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立場超え現状打開を話し合い/関西経済同友会・萩尾氏、共産党吉井議員が講演/共産党豊中地区が経済懇話会

2009年03月27日

 日本共産党豊中地区委員会は20日、豊中市内のホテルで、関西財界から関西経済同友会常任幹事で大阪国際会議場社長の萩尾千里さん、国会から日本共産党の吉井英勝衆院議員を招き「日本経済・関西経済懇話会」を開催。淺利敬一郎豊中市長ら市関係者、市内事業所の社長、郵便局長、自治会役員、税理士、法曹関係者、民主団体、労組代表、市民ら114人が参加しました。
 同党が主催する会合に、関西財界関係者が出席したのは、2000年5月に衆院近畿ブロック事務所主催した経済懇談会以来9年ぶりのこと。
 豊中地区委員会では、昨年11月、同党が発表した「景気悪化から国民生活を守る日本共産党の緊急経済提言」を手に、久門しょうじ・衆院大阪8区候補、堀田文一府議、豊中市会議員団、各党支部などがこれまでに市内2308の小売商店を訪問・対話。今回の懇談会に向けても市内に本社を置く上場企業6社、未上場企業12社すべてを訪問し、その中でも「立場の垣根を越えて話し合うのは大事なこと」などの声が寄せられてきました。
 懇談会は堀田府議の司会で進行。

 開会あいさつした中村正男地区委員長は、「それぞれの視点から日本経済、関西経済を論じあい、世界金融危機や雇用問題など現状打開への道を探り、人間らしい働き方を確立することや雇用と経済を立て直す大きなステップにしたい」と述べました。


 萩尾、吉井両氏の講演(別項で紹介)後、フロアからは「バブル(経済崩壊)の時から、同じ過ちを繰り返している。資本主義自体に問題があるのではないか?」「これから3年間の景気の推移は?」など質問や意見が活発に出され、両氏がていねいに答えました。
 参加者からは、「財界のトップの方にあんな話ができる人がいるとは思わなかった。歩み寄れるのではないかと思った」などの感想が寄せられました。

人間を中心に置いた理念を  萩尾千里氏
 萩尾氏はまず、「資本主義といえども、一つ間違えると狂気になる。やはり理念がしっかりしていないと、おかしくなってしまう」と述べました。
 小渕内閣の経済戦略会議の議長代行も務め、「規制改革」の急先鋒だった中谷巌氏が、「懺悔(ざんげ)の書」(『資本主義はなぜ自壊したのか』)を出版したことに触れた萩尾氏。日本が手本としてきたアメリカで、ものづくりが衰退し、サブプライム問題などで行き詰まり、日本でも「規制改革」の結果、惨憺(さんたん)たる状況になっていると語りました。
 萩尾氏自身、「もう少し労働法規を変える必要があると思っていた」と振り返り、「労働の流動化」という名目で非正規雇用が拡大した問題に言及。松下幸之助氏が会長だった当時の松下電器が、大不況の下で、労働者を解雇せず、「こういうときは研修をやりましょう」とストックを吐き出したことを紹介し、都合のいいときだけ雇い、いらなくなると切るのでは、お互いの信用がなくなる」と語りました。
 萩尾氏は、旧ソ連や中国を訪問した体験から、「日本共産党はソ連や中国と一線を画してきたが、共産主義は独裁体制になってしまうが一つの欠陥。資本主義は行き過ぎてしまう欠陥がある」と指摘。
 「日本の共産党は資本主義の枠内で市場経済をやっていくと言っているのは、いいと思う。資本主義も共産主義も、人間を中心に置いた理念をしっかり追求することだ。経済が繁栄しても、人間が不幸になってしまったら、何のための経済か。しかもそれが極端な格差をつくってしまうということでいいのか」と力説しました。

ルールある経済社会をいまこそ  吉井英勝議員
 吉井氏は、日本共産党の「緊急経済提言」を基に、日本経済が深刻になった原因や打開の方向について報告。経済、社会が複雑になっている中で、「大局的な流れで見ることが大切」と述べ、80年代以降の日米の経済関係に言及しました。
 プラザ合意(85年)による円高・低金利政策の下で、日本の輸出大企業がコストダウンへ長時間・過密労働と下請け単価切りを進めた結果、さらに貿易黒字がたまり、円高となって内需が冷え込むという「悪魔のサイクル」が生まれました。
 さらに99年には産業活力再生法や労働者派遣法の規制緩和で、正社員のリストラと派遣労働者の拡大で大企業は利益を伸ばしましたもの、国民には還元されず、アメリカの金融投機に流れる仕掛けがつくられました。
 こうした経過を詳しく解明した吉井氏は、「アメリカ発の金融危機というが、日本の輸出大企業が金融ばくちの元手を注ぎ込み、支えた。日本の金融政策にも大きな責任がある」と語りました。
 吉井氏は、派遣切りをやめるには内部留保の数%を取り崩せば可能で、大企業には体力に見合う貢献が必要だと力説。パート・派遣労働者の正社員化などで635万人の雇用が生まれ、GDP(国内総生産)にも大きな寄与があるとの労働総研の試算を紹介し、「こうしてこそ、日本経済の危機を打開する道筋が見えてくる」と語りました。
 最後に吉井氏は「人が日本の経済や社会をつくっていく。ルールある新しい日本の社会を築かないといけない。同じ資本主義でもアメリカ型ではうまくいかないことは、いまや明らかになった」と述べました。


投稿者 jcposaka : 2009年03月27日

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