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つらい時こそ「笑い」が必要 上方落語家 笑福亭学光さん 展望見えたら人は明るくなる 大阪市議・参議院大阪選挙区候補 清水ただしさん

2010年02月12日

 日本共産党の清水ただし大阪市議・参院選大阪選挙区候補が、上方落語家の笑福亭学光さんと対談しました。噺家としての仕事の傍ら、「お笑い福祉士」を考案し全国各地で講師としても活躍中の学光さん。2人は、「笑い」を求めてくる人たちの姿や政治のあり方など縦横に語り合いました。

清水 1月、茨木市の日本共産党後援会の集いに出演してくださった時、学光さんの高座に間に合わなくてお聞きできず大変、残念でした。
学光 しっかり前座を務めさせていただきましたよ(笑い)。佐々木信濃守というお奉行さんを、子どもがとんちでやっつける噺をしました。清水さんのお話、初めて聞きましたが、いやあ、いっぱい盗むものありました。きょうは許可をもらおうと思って(笑い)
清水 どうぞどうぞ!僕のは著作権フリーですから(笑い)。
学光 「笑い」で僕が一番教えられたんは、阪神淡路大震災の時でした。震災ボランティアをしてた関西学院大学の学生さんから、小学校の体育館で避難している皆さんの前で落語をしてほしいと言われたんです。

大事なこと笑いで学ぶ

 こんな厳しい生活の場で、笑いが本当に必要とされてるんやろかと思いながら、行ってやらせてもらった。そしたらすごく喜んでくださって。あるお母さんが、「震災の後、私らずっと笑ってなかったような気がする。久しぶりに笑わしてもらって良かった」と言ってくださったのがうれしくて。そうなんや。笑いって、時間に余裕があって、お金もあるからすることではなくて、本当につらい時、苦しい時こそ必要なんやと教えられました。
 そう考えると、たとえば天満天神繁昌亭に来られたお客さんの中にも、明日死のうと思ってる人がいるかも知れへんと思うようになったんですね。笑いって人間にとって本当に大事やなあと。
清水 去年、大阪市会で市の健康保険がどれだけ高いかを知ってもらうために、「大阪市国民健康保険残酷物語」という自家製紙芝居を使って質問したんです。「国男君と保子さんが結婚し国保となりました。2人の所得は200万円で、なんと保険料は30万円」と。難しい政治の話を分かりやすく伝えるのって、すごく大事やと思うんですね。
学光 笑いの中から大事なことを学ぶのは絶対いいと思います。ぜひ国会に行ってもやってほしいなあ。

笑うことで乗り越える

清水 学光さんがやっておられる「お笑い福祉士」というのは、どんなものなんですか?
学光 僕の出身の徳島のカルチャーセンターで、落語を教えてほしいと言われて、落語は教えられる身分やないけど、笑いならと思って、腹話術や南京玉すだれを教え始めたんです。そしたらもういろんな人が来られて。
 うちの教室ではお互いに自己紹介をするんですが、長年元気に主婦をやってこられた女性は60歳でリウマチになって、医者から「リウマチに薬はない。楽しいことをするのが大事」やと言われて、何をしようかと考えてた時に新聞で教室を知られました。
 またあるお母さんが子どもの不登校で悩んでいると泣きながら話すと、別のお母さんが、「なんやのそれぐらい。うちの子どもは白血病や」という話をされる。救急医療センターの看護師さんも、「生きるか死ぬかの患者さんに笑いで接したい」と言って来られる。一人一人すごい人ばかりで、私自身が逆に学ばせてもらってるんです。
 そんな皆さんが、いろんな施設に訪問するようになって、生徒さんのほうから、何か資格をつくりましょうと提案されて、それなら「お笑い福祉士」をということになって。国家資格でも何でもないんですが、6級から始まって、3級になったら老健施設に一人で行ける、2級で僕の前座を務められる、1級になったら独演会が開けますというようにしたんです。

問題解決のサポート役

清水 私も生活相談でいろいろお話を聞いていると、解決の糸口が見えず悩んでおられる方たちも、こうすれば生活をやり直せるというヒントが分かると、急に顔が明るくなるんですね。事務所に来られた時と帰られる時の顔が全然違う。それをサポートするのが私たちの仕事なんですが、本当にやりがいのある仕事です。
 大阪では、去年1年間でなんと自殺で1982人の方が亡くなっておられます。そのうち3分の1以上は生活苦とか経済問題なんです。そういう人たちが命を絶たなくてもいいようなネットワークをつくるためにも、私たちの仕事をもっともっと目に見えるものにしていかなければと思っています。
学光 僕は徳島の人間ですが、自慢できるものが2つあるんです。1つは阿波踊り。もう1つは、吉野川の第十堰の可動堰化を食い止めたことです。
 この間、10周年の集いに行って来たんですが、振り返りのスライドを見ていて、徳島の人ってすごいことをしたんやと思いました。自民党政権があんなに強かった時に、市民が「やめてくれ」「自然を残してくれ」と言ってそれが通った。そこは子どもたちの遊び場でした。開発してダムを造ってコンクリートで埋めてしまうのは絶対良くないんですね。
清水 公共事業のあり方も本当に切り替えていかないといけないと思います。

福祉現場に予算と笑い

 いま一番つらい相談は、特養に入れてくれへんかという相談なんです。特別養護老人ホームの待機者は大阪でも1万人以上おられますが、皆さん同じように、高い介護保険料が天引きされていて、介護度が高い人も順番待ちで入れない。この間も75歳の方が100歳のおばあちゃんをみていると言っておられました。
 無駄な公共事業より、老健施設をつくったり、福祉職場で働く人を増やしたり手当を上げていくことで、家族の負担をなくす。そうすればもっと働きに行くこともできるし、経済活動できるようになると思うんです。
学光 自分の家に住み続けてそこで死にたいと思っているお年寄りを、地域が守るシステムをつくることも大事やと思いますね。
清水 それを民に丸投げせずに、国や行政が必要な予算もつけてやっていくことも大事ですね。施設でも地域でも、そんな中でお笑い福祉士の皆さんにも活躍していただきたいですね。
学光 これからますます高齢化社会になっていくのは確実ですから、僕も落語の延長で役に立っていけたらと思います。
清水 私も、いまの政治をよくしようという皆さんの思いに応えて、頑張っていきたいと思います。

しょうふくてい・がっこ 上方落語家 1954年、徳島県出身。茨木市在住。高校卒業後、銀行員を経て、75年、笑福亭鶴光に入門し、一番弟子に。上方落語協会会員。阿波踊りの「はなしか連」連長。ラジオ番組をきっかけに、中国に小学校を建てるプロジェクトも。「お笑い福祉士」を制定し、大阪、徳島、香川、姫路に教室を持つ。大阪では、毎月第4水曜に大阪市港区の市民学習センターで「オーク弁天寄席」を講談師の旭堂南鱗と共催。9条の会・茨木呼び掛け人。

投稿者 jcposaka : 2010年02月12日

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