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NTTリストラ裁判 高裁で原告勝訴 ピースサイン 「やったぞ!」配転は違法 画期的判決

2009年01月22日

 51歳以上は賃金3割カットで子会社へ再雇用、 拒否すれば遠隔地配転―。 通信最大手のNTTグループが02年に強行した11万人大リストラをめぐり、 「リストラ計画に同意しなかったため遠隔地配転を強いたのは違法」 として、 NTT西日本の社員21人が同社に1人300万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決が15日、 大阪高裁でありました。 渡辺安一裁判長は、 「配転命令には業務上の必要性は認められない」 として、 原告3人のみの賠償を命じた1審判決を変更し、 17人の配転を違法と認め、 総額900万円の支払いを命じました。

 同社は01年4月にリストラ計画を発表。 51歳以上の技術職ら従業員に対し、 同社を退職させ、 賃金が最大3割カットされる子会社へ再雇用するというもの。 計画に同意しなかった原告たちは、 未経験の営業職などに配置替えされ、 「全国への転勤に同意した」 と一方的に見なされ、 大阪から名古屋など遠隔地に配転させられました。  親の介護や本人の健康問題、 家庭の事情も配慮されず、 単身赴任や新幹線通勤までしてさせた転勤先の仕事は、 営業パンフレット配布やパソコン入力作業といった不合理なもので、 「労働条件の不利益変更」 「労働契約継承法」 など法令や判例に違反するとして、 02年に50人 (第1次) が大阪地裁はじめ全国5地裁に、 リストラの違法性と配転無効確認などを求めて提訴。 同社は1審の結審前に、 配転した原告を元の地域に再配転し、 2審では、 配転無効確認を求める訴えは、 取り下げていました。  判決は、 近畿から名古屋への長時間の新幹線通勤や単身赴任について、 「そのような負担を負わせてまで従業員を配転しなければならないほどの業務上の必要性を認めることはできない」 と判断。  長時間の新幹線通勤による 「肉体的・精神的負担、 経済的負担、 余暇や地域活動にあてる自由時間、 睡眠時間の減少」 と、 単身赴任による 「精神的ストレス、 日常生活のための自由時間の減少、 2重生活および帰省の必要による経済的負担」 を、 「共通の不利益」 と認め、 原告が受けた肉体的・精神的ストレスは軽視できないものがあるとしました。 四国や九州などから大阪へ配転された4人については控訴を棄却しました。  提訴以来、 6年余に及んだNTTリストラ裁判の控訴審判決。 判決文の朗読が終わった直後、 原告や支援者たちの目は涙で濡れていました。 胸にピースサインを示しながら法廷を出てきた原告ら。 大阪高裁前で、 150人の支援者とともに、 「やったぞ!」 と勝訴の喜びを分かち合いました。  弁護団の出田健一主任弁護士は、 「名古屋配転全員の配転の違法性を認めた画期的判決だ」 と強調。 大阪から名古屋へ配転された原告の一人、 池下彰信さん (62) =大阪市=は、 「判決で名古屋へ配転された17人全員の名前が読み上げられるのを聞きながら胸が熱くなりました。 4人の訴えが棄却されたのは残念ですが、 配転の不利益性を認めた判決を力に、 会社のひどいやり方を改めさせるよう頑張っていきたい」 と話しました。

投稿者 jcposaka : 2009年01月22日

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