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いっせい地方選 暮らし・福祉向上こそ争点 大型開発進める「都構想」ラジオ討論会で清水氏が主張

2011年01月15日

 4月のいっせい地方選を前に、大阪の各党代表が10日夜、毎日放送ラジオの番組「たね蒔(ま)きジャーナル」で討論しました。番組は午後8時から2時間の生放送。出席したのは橋下知事のほか、日本共産党元大阪市議の清水ただし府国民運動本部長、民主党府連幹事長代理の梅村悟参院議員、自民党大阪府連代表の谷川秀善参院議員、公明党府本部代表の佐藤茂樹衆院議員。司会は水野晶子アナウンサー、コメンテーターは毎日新聞専門編集委員の近藤勝重氏でした。

真っ向から反対は共産のみ
――「大阪都」構想

 討論ではまず、「大阪都」構想について各代表が見解を表明。「いまの出されている都構想には反対。都が本当にいいものなら、我々も議論する余地がある」(梅村氏)、「府議会の自民党には都構想への抵抗感はない。私は橋下さんが生まれる前から都政論をしてきた」(谷川氏)、「大阪全体の改革では共通する部分がある。二重行政を排除すべきだと当然考えている」(佐藤氏)などと発言しました。

 民主、自民、公明の態度に対して、近藤氏が「根っこは一緒」と指摘する中、清水氏は「大阪都」構想に「真っ向から反対です」と発言。「地方自治体に求められているのは、府民、市民の暮らし・福祉、中小企業をどう守るかどうか。施策の充実こそが争点だ」と強調しました。  清水氏が、東京都を例に、「大阪都」になれば大阪市の税収の4割が都に吸い上げられる問題などを示したのに対し、橋下知事は「事実誤認だ」「市民の暮らしを守るため、各区に決定権を与える」などと反論。梅村氏が「『都』というなら東京都をイメージするしかない。それ以外というのはルール破りだ」と述べました。

呼び込み型の開発は破たん
――景気雇用対策

 番組では成人式当日にインタビューした新成人の生の声として、「政治がぐらついている。ちゃんとしてほしい」「就職できるかどうか不安」などの意見も放送。これを受けて各代表が景気・雇用対策や大阪経済活性化について政策を述べました。
 「景気対策は地方が論じることはできない。府のホームページに成長戦略を出している」と橋下知事。「大阪をアジアと世界に直結させ、特区で世界の成功モデルを取り入れる」(梅村氏)などの発言が続きました。
 「国の景気対策を待たなくても、できることはある」と清水氏。大阪は中小企業の街であり、官公需発注の増大や住宅リフォーム助成制度の創設、商店街活性化などの支援策が重要だと指摘。橋下知事の狙いは大阪市の権限・財源を握って、高速道路や鉄道などの開発を進めることにあることを明らかにし、「呼び込み型開発はWTCなどことごとく失敗し、関空開港以来の15年間で府内総生産は3兆円も減少した。雇用拡大には呼び込み型では駄目だ」と強調しました。
 これに対し橋下知事は「呼び込んで競争させないといけない。敵はアジアの諸都市だ」などと、破たんした呼び込み型路線に固執しました。

枠組みではなく議員の問題
――住民要求実現

 清水氏が、待機児童解消へ保育所の増設など地方自治体にできることはあると指摘したのに対し、橋下知事は「此花区では保育所をつくってほしいという声があるが、大阪市に届かない」などとして、区を独立させて区長を公選すればよいと発言。清水氏は、区民の請願の紹介議員になってきたのは日本共産党だけで、他党が否決してきたことを示し、「(行政の)枠組みの問題ではなく、住民の声を聞かない議員の問題だ」と反論しました。
 橋下知事は、「共産党は財源を示さず、夢物語ばかり言う」と事実をねじ曲げたのに対し、清水氏は、大阪市にある4300億円の基金や1800億円の関電株、小学校300校分の未利用地などを活用すれば財源は生まれると、きっぱり主張しました。
 さらに清水氏は、橋下知事が進める国民健康保険(国保)の広域化では、一般会計からの繰り入れができなくなり、国保料は上がって滞納が増え、差し押さえなどの制裁も広がるのではないかと質問。橋下知事は「保険制度は、使ったものに応じて払うのが当たり前。保険料を下げるために繰り入れをして赤字が増えた」などと述べましたが、国保料は上がらないとは明言しませんでした。

口先だけでなく実行する党
――議会改革問題

 各代表が相手を指名して議論する最後のコーナーで、清水氏は橋下知事に質問しました。橋下知事は「子どもが笑う大阪」をキャッチフレーズに当選したが、障害者作業所や学校警備員の補助金削減に不安の声が上がっており、財政が厳しい中でも実施すべきと要求。また維新の会の代表として議員報酬をどう考えるのか、ただしました。
 清水氏は、これまで日本共産党府議団や大阪市議団が費用弁償の廃止や海外視察の中止を率先して実行し、今月からは議員報酬の一部を受け取り拒否(法務局に供託)していることを紹介。「パフォーマンスだけでは府民、市民はついてこない。維新の会はどうするか」と詰め寄ったに対し、橋下知事は「供託をやるのなら、やりましょう」と答えました。

投稿者 jcposaka : 2011年01月15日

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