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維新2条例案 撤回へ共同広げて 府民集会に1400人 平松市長、共産・社民国会議員もメッセージ

2011年12月17日

 「教育基本条例案」「職員基本条例案」の撤回を求める府民集会が7日、大阪市北区の中之島中央公会堂で開かれました。大阪労連など労働、法曹、教育8団体が呼び掛けたもので、2階席まで1400人の参加者で埋まり、熱気であふれました。  集会には党派を超えて賛同が広がり、先の大阪市長選で健闘した平松邦夫市長(18日に退任)も、「教育基本条例は、教育の政治的中立を侵害し、さまざまな矛盾を引き起こすのではという懸念を抱いています」とメッセージを寄せました。枚方市の竹内脩市長やジャーナリストの津村明子さんらが賛同し、日本共産党の山下芳生参院議員、吉井英勝、宮本岳志両衆院議員、社民党の服部良一衆院議員がメッセージも寄せました。  自由法曹団の伊賀興一弁護士が、2条例案を断固阻止するために知恵と力を集め、運動を大きく広げようと開会あいさつし、藤木邦顕弁護士が基調報告しました。

未来の宝をはぐくむ教育を

 府立高等学校PTA協議会の藤田城光会長は、小学校のときの担任教諭との心の触れ合いが生きる力になったと述べ、生活苦が広がる保護者の状況に触れながら、「教育基本条例案は、子どもも親も競争や管理に追い込むもの。未来の宝である子どもたちを心温かくはぐくむ教育をしてほしい」と語りました。

職員の良心さえ奪う条例案

 大阪弁護士会・憲法問題委員会事務局長の大槻和雄弁護士は、教育基本条例案は、憲法94条に抵触し、教育の政治的中立性を規定した教育基本法と教育委員会制度に反するものだと強調、条例成立反対へ取り組むと決意を語りました。
 「行政の役割は住民と行政の対立や問題を解決し、まちを発展させることにあるはず」。大阪府庁本庁舎にほど近い谷町2丁目町会長を務める中野雅司さんは、こう語り、府庁や成人病センターの移転問題に触れながら、「職員基本条例案は管理統制を強化するだけの前近代的なマネジメントスタイルで、住民の意見を削り職員の良心さえ奪ってしまう。笑いと文化のある住みよい大阪を守っていきましょう」と語りました。

全文読むと疑問湧いてくる

 「大阪の高校生に笑顔をくださいの会」の女子高生は、周りの同級生の多くが「競争教育」を当たり前のことに感じていることに疑問を投げ掛けながら、「教育基本条例案の全文を読むと、どんどん疑問がわいてくる。この問題に敏感でいて、学んだこと、感じたことを学校の友達に伝え、交流していきたい」と話しました。

学校を競争的環境に
人格形成の理念欠落
小野田氏

 大阪大学大学院の小野田正利教授が講演し、教育基本条例案の各条項について詳述しました。
 同条例案6条が、知事権限で教育環境を整えると規定している点について、「ここでいう教育環境は、教室の広さや学級人数のことではなく、学校の中をすべて競争的な環境にするということ」と批判。

米英ではすでに破たん済み

 同2条などが規定する教育目標としての「人材」育成は、社会格差を広げてエリート育成を突き進めるもので、英国や米国などで破たん済みだと強調。「学力テストの点数だけを目標とする条例のやり方には、憲法や教育基本法が目標とする一人一人の個性や尊厳を守り伸ばす教育観や、人格の完成という理念は欠落している。社会のあり方として間違っていると言わざるを得ない」と述べました。
 集会は、大阪府議会に向けて大規模な署名、宣伝、学習会に取り組む、組織や政治的立場の違いを超えて、広範な府民との共同を広げるなどの行動の呼び掛けを拍手で確認。2条例案が憲法や地方自治の精神に反し、大阪の教育と大阪の将来を危うくする大義も道理もないものだと批判し、「政治的立場や組織の違いをこえ反対の声を上げよう。歴史の逆流を許さず、民主主義を守り発展させるため、力を合わせましょう」と呼び掛ける府民へのアピールを採択しました。(「大阪民主新報」2011年12月18日付より)

投稿者 jcposaka : 2011年12月17日

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