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これまでの論戦の蓄積を力に 経済再生・安全なまちづくりへ 5月府議会開会 秋の「ダブル選」展望して 日本共産党 宮原威団長に聞く

2011年05月28日

 4月の府議選後、初の定例議会となる5月府議会(19日、6月4日閉会予定)に当たって、議会の焦点や日本共産党府議団の活動などについて、同議員団の宮原威団長に聞きました。

――いっせい地方選後、初めての5月府議会が始まりました。

今後に生かし巻き返しをはかる

宮原 府議選では日本共産党は、東日本大震災の救援・復興に全力を挙げると同時に、橋下知事や維新の会の「大阪都構想」の本当の狙いが、権限・財源を一つにし、大企業呼び込み型の巨大開発をより大掛かりに進めることにあることを明らかにし、府民の命・暮らしを守る府政への転換を掲げて奮闘しました。
 維新の会は過半数を獲得しましたが、その背景には閉塞感が広がる中で「何かやってくれそうだ」という期待が橋下知事に寄せられたことがあると思います。わが党は改選前の10議席から4議席へと大きな後退を喫することになりました。教訓や経験を導き出して、今後のたたかいに生かし、必ず巻き返しをはかる決意です。

財政運営条例に本末転倒の狙い

――5月府議会の焦点について聞かせてください。
宮原 大きく2つの問題があると考えています。第1に、府提出の「財政運営基本条例案」の問題です。大きな狙いは、将来の財源確保を理由に、財政調整基金を積み立てて手をつけないようにすること。府の財政調整基金はことし2月現在789億円に達し、今後10年度の決算余剰金が100億円から200億円程度生じることから、1千億円近くになると思われます。どれくらいの額を積み立てるかは、規則で定めるというのが府側の説明です。
――橋下知事は府財政を黒字にし、「貯金」ができるようになったことを実績としてアピールしてきましたが、何のための「貯金」なのかが問われますね。
宮原 その通りです。財政のために府民があるのではなく、府民のために財政があるのです。私たちはこれまでも、「府財政も危機だが、府民の暮らしや中小企業も危機だ」と主張してきました。「黒字」や「貯金」になっても府民施策が切り捨てられていたのでは、本末転倒です。
 日本共産党は選挙前の2月府議会でも、今年度予算案の組み替えを提案しました。子ども医療費助成制度の拡充や小学校警備員配置の継続、千里救命救急センターの補助金継続など9項目で、財源としては財政調整基金の取り崩しや、大型開発や大企業誘致のための補助金の抜本見直しを挙げました。
 組み替え動議は否決されましたが、こうした論戦の蓄積の上に立って、府民の暮らしと中小企業を応援することで大阪経済を再生する、地震に強い安全なまちづくりを進めることを正面から求めていきたいと思います。

府民の立場から都市制度で提案

 第2は、維新の会の「大阪府域における新たな大都市制度検討協議会」の設置条例案の問題です。橋下知事や維新の会は、各党会派の代表で構成する協議会で、「大阪都構想」も白紙にして議論し、9月末までに意見がまとまらなければ、知事選などの争点にすると主張しています。私たちは、大都市制度や自治体のあり方についても、府民の立場から積極的な提案を持って臨みたいと思います。

民意切り捨てる議員定数削減案

――維新の会の府議会定数削減案について、どう見ますか。
宮原 昨年10月の維新の会の提案では、現行定数109を88に大幅に削減し、1人区が88のうち48(54・5%)を占めるなど、民意の切り捨てにつながります。多様化する府民の要求を、いかに議会と府政に反映するか、市・区・郡に基づいて定数を決める現行法の改正も含め、定数問題は時間をかけて議論すべきであり、維新の会の削減案には反対です。

移転でなく現庁舎の耐震補強を

――東日本大震災の長周期地震動で咲洲庁舎(旧WTCビル)にも被害が出たのを受け、府が安全性について「検証結果」を公表(13日)しました。
宮原 わが党は震災直後に、咲洲庁舎の被害状況も視察しました。震度3でも10分以上揺れ、エレベーターは5時間停止、約360カ所が破損しました。「検証結果」は東南海・南海地震が連続発生した場合、ビルの振幅は最大6bになるとして、約10億円を追加して33億円をかけて耐震補強などを行うとしています。
 そもそも橋下知事が08年に府庁移転案を持ち出してきた当初から、私たちは、WTCビルは防災拠点として致命的な欠陥があり、府庁舎としてふさわしくないと追及してきました。そのことが、2度にわたる移転条例案の否決にも結び付いたと思います。
 府はWTCビルを買収し、約2千人の職員が働いていますが、大手前の現庁舎の耐震補強が、防災面でも財政面でも優れているというわが党の主張の正しさが、いよいよ明らかです。この問題でも積極的な提案を行っていきます。

ダブル選で改革の方向打ち出す

――11月の大阪市長選を、知事選との「ダブル選」に持ち込むという橋下知事の動きがあります。
宮原 「地域主権」の名で、全国的にも突出して都道府県の役割を投げ捨てていこうとする橋下知事や維新の会の路線とのたたかいでは、いっせい地方選が第1ラウンドとすれば、第2ラウンドが知事選・大阪市長選です。11月といえば約半年後。選挙の結果は、全国にも大きな影響を与えることになるでしょう。日本共産党府議団として、閉塞感の打破を求める府民の願いに応える大阪改革、日本改革の方向を太く打ち出す取り組みに力を尽くします。

投稿者 jcposaka : 2011年05月28日

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