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「子ども・子育て新システム」 公的保育制度を解体 ストップ集会に300人以上

2012年04月01日

 開会中の通常国会に「子ども・子育て新システム」関連法案提出が狙われる中、大阪保育運動連絡会などは3月21日、大阪市中央区で、新システムSTOP大集会を開催しました。300人以上が詰め掛けて熱気にあふれた集会では、“公的保育を解体する新システムを許すな”“すべての子どもに充実した保育を”と府内の運動を交流。国会請願署名運動などの強化を呼び掛けました。
 開会あいさつで大阪自治労連保育部会の塩見悦子さんは、すでに国会提出した全国300万人以上の請願署名など「新システム」反対運動の広がりを指摘。「公的保育制度を守り発展させるためにも、何としても新システムを阻止しよう」と呼び掛けました。

最低基準改悪狙う橋下市長

 大阪市役所労組の永谷孝代さんは、橋下徹・大阪市長が強行する労組敵視の「思想調査」問題や、市が独自に上乗せしてきた1歳児の保育士配置基準を国基準(6対1)に引き下げようとしている問題を批判。「子どもの命と健やかな成長を保障する最低基準の改悪を許してはならない」と語りました。
 集会では、大阪市都島区の認可外保育施設「ラッコランド京橋園」で起きた乳児死亡事故の裁判原告の母親が発言。事故当日の保育体制が乳幼児17人に対し無資格の職員2人だけだったなどの問題点を指摘。大阪市が導入を進める「登録保育ママ制度」は安全上問題があると語り、「悲しい事故が繰り返されないために保育環境を良くしたい」と訴えました。

料金で運営する塾のように

 児童福祉問題に詳しい「らく相談室」(京都市)の池添素さんが講演。新システムについて、▽パート勤務などで労働時間が短いと一時預かりになる▽認定時間外の保育は実費徴収になる―などの問題点を詳述。「これまで保育者と親たちが築いてきた集団や発達を考えた保育ではなく、まるで保護者が支払うお金で運営する塾のような形態に変わってしまう」と語りました。さらに障害のある子どもの入所が難しくなる問題や、人件費削減のため正規保育士が減らされる恐れを指摘。「子どもは私たちの未来。安心して暮らせる社会をつくるために、最後まで力を合わせていきましょう」と呼び掛けました。
 保育士や保護者らがリレートーク。大阪市住吉区の民間保育所で働く保育士は、大阪市の最低基準切り下げ反対の運動を報告。同市の学童保育に子どもを通わせる母親は、橋下市長の補助金見直し方針で学童保育の運営が危機にあると語り、「大切な学童保育を守るために運動を広げたい」と述べました
 行動提起で大保連の仲井さやか事務局長は、学習会や宣伝、全保連が取り組む国会請願署名、5月13〜14日の全国行動参加など、「新システム」ノーの世論と運動を大きく広げようと呼び掛けました。

保育の必要量≠認定/保育所と契約/待機児解消は絵に描いた餅自治体の実施責任をなくし保育の市場化・商業化狙う

 政府は3月2日、全閣僚出席による少子化社会対策会議(会長・野田佳彦首相)を開き、「子ども・子育て新システム」関連法案(子ども・子育て支援法案、総合こども園法案など=仮称)の骨子を決定。開会中の通常国会に、消費税増税法案とともに提出を狙っています。
 新システムの重大な問題点の1つは、児童福祉法24条の改悪です。市町村が保育の実施に責任を持つ現行の公的保育制度が解体され、商品のように保育を買う仕組みへと変質、保育の市場化・産業化を進める狙いがあります。
 現行の施設整備費は廃止され、市町村による待機児童数把握も義務ではなくなります。自治体によって認可施設が整備される見通しはなく、保育の供給量や質は市場原理に委ねられます。
 利用者は就労時間などに応じて保育の必要量の認定を受け、保育施設と直接契約し、認定の範囲内で利用。施設が足りない場合は認定されても利用できず、保育所探しまで自己責任化する無責任極まりない制度改悪となります。また認定量を超えた保育を受ける場合は全額自己負担となる恐れも指摘されています。
 待機児童の約8割は3歳未満ですが、一体化施設である「総合こども園」では、0〜2歳児の保育の義務付けがないため、待機児解消は絵に描いた餅となると、関係者の中に強い不信があります。
 待機児童の多い都市部を中心に企業参入が加速すると見られ、設置基準切り下げで、ビル内保育所など保育条件の劣化につながる可能性も指摘されています。
 現行の認可外施設には新たに指定制を導入し、「こども園」とします。「家庭的保育(保育ママ)」「小規模保育」も指定制になります。政府が待機児の受け皿にしようとする「保育ママ」は、マンションの一室などでの保育が想定され、面積基準も地方まかせです。
 指定園では、株式会社が保育であげた利益を、配当や他分野に流用することを自由にし、「総合こども園」では上限付きで配当を認めます。企業参入加速による営利化で、保育士の非正規化や保育の質の低下が強く懸念されています。
(2012年4月1付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2012年04月01日

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