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敬老パスの無料化守った 戦後初の予算案修正 大阪市議会 市民団体など継続訴え

2009年04月03日

 大阪市の平松邦夫市長が2010年度からの導入を打ち出していた 「敬老パス」 (敬老優待乗車証) 制度の一部有料化案と上下水道料金減免制度 (上下水道福祉措置) 改悪案は、 3月27日開かれた大阪市議会閉会本会議で、 準備費5億5千万円の09年度予算への計上を認めない修正案の可決により廃案となりました。 修正案には日本共産党、 自民党、 公明党が賛成。 「高齢者の生きがい」 とも言われてきた 「敬老パス」 は継続に。 大阪市で当初予算案が修正されるのは戦後初めてのことです。 (2面に関連記事)

反対決議の採択無視する市長 

 平松市長は昨年9月に発表した経費削減素案で、 市内在住の70歳以上の市民が、 無料で大阪市営地下鉄やバスを使える敬老パスの一部有料化や限度額導入、 65歳以上の世帯が対象の上下水道福祉措置の見直しを盛り込みました。
 10月の大阪市議会で、 両制度の見直しに反対する決議が採択されたにもかかわらず、 平松市長は敬老パスの自己負担を一律3千円とし、 利用限度額を8万円とするなどの修正案を提示。 2010年度から実施するとして、 有料化に必要なシステム改修費など5億5千万円を09年度予算に計上し、 上下水道福祉措置見直しに伴う費用も計上していました。
 閉会本会議は2時に予定していた開会が大幅に遅れ、 夜8時45分に開会。
 日本共産党の上野とき子議員は、 敬老パスのシステム改修予算は削除することなどを内容にした予算組み替え動議を提出。 北山良三議員は、 原案反対の討論で、 「大阪市の優れた敬老施策である両制度は、 『断固として現行のまま継続すべきだ』 というのが圧倒的市民の声」 だと述べました。
 自民・公明も5億5千万円の計上を認めない修正動議を提出し、 これに日本共産党も賛成。 賛成多数で可決しました。

13万人超える署名で有料化阻止

 敬老パスの有料化は、 関市政下の06年、 マニフェスト (市政改革基本方針) で見直しが打ち出され、 一気に有料化の動きが高まりましたが、 請願署名が13万人以上集まるなど、 無料制度守れの運動が大きく広がり阻止。
 今回も、 「大阪敬老パスを守る連絡会」 や大阪市対連などの市民団体が、 経費削減案白紙撤回を求める運動の中で、 両制度守れの声を広げ、 署名運動を展開。 市議会開会中も、 各会派に要請活動を行いました。
  「連絡会」 代表で、 全年金者組合大阪府本部委員長の松井幹治さんは、 「高齢者に喜ばれてきた制度を守れて本当に良かった。 関市政以来、 現職の市長が出してきた有料化案を二度、 撤回させた意義は大変大きい。 今後も引き続き市民の願い実現に頑張りたい」 と話しています。
 その他、 2009年度予算案は、 日本共産党の反対、 自民、 民主、 公明の賛成で可決。 難病患者の見舞金廃止や学校維持運営費の大幅削減など市民サービスを切り捨てる一方で、 スーパー中枢港湾など大型開発事業の予算を計上し、 同和事業を継続する内容となっています。

投稿者 jcposaka : 2009年04月03日

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