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市民だまして施策切り捨て 橋下「PT試案」 敬老パス有料化、国保減免廃止、保育料値上げ、学童保育補助金全廃、市民施設の廃止・売却… 全ての世代に容赦なく

2012年04月14日

 「大阪市は潰しません」「住民サービスを拡充します」――橋下徹大阪市長と維新の会は昨年11月の「ダブル選」で、こう大宣伝していました。ところが、橋下市長が設置した改革プロジェクトチーム(PT)が5日発表した「施策・事業の見直し(試案)」(PT試案)は、子どもから高齢者まであらゆる世代の市民に、負担増や公共施設の統廃合を押し付けるもの。「民意を得た」などと暴走を続けてきた橋下・維新の会のウソとペテンが際立っています。(2面に市民施策の切り捨て、施設の統廃合の主なものを掲載)

現役世代にも軒並み負担増

 PT試案は当面10年間に約500億円の収支不足が見込まれるとして、「収入の範囲内で予算を組む」という橋下前府政と同じ考え方で、11年度予算で1億円以上の443の施策・事業について「聖域なきゼロベースの見直し」を行ったものです。


 敬老パスの有料化や赤バスの運営費補助の削減、国民健康保険料の市独自減免の廃止、重度障害者世帯やひとり親世帯などの命綱となっている上下水道の福祉減免廃止など施策の切り捨てがずらり並びます。
 橋下市長は「現役世代への重点投資」を繰り返し叫んできました。しかしPT試案が打ち出しているのは、前年度市民税非課税世帯からの保育料徴収、学童保育への補助金全廃、新婚家庭家賃補助の廃止…。若い子育て世代にも、容赦がありません。
 障害者スポーツセンター(2カ所)の統廃合、大阪市音楽団の廃止、大阪フィルハーモニーと文楽協会への運営補助金の削減など、大改悪はあらゆる世代と分野にわたっています。

「大阪市解体」を前提にして

 PT試案は、市民・区民が利用する公共施設の廃止・統廃合を打ち出しています。生涯学習センター、市民学習センター、男女共同参画センター(クレオ大阪、5カ所)などは全廃です。
 区民センターは34カ所から9カ所、屋内プールは24カ所から9カ所、スポーツセンターは24カ所から9カ所、子育てプラザは24カ所から18カ所へと一挙に削減。市民の貴重な財産ですが、廃止後の施設は民間への売却などを盛り込んでいます。
 これらの前提になっているのが「大阪市解体」。ことし8月に就任する「公募区長」が、「大阪都」に移行するために、現在の24区を8〜9の「特別自治区」に再編する区割り案を示す(来年8月)ことが、すでに決まっているかのように位置付けられています。

「ダブル選」の公約でウソを

 橋下市政は、PT試案に基づく各局との公開議論を経て、5月中旬に外郭団体改革などと合わせた「市政改革プラン(素案)」を公表し、パブリックコメントを実施。6月には「市政改革プラン(案)」にして、7月の本格予算に反映させるとしていますが、こんな暴走が許されるでしょうか。
 橋下・維新の会は、「ダブル選」当時の法定ビラで、こんなことを書いていました。
――権限・財源を権力機構(体制)から住民に取り戻します
――24区、24色の鮮やかな大阪市に変えます
――大阪都構想は市民の皆様の生活を良くするための手段です
――決断力と実行力があり、しがらみのない大阪維新の会でなければ、市民のための改革は実現できません
 ビラで「だまされないで下さい!」と訴えていた橋下・維新の会。しかし、市民をだましていたのは一体誰だったのか、PT試案を見れば明らかではないでしょうか。

市役所前で宣伝
暮らし直撃の橋下市政
「思想調査」幕引き許すな

 大阪市特別顧問の野村修也弁護士は6日、橋下徹大阪市長が業務命令で職員に強制した違憲・違法な「思想調査」で、回収したデータや用紙の廃棄作業を行いましたが、橋下市長は「問題ない」と居直っています。同日、日本共産党の山口勝利府委員長は「これで幕引きは許されない」とコメントを発表(6面に全文掲載)、徹底追及と民主主義を守る一点での共同へ力を尽くすと表明しています。
 9日には「教育基本条例」「職員基本条例」の制定を許さない大阪連絡会議、大阪市対策連絡会議、大阪憲法会議・共同センターが9日、大阪市役所前で宣伝行動に取り組みました。「橋下市長は『思想調査』の違法を認め、謝罪せよ」と訴えるとともに、大阪市議会で継続審議になっている「大阪市教育行政基本条例案」「大阪市立学校活性化条例案」「職員基本条例案」を何としても廃案に追い込もうとアピールしました。
 宣伝カーから訴えた大阪労連の川辺和宏議長ら各弁士は、「橋下市長は『思想調査』でも、職員リストのねつ造問題でも無反省。悪いことをしても謝らないのでは、行政の長は務まらない」「大阪市の『施策・事業の見直し』は、市民の暮らしを直撃する、とんでもない改悪。それを強行するために『職員基本条例』で物言わぬ職員づくりが狙われている」と強調。日本共産党の清水ただし府副委員長(衆院比例近畿ブロック候補)も参加し、訴えました。


(2012年4月15付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2012年04月14日

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