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「9条の会・おおさか」歴史から学び9条生かそう 憲法記念日のつどいに1200人

2009年05月07日

浜氏 再び戦争をしないための鉄壁の防波堤
森岡氏 大企業言いなりでなく指導する政府を

  「9条の会・おおさか」 は3日、 大阪市中央区のエルおおさかで憲法記念日のつどいを開きました。 真言宗大谷派瑞興寺住職の清史彦さんが司会進行し、 1200人が参加。 同志社大学大学院教授の浜矩子さんと関西大学経済学部教授の森岡孝二さんが経済問題で講演・対談しました。

来年から憲法改正原案発議が可能に

 開会あいさつした 「9条の会・おおさか」 の呼びかけ人で、 生活協同組合大阪府連合会会長の津村明子さんは、 憲法改正原案の発議が可能となる来年5月18日に向け、 「政府の動向に大いに注目していかなければならない」 と述べました。

 続いて発言した、 ゲストの宇野徹桃山学院長は、 自身の戦争体験に触れながら、 「正義の戦争などありえない」 と述べ、 憲法 「改正」 の動きを、 「歴史から学ぶことを放棄するもの」 と批判しました。  浜さんは憲法9条を、 「再び戦争しないための鉄壁の防波堤」 と表現しました。 講演では、 世界同時不況に至った金融問題を、 「人と人との信用で成り立つ金融の世界から、 人間性が排除された結果だ」 と話しました。  現在の不況下で 「『自国さえ良ければいい』 という過度の愛国心が生まれている」 と指摘、 「愛国心が行き過ぎた結果、 大きな戦争に発展する」 と話しました。 1934年にアメリカが、 自国経済立て直しのためにそれまでの保護主義的な貿易政策から転換した例を紹介し、 「相手に恵みを与えれば、 相手も返してくれる。 このことを歴史から学ばなければならない」 と述べました。  浜さんはまた、 世界を1つのジャングルに例え、 「強者だけが生き残るジャングルはあり得ない。 捕食するものとされるもの、 さまざまな草木やバクテリアがいてこそ、 ジャングルは成り立っている」 と話し、 日本国憲法に込められた共存・共栄の精神を生かすことが、 経済を立て直すことにつながると訴えました。  労働問題から憲法へと話を進めた森岡さんは、 「企業は派遣労働者を人事部では管理せず、 会計上でも 『物』 として扱う」 と指摘し、 「リストラをするほど、 株価が上がる構造が、 経済会主導でつくられてきた」 と話しました。

部品と同じように労働者が扱われる

 森岡さんは、 製造業への労働者派遣が02年から07年までの5年間で3倍以上に膨れ上がった政府調査を紹介。 また、 97年から07年までの10年間で、 年収300万円未満が44%から51%に増えたことも紹介し 「部品と同じように労働者が扱われている」 と話しました。
 その背景に、 株主の利益を最優先するゆがんだ資本主義と、 大企業言いなりの政治があるとして、 「私たちは大企業言いなりの政府でなく、 企業を指導する政府をつくらなければならない」 と述べました。
 閉会あいさつに立った、 日本カトリック正義と平和協議会会長の松浦悟郎さんは、 「憲法9条を生かし、 世界の人たちと一緒に平和をつくっていきましょう」 と呼び掛けました。

投稿者 jcposaka : 2009年05月07日

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