>>>ひとつ前のページへトップページへ

シャープに府244億円(補助金)・堺市240億円(税金)巨額援助は違法・不法

2009年05月07日

市民団体が住民監査請求
市民大変なのになぜ大企業だけ

 堺市堺浜に世界最大級の大型テレビ用の液晶パネル生産工場を建設している家電最大手のシャープや関連企業に、 大阪府と堺市が巨額の補助金や優遇策を講じている問題で、 「シャープ立地への公金の使い方をただす会」 (ただす会、 藤永延代代表ら4人) の計376人が4月28日、 大阪府と堺市の監査委員に、 補助金支出などの中止を求めて住民監査請求を行いました。

橋下府知事も補助金を継続

 シャープが堺浜への新工場建設を正式発表したのは07年7月。 敷地面積127万平方bで投資額は土地代を含め約3800億円。 世界最大の太陽電池工場を併設し、 同一敷地内に関連するインフラ施設や部材・装置メーカーの工場をフルセットで誘致する 「21世紀型コンビナート」 とされ、 来年3月の操業開始を予定しています。
 大阪府は07年2月府議会に、 それまで1社当たり上限30億円だった企業誘致補助金を一挙に5倍の150億円に引き上げる企業立地促進条例を提案しました。 当時の太田房江知事は 「天井をなくしたらどうかという意見もあった」 などと発言。 日本共産党以外の 「オール与党」 の賛成で成立しました。
 府は同条例に基づいて、 同年12月から08年2月にかけ、 シャープと関連企業3社に計244億円の補助金交付を決定しました。
 橋下知事は、 「財政非常事態宣言」 を出して福祉・教育・文化など府民施策を根こそぎ廃止・削減する一方、 企業誘致補助金は1社当たり150億円から1地域当たり150億円に 「修正」 して継続。 「大阪湾ベイエリアにエネルギーを集中したい」 などと繰り返し叫んでいます。

破格の優遇は「負担日本一」

 堺市は08年4月、 シャープなど関連5社を、 企業立地促進条例の対象に認定しました。 市税 (固定資産税、 都市計画税、 事業所税) を10年間で240億円を減免。 さらに次世代型路面電車LRT (ライトレールトランジット) を、 南海本線堺駅からシャープ工場が立地する堺浜まで敷設する計画を打ち出しています。

 当初、 東西の公共交通機関がバスだけだったことから、 「地域の活性化」 の名目で南海高野線堺東駅から南海本線堺駅を結ぶのが市の計画でした。 これには市民の間でも異論がありましたが、 シャープ工場まで延伸することで280億円を投入することになります。  シャープと関連企業には全国一破格の優遇措置をとる一方で、 堺市の国保料、 介護保険料、 上下水道料は全国17の政令市の中で最高水準になっています。  市民1人当たりの国保料 (07年度) は9万7909円。 一般会計から国保会計への繰入が、 美原区が市町村合併前に独自に行っていた分を除く旧堺市域ではゼロ。 市独自の年間繰り入れ額は275円と政令市中最下位です。  住みよい堺市をつくる会などでつくる 「堺市の国保料・介護保険料・上下水道の引下げを求める会」 では、 「市民が不況にあえぐ中、 市民の暮らしこそ第一に応援すべき」 として、 請願署名運動を行っています。

営利が目的で公益性はない

 地方自治法は補助金交付の根拠について 「公益上必要がある場合」 (232条の2) と規定しています。 「ただす会」 が府に行った監査請求では、 次の5点でシャープなどへの補助金は公益性がなく、 違法・不法だと強調。 橋下知事に対し、 すでに交付決定した補助金の支出の中止や、 今後補助金交付決定をしないよう求めています。
 @シャープが堺浜に立地した動機は、 本社機能と亀山工場 (三重県) などとの連携、 関空など交通・搬送上の条件などから適切だったためで、 補助金交付と立地との間に因果関係がない。
 A交付の根拠となっている 「雇用機会や事業機会の増大」 などの 「波及効果」 についての府の説明は不明確で、 府民への経済的利益は明らかにされていない。
 B補助金を受けるのは営利を目的とする私企業であり、 シャープの営業利益を補充することになる。
 C府条例は先端的な大企業を対象としたもので、 中小零細企業との間に公平性・平等性を欠いている。
 D府民に痛みを押し付ける一方で、 ばく大な利益を上げている企業に補助金を長期にわたって交付することは財政的に相当性を欠き、 緊急性や重要性はない。
 堺市に対しても、 一連の補助には公益性がないとして、 木原敬介市長に、 に公益性がなく、 税の減免やシャープ門前までのLRT敷設計画を中止するよう勧告することを求めています。

投稿者 jcposaka : 2009年05月07日

トップページへ ひとつ前のページへ ページ最上部へ
ご意見・ご要望はこちらから