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安心できる年金制度に シンポジウムに200人 総選挙の争点に

2009年08月07日

 5千万人にも及ぶ年金記録問題や納付率の低下、 低年金など、 年金制度問題が総選挙の重要な争点になっています。 安心して暮らせる年金制度の確立を求めてシンポジウム 「これでいいのか!年金問題」 が1日、 大阪市北区の国労大阪会館で開かれ、 約200人が参加しました。 主催は全日本年金者組合大阪府本部などが参加する実行委員会。

 シンポジウムでは、 各分野から6氏が報告・講演を行いました。  2008年度の国民年金保険料の納付率が、 前年度から1・8ポイント低下し、 過去最低の62・1%になったと発表。 長年、 登録型派遣で働いていた地域労組「すみよし」 の女性組合員は、 自分自身も年金が未納だったことについて、「いま生活できる収入がないのに、 将来受け取れるかどうか分からない年金を支払う理由がなかった」 とし、 納付率の低下は、 企業が安い労働力を追い求めてきた結果だと述べました。  納付率の低下は 「将来の保障にならない」 という不安も影響しています。

低い女性の年金

 無年金や低年金の問題は深刻で、 高齢者の4分の3以上が、 住民税を払うだけの年金を受給していません。 女性の年金は特に低く、 4人中3人が老齢年金100万円未満で苦しい生活を強いられています。
 社会保険庁によると、 これから保険料を払っても受給権が得られる25年間に満たない人は118万に上ります。

無年金者42万人

 また厚生労働省の推計では、 65歳以上の無年金者は全国で42万人に上り、 約7割が生活保護を受けています。
 生活困窮者の相談に乗っている全大阪生活と健康を守る会連合会 (大生連) の大口耕吉郎さんは、 「厚労省は生活保護捕捉率を調査していない。 実際はもっと多いのでは」 と述べ、 憲法25条が保障する 「健康で文化的な最低限度の生活」 に必要な年金額について、 「生活保護基準の1・4〜1・5倍」 と指摘。 これには社会保障負担や税負担、 住宅費、 高齢者の場合は医療費分も含まれていると述べました。
 全日本年金者組合中央本部の久昌以昭政策調査部長は、 各政党が総選挙に向けて出したマニフェストの内容に触れ、 最低保障年金制度の意義と課題について語りました。
 久昌氏は、 日本共産党以外の政党のマニフェストが、 将来の年金財源を消費税に求めていると指摘するとともに、 新制度の年金支給を前提としている民主党案については、 「現在の無年金・低年金者の生活保障とはならない」 と述べました。
 その上で久昌氏は、 最低保障年金は、 「最低賃金や生活保護と並ぶ、 所得保障の三本柱」 だとし、 60歳以上の国民に、 月8万円を1階部分として、 納付した保険料に応じた拠出立て年金を2階部分として支給することを求めた年金者組合の案を紹介。 保険料軽減などで、 国民所得も税収も増える経済波及についても述べました。

責任逃れの解体

 厚労省関係機関で働く職員からなる全厚生労働組合の飯塚勇委員長は、 政府が 「消えた年金」 問題や、 グリーンピアなど多額の保険料無駄遣いと民間企業への売却をはじめ、 多くの問題を残したまま社会保険庁を解体・民営化することについて、 「年金記録問題の解決を不可能にし、 政府の責任をなくすものだ」 と厳しく指摘しました。

投稿者 jcposaka : 2009年08月07日

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