>>>ひとつ前のページへトップページへ

知事提案の府庁移転 矛盾次つぎ でたらめ移転構想 2月府議会 見積もり操作 府民欺く

2010年03月12日

WTCビル買収は撤回を
日本共産党が追及

 開会中の2月府議会で、橋下徹知事が提案したWTC(ワールドトレードセンター)ビルの買い取り予算(117億円)が、大きな焦点になっています。「大阪・関西の経済活性化の起爆剤」などと、大阪市からのビル買収と府庁移転にこだわる橋下知事。しかし代表質問や一般質問での日本共産党の追及で、移転構想の問題点が新たに明らかになっています。

現庁舎改修が安価―知事答弁で認める

 くち原亮議員(東大阪市選出)は3日の代表質問で、WTCビルを買い取り大手前の現庁舎と併用すれば「分断庁舎」になる問題を追及。現庁舎から徒歩3、4分の周辺の民間ビルにある庁舎の部局を含め、咲洲のWTCビルに移転すれば、大手前とは「まったくの分断になる。『分散庁舎を統一する』という知事の言い分は崩れた」と指摘しました。
 現庁舎の耐震改修に加え、WTCの耐震改修や維持改修も府の仕事に。くち原議員は、現庁舎の敷地の一部が府の説明通り1平方b当たり97万円で売れても、WTCビルとの「分断庁舎」になることで、現庁舎の耐震補強案よりも府民負担が178億円高くなることを示しました。
 橋下知事は「お示しのような試算となる」と認め、大手前と咲洲の庁舎について、専用回線やウェブ会議システムなどで連絡体制を確保すると説明。これには新たに6千万円の費用が必要で、府の試算にも含まれていません。

都合のいい試算して

 森之宮の成人病センターを、大手前に移転しようと計画する橋下知事は、森之宮の跡地売却収入を1平方b当たり35万円と、路線価(37万円)より低く試算。ところが移転候補地の大手前の土地売却収入は97万円と、路線価(47〜51万円)の2倍で買うとしています。
 くち原議員は、「自分に都合のいいように府民を欺くことは許されない」と批判。府の試算通りに現庁舎の土地が売れる見通しはなく、WTCビルと現庁舎と併用すれば300億円を超える無駄遣いになることを示し、「移転条例が2度にわたって否決された下で、ビル購入は行うべきでない」「ビル購入より暮らし応援を」と主張。橋下知事は「不要なビルを買ったつもりはない」など、無責任な答弁に終始しました。

超高層ビルの危険―優れた大手前地区

 埋立地の咲洲に立つWTCビルは高さ265b。東南海・南海地震が今後30年以内に約7割以上の確率で発生すると予測される中で、日本共産党は昨年2月府議会以来、WTCビルのような超高層ビルへの長周期地震動の影響を、繰り返し追及してきました。

科学的にも検討して

 小松久議員(八尾市選出)は5日の一般質問で、民間や大学が長周期地震動の影響について研究を進めていることを示し、「(WTCビルを庁舎として使うことを)科学の到達点に立って検討すべき」と強く主張。橋下知事は「最近検討が始まったばかりで、そのままWTCビルに適用できるものではない」などと述べるにとどまりました。

 さらに小松議員は、大阪府・大阪市構造物耐震検討委員会報告書(08年3月)が、長周期地震動について「継続して検討できるよう今後調整を行いたい」と明記しているのに、検討しようとしない橋下知事を厳しく批判しました。  大阪府も参加する国の「京阪神都市圏広域防災拠点整備協議会」(ことし2月12日)は、「基幹的広域防災拠点」の候補地を、大手前にある大阪合同庁舎第4号館にすると確認。小松議員は、その選定理由が「消防・警察等関係機関へのアクセス性が優れている」「大地震に対して倒壊・崩壊の危険性が少ないこと」などとなっており、大手前地域の方が防災拠点として優れていることを示しました。  「東南海・南海地震に対して大手前とWTCと、どちらが危険性が少ないか」と迫った小松議員の質問に、橋下知事はまともに答弁せず、「防災拠点は分散した方がよい」などと無責任な発言を繰り返しました。

住民不在の開発計画

 橋下知事や大阪市の平松市長、関西財界は、府庁WTC移転で破たんした夢洲や咲洲への企業誘致や、将来は高速道路・鉄道などの巨大開発を進めるとしています。
 小松議員は、大阪港の貨物取扱量が計画より2割落ち込み、舞洲コンテナターミナルの経営状況が行き詰まっていることを指摘。昨年9月府議会でWTCビル購入の債務負担行為が可決された後、企業誘致が一件も進んでいない中で、「夢洲・咲洲のまちづくりに裏付けも、未来も展望もないのではないか」と主張しました。
 府・市、関西財界でつくる「大手前・森之宮まちづくり検討会」では、大手前に移転した成人病センターの近くに患者向けホテルを建て、人を呼び込む議論も行われています。くち原議員は「大阪のがん死亡率は全国4位の一方で、検診率は全国最低水準。予防や早期発見、成人病センター充実こそ求められる」と批判。小松議員も検討会に歴史や文化の専門家、住民の参加を確保すべきと求めました。

投稿者 jcposaka : 2010年03月12日

トップページへ ひとつ前のページへ ページ最上部へ
ご意見・ご要望はこちらから