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東大阪市長選“市民主役”で大変動再び 9月25日告示10月2日投票 東大阪市長候補 長尾淳三さんに聞く

2011年06月11日

 9月25日告示(10月2日投票)の東大阪市長選に、日本共産党や広範な民主団体でつくる「明るい東大阪をつくる会」推薦の前市長・長尾淳三さん(59)が再び挑み、98年、06年に続く3度目の民主市政実現を目指します。「数の力」による大義なき不信任劇で東大阪民主市政が中断されてから4年。混迷を深める政治と厳しさを増す市民生活の下、一人一人の市民との対話・宣伝活動に全力を挙げています。「市民が主役の市政に。夢と希望ある東大阪の実現を」と訴える長尾さんに市政改革の決意を聞きました。

民主市政への期待を痛感―
市民の「希望の灯」になっている

 昨年12月の市長選出馬表明以降、一人一人の市民の方々と対話し、確信しているのは“政治を動かす最大の力は市民一人一人の思いなんだ”ということです。
 ある高齢で体調不良の元自治会長を訪ねたときのことです。私が退出した後に、元会長は「もう一度激励したい」と奥様の手を借り、3分間ほどもかけて家の外まで出てこられたんです。そのとき私が路上で話していたのは保守系の人ですが、この様子に大変驚いた表情でした。元会長が「民主市政への期待の広がり」の強いメッセージを発信いただいたといえます。
 商売人の方は、「金のない苦しみよりも仕事がない苦しみの方がつらい」と打ち明け、お年寄りは「病院に行かなければと思うが医者代のことが気になって控えている」と嘆きます。かつて1万あった東大阪の製造業も6千へと減り、「町工場のネットワークに切れ目が生じている」という声も深刻です。若い世代も教育費のために働き詰めとなり、子育ての不安も広がっています。

変革の波感じ

 格差社会が進行し、将来への閉塞感と政治不信が広がる下、不安と困難の中で歯を食いしばって頑張っている市民にとって再び民主市政を実現することが、まさに「希望の灯」となっていると、訪問する先々で感じています。
 5月後半から辻辻でハンドマイク宣伝をしているのですが、多くの方が深くうなずきながら反応を示してくれます。私の政治経験でも初めてのことで、市民の中に変革を願うエネルギーが広がっていることを感じます。いまこそ苦しみの声に政治が応えなければならないと思うし、市民の願いが行動となり、大きな世論となれば、必ず政治変革の大きな力になると確信しています。

市民が元気になってこそ―
福祉施策をまちづくり政策に

 まちの担い手である市民の暮らしが守られ元気になってこそ、東大阪の活路を開くことができます。市民の健康を支え、中小企業に活力を与えるような、市の本来業務を進められるような市役所に改革するべきだと考えています。
 例えば住宅リフォーム助成を実現すれば工務店や大工さんの仕事を生み出すことができるし、健診事業拡充など健康づくりの推進によって、国民健康保険の負担軽減へとつなげる観点が重要です。福祉施策をまちづくり政策と位置付け、安心して住み続けられる地域づくりを呼び掛けていきたいと思っています。現市政が進める老人施設・四条の家や公立金岡保育所の廃止方針に市民の強い反対の声が広がっています。ただ費用を削ることが目的のような、市民の願いと逆向きの「行革」では本当の意味の市役所改革はできません。
 民主市政時代には、3万軒の全事業所実態調査を委託ではなく職員自らの手で実施しました。市民と職員が信頼関係で結ばれる行政運営であってこそ、市民の頑張る意欲と元気を引き出せるし、自治体職員のやる気を高め、住民福祉向上という行政の責任を果たすことができると思っています。職員一丸となって本当の意味での効率化と活性化を同時に進め、「市民のための仕事をどんどん進める市政」にすることが真の行政改革だと訴えていきたいと思います。

歴史の事業に後退なし―
「改革」は決してあきらめない

 この14年間で6度目の市長選挙挑戦となるように、激しい政争の中で、負けて勝ち、また負けて勝つを繰り返す激動の政治家人生を歩んできました。
 何より残念だったのは、4年前の「数の力」による不当な不信任劇と、直後の異常な選挙戦術で民主市政が中断させられたことです。暮らしの不安の声を聞くたびに、悔しい思いになります。しかし歴史の事業に後退はありません。一時的な困難は、必ず次の前進を準備し、新しい民主市政を切り拓く力になると確信しています。
 私にとって大変な苦労と試練を強いられたまちですが、これがわが愛する東大阪のまちに違いないのです。
 新聞記者から27歳で市議に初当選し、その後市長となった1人の政治家として、この愛する東大阪をより良いまちにしたいという願いは、より強くなっているし、苦労多いまちだからこそ、自分の手で何としても変えていきたいと決意を新たにしています。
 被災地の復興を願い、5月に岩手県大船渡市でボランティア活動に取り組みました。河川のがれき撤去や民家の泥出し作業、支援物資の仕分けを手伝いました。ぼうぜん自失の状態から一歩一歩前に進もうとされている被災者の皆さんと対話し、「行政が住民を支える大切さ」を実感しました。災害に強い東大阪のまちづくりなど市政の課題と結び、自らの政治活動に必ず生かしていかなければと肝に銘じています。

歴史の転換点

 決して改革はあきらめません。へこたれるわけにはいきません。「河内」の庶民文化は押し踏まれても立ち上がる雑草のような強さが特徴です。
 国政における民主党政権の混迷や、橋下府政が東大阪の権限と財源を巨大開発の暴走に突き進もうとしているいま、東大阪で民主市政をつくることは、「崖っぷち」に立つ停滞した市政から、発展への歴史の転換点となる重要な意味を持つことになるでしょう。
 市民の良識の声が未来を切り開く大きな力となることを確信して、胸を張ってすべての市民に語り掛け、3度目の民主市政実現を訴えていきたいと思います。
ながお・じゅんぞう 1952年東大阪市生まれ。八尾高、静岡大卒。東大阪市議(18年間)、東大阪市長(5年間)。現在、民主市政研究会代表。青春時代は陸上競技に没頭し、いまもジムで汗を流すのが趣味。好きな作家は向田邦子、田辺聖子。家族は妻と三男。
(2011年6月12日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2011年06月11日

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