令の下、あらゆる世代に福祉切り捨てと負担増、施設の統廃合を打ち出した「施策・事業の見直し(試案)」(PT試案)に対し、各界各分野の運動や共同が急速に広がっています。

事業継続へ75万署名
――学童保育の補助金廃止

 大阪市の学童保育は保護者の共同運営の下で40年間、放課後や休日の子どもたちの遊びと生活を守り、保護者の就労を保障してきました。
 PT試案が学童保育の補助金廃止(13年度)を打ち出したことに、「強行されれば、多くの学童保育が運営できなくなる」「保護者は安心して働けず、現役指導員の職場はなくなる。何より子どもたちの居場所がなくなる」と怒りが広がっています。
 大阪市学童保育連絡協議会は4月9日に、廃止案の撤回を求める平良和博会長の声明を発表。同16日には留守家庭児童対策(学童保育)と全児童対策(いきいき放課後事業)の方向性をまとめた対案を発表しています。
 同24日夜に大阪市阿倍野区内で緊急に開いた「学童保育をつぶさないで集会」には約250人が参加。事業継続を求める要望署名を、ダブル選での橋下市長の得票に相当する75万人分を集めることなどを確認しました。
 リレートークでは、「学童保育はただ遊んだりするところではく、人間を育てるところ。その大切な場所を失うわけにはいかない」(学童保育OBの女子高校生)などの発言がありました。

立場超えて女性団体が行動
――クレオ大阪5館全廃

 PT試案が男女共同参画センター(クレオ大阪)の14年度5館全廃を打ち出したのに対し、大阪市女性会議の登録団体が11日、市男女共同参画課と懇談。登録31団体のうち、有志6団体代表が参加し、「クレオを廃止しないで」「時代に逆行している」「女性の地位向上を目指し、次世代につなぎたい」と訴えました。
 「クレオをなくさないで、の相談会を」と11人の女性市議にも呼び掛けると、「今、声を上げなければ」(共産)、「公共が果たす役割はなくてはならないもの。民間とは違う」(自民)などの声も返ってきています。
 「大阪の男女共同参画施策を守る会」(仮称)が28日、クレオ大阪中央で廃止案反対と施策存続を訴える緊急集会を開く予定です。
 クレオ大阪は、総合センター機能を持つ中央館(天王寺区)と、地域拠点としての東部館(城東区)、西部館(此花区)、南部館(平野区)、北部館(東淀川区)のブロック館4館からなる計5館。就業の場や地域における男女共同参画の推進の支援、女性への暴力の根絶をはじめ、男女の心と体の健康に向けた相談・支援の充実などの重点的な取り組みを推進する拠点施設として役割を果たしてきました。

地域のつながり強めてこそ
――社協、地域福祉事業の削減・全廃

 PT試案で市社会福祉協議会(市社協)や各区社協への補助金を25%削減。また独居の高齢者へ地域のボランティアが食事を提供し、健康増進や安否確認する「食事サービス事業(ふれあい型)」(1食250円補助)の廃止を打ち出しました。
 同事業は40年以上、地域のボランティアらによって受け継がれてきたもの。65歳以上の高齢者のいる世帯に占める独居の割合は全国平均24・8%に対し、大阪市は41・1%と高くなっています。福祉保育労大阪地本大阪市支部の大石康子委員長は、「地域のつながりが薄く独居の高齢者も多いことから、歴史的につくられてきた事業。廃止は本当に驚いた」と話します。
 小学校区ごとに配置されている地域ネットワーク委員会事務局スタッフ(推進委員)316人を全廃。スタッフは地域ボランティアらと連携して独居高齢者の訪問活動を行い、民生委員や町会などの連携に役割を果たしてきました。
 大石委員長らは「大阪市の地域福祉を守る会」を立ち上げ、橋下市長宛の緊急陳情署名を開始。「高齢者の孤立化が進む大阪市で地域福祉を削ることは、安心安全なまちづくりへの攻撃だ」と訴え、「周りの1人でも多くの人に署名を訴えて」と呼び掛けています。

真実知らせ子ども守る
――基準引き下げ、補助金廃止など保育改悪

 「現役世代への重点投資」と言う橋下市長ですが、PT試案は保育士の配置基準を1歳児5人に1人から6人に1人に引き下げ、その分の補助金を廃止(13年度)、市民税非課税世帯からの保育料徴収(同)などを打ち出しています。
 大阪市保育運動連絡会(市保連)では、「真実を知らせること」を最重要課題と位置づけ、市内全域に配布するビラを準備中。4月中には完成させ、影響力のある私立保育連盟に加盟する民間保育園への働きかけや、各保育園での学習会なども含め、PT試案の中身を知らせていくとしています。また、保育料決定通知が届きしだい、不服審査請求の運動も呼び掛ける予定です。

子どもの命守るたたかい
市保育連事務局長 中山清さん(保育士)の話

 保育士の配置基準を子ども5人に1人から6人に1人にするとしていますが、いまでも大変なのに子どもを増やして、震災が起きたときに子どもたちを守れるのかと怒りでいっぱい。「待機児解消のために3年の期間だけの我慢」と橋下市長は言いますが、その間に何かあったらどうするのですか。待機児童解消の影でラッコランドでの事故死など、子どもが亡くなっていることを、どう考えているのでしょうか。保育園は子どもの命を預かる所です。社会の宝である子どもたちを守るのは、私たち大人の仕事。とにかく多くの人に知らせ、廃案を目指して踏ん張りたい。

赤バスなくさんといて

 橋下市長が大阪市営地下鉄の民営化を狙い、PT試案が敬老パス有料化、赤バス運営費補助の大幅削減を打ち出しているのに対し、「大阪市営交通を守り発展させる市民の会(仮称)」準備会が4月22日に大阪市中央区内で開いた「問われる『市民の交通権』学習会」には約150人が参加。「敬老パスは高齢者の外出支援、医療費減少や介護予防など大きな役割を果たしている」などの発言が相次ぎました=4月24日、大阪市中央区内(2012年4月29日・5月6日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2012年04月28日

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