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「強権政治許すな」運動大きく 5月府議会「君が代」強制 府議定数削減 維新が数の力≠ナ強行 府民団体、共産党が抗議

2011年06月11日

橋下維新 正体あらわに

 橋下徹知事が率いる大阪維新の会が、3日から4日未明にかけて、府議会本会議で「君が代」起立強制条例や議員定数削減条例を相次いで強行採決し成立させました。「選挙で勝てば何でもできる」とばかり、数の力を頼んだ維新の暴挙に、府民団体や日本共産党が抗議の声を上げ、「強権政治許すな」と運動を開始しています。(2面に関連記事)
 「君が代」起立強制条例は3日夜の本会議で維新などの賛成で可決。日本共産党、公明党、自民党、民主党は反対しました。
 同条例は「府立学校、府内の市町村立学校における服務規律の厳格化を図る」(目的)とし、「君が代」では「教職員は起立による斉唱を行う」と規定。「府の施設で執務時間に国旗を掲げる」ことも義務化しています。
 橋下知事は、9月府議会に起立しない教職員に対する「懲戒条例」を提出するとしており、今回の条例は処分の根拠づくりを狙ったものです。

審議・討論一切行わず

 議員定数削減条例は会期延長を強行した後、4日未明の本会議で上程し、審議や討論を一切行わないまま、事実上、維新単独で採決し、成立。日本共産党、公明党、自民党、民主党は本会議を欠席し、上の和明副議長(民主党)は辞職を表明しました。
 府議定数を現行109から88に削減。定数1の小選挙区は33から48へと大幅に増え、1人区と2人区が全体の88・7%に。ことし4月の府議選の得票を当てはめると、投票総数の約4割が議席に結び付かない「死票」になってしまいます。
 「君が代」は教職員に強制、定数削減で民意を切り捨てる――。自分たちの思うがままの強権体制を狙う橋下知事と維新の正体が、あらわになっています。

「条例撤回を」街頭で訴え

 大阪府議会が「君が代」起立斉唱強制条例と府議定数削減条例を強行可決した問題で、日本共産党の朽原亮府議会議員と東大阪市議団は7日、東大阪市の近鉄瓢箪山駅前で緊急抗議宣伝を行いました。宣伝には内海公仁、秋月秀夫、嶋倉久美子の各市議らが参加しました。
 朽原議員は、「君が代」条例について、国旗・国歌の義務付けや強制を厳しく戒めた国会審議や裁判判例に、真っ向から反するものだと批判。橋下知事が「公務員に自由はない」などと発言している問題に触れ、「権力者の命令が絶対正しいと従わせるのは戦前のやり方そのものだ」とし、「『日の丸・君が代』の扱いは、教育内容の一つとして学校で論議し、判断すべき問題。憲法が保障する内心の自由を踏みにじり、教育と子どもの心をゆがめる条例は撤回すべきだ」と訴えました。

民主主義は少数意見尊重なしに成り立たない
大阪経済法科大学法学部教授 丹羽徹さんの話

 国民の権利・自由にかかわる問題を数の力で通したことに非常に憤りを感じます。かつてのオール与党政治の下でも水面下でのやり取りはありました。今回のやり方はそれよりも悪い。
 府議会の議員を橋下知事は府民10万人に1人でいいと言っていますが、その根拠が示されていません。日本国憲法ができた戦後間もないころは、いまよりも経済状況は悪く、国民生活はもっと大変でしたが、「議員定数を削減しよう」なんて議論があったでしょうか。現代は価値観の多様化も言われているのに、なぜ民意をより集約しなければならないようなことをするのか、説明がなされていません。

教育への介入は違憲

 1票の格差が広がるという追及への反論も1つもありません。憲法上どうなのか。弁護士でもある知事はどう考えているのか。
 知事は選挙で勝ち取った数の力で教育に介入できると考えています。しかし最高裁は、行政が教育の内容にまで介入することは許されないとしています。
 最高裁が日の丸・君が代問題で2つの合憲判決を出しましたが、あれは学校長が現場で混乱を避けるために、教員に起立斉唱せよと職務命令したことに対するものです。もし教育委員会の通達に従わず、処分されたのが校長であったなら、違う判決が出た可能性があります。
 教員にしても「歌うな」と指導している訳ではないでしょう。民主主義は少数派の意見を尊重することなしに成り立ちません。
 90年代後半からの改憲運動の先を、知事は走っているように見えます。彼らは新自由主義の下、徹底的に競争原理を導入し、少数エリートとそれに従順な多数の国民をつくり出そうと動いてきました。知事が教育現場に対してやってきたことは、まさしくこのことです。そこで邪魔な教職員組合の人たちをどうにかしたいという、政治的意図が見えます。
 「国歌を立って歌わないやつは公立学校の先生を辞めてくれ」ということは、「おれの言うことが嫌なら大阪から出て行ってくれ」という話につながっていく。これでは大阪は元気になりません。

強行に抗議声明相次ぐ

 大阪教職員組合は3日、小林優書記長名で抗議声明を発表。今回の暴挙を糾弾するとともに、「条例は強行可決されたものの、教育現場への『日の丸・君が代』押し付けの是非や、『免職を含む懲戒処分』条例の不当性など、父母・府民の関心は大きく高まっている」と指摘。「この到達点に依拠し、父母・府民と力を合わせて、憲法と子どもの権利条約に基づく教育をいっそう豊かに発展させ、本条例の廃止、『懲戒処分』条例阻止のたたかいを、断固すすめる決意を表明する」としています。
 このほか、大阪労連が3日開いた第37回評議員会で、「憲法と民主主義、教育の条理にそむく『日の丸常時掲揚・君が代起立斉唱強制』条例案の強行可決に断固抗議する」との特別決議を採択。自由法曹団、原水爆禁止大阪府協議会も相次いで、「君が代」斉唱起立条例強行採決への抗議声明を発表しました。
 憲法改悪阻止大阪府各界連絡会議(大阪憲法会議)は、「日の丸」常時掲揚・「君が代」斉唱起立条例、府議会定数削減条例の強行採決への抗議声明を発表。新日本婦人の会大阪府本部は6日、両条例強行可決への抗議文を橋下知事と維新の会あてに送りました。
(2011年6月12日付「大阪民主新報」より)


投稿者 jcposaka : 2011年06月11日

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