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いまこそ自民農政の転換を 市場原理なじまない 農家や市民らが発言 共産党がシンポジウム

2008年10月10日

 日本共産党衆院大阪14区事務所は4日午後、 八尾市のプリズムホールで 「農業と食の安全を考えるシンポジウム」 を開き、 約150人が参加しました。 汚染米への怒りや不安が広がり、 日本農業のあり方に関心が高まる中での集会だけに、 来賓として出席した八尾市の田中誠太市長も 「大変タイムリーな会」 とあいさつ。 同党の紙智子参院議員の基調報告や、 農家や市民などの発言で、 活発に討論しました。
 日本共産党の野沢みちあき大阪14区候補の司会で行われたシンポジウム。 主催者あいさつした寺下正一・党八尾柏原地区委員長は、 14区内の八尾、 柏原、 羽曳野、 藤井寺の4市の農家数は府内の1割を占め、 葉ごぼう、 ぶどう、 いちじくなどの特産品があることを紹介しました。

生産者が発言

 紙議員の基調報告に続いて、 各界の6人が発言しました。
 羽曳野市で愛称 「れんげ農場」 を主宰している奥克太郎さんは、 宅配で野菜を販売するほか、 NPOなどと協力して農作業体験活動に取り組んでいることを紹介。 「農業の大切さや食の安全に関心が高まっているが、 農業をやっていけない状況がある。 命と心をつくるのが食べ物。 それを作る農業に市場原理はなじまない」 と力説しました。
 大阪府認定の 「エコ農産物」 を作っている八尾市の農家、 森川雅恵さんは、 「53歳の私と、 87歳の母を中心に、 土日は夫が手伝って農業をしています。 親からもらった土地は、 心の相続。 一生の仕事と、 こつこつ頑張りたい。 高齢化はじめ山積みの問題を一つ一つ解決できるよう、 協力を」 と呼び掛けました。
 JA中河内の直売所に農産物を卸している八尾市の中務久和さんは10年前に父親が亡くなったことから農地を相続し、 古代米や野菜を作っています。 化学肥料ではなく、 堆肥 (たいひ) を使った土なら、 じゃがいもは手で掘って収穫できることなど、 農業の現場のエピソードを詳しく語りました。

検査率は1割

 輸入食品の実態を紹介した全税関労働組合・税関行政研究会の福本武さんは、 日本で年間185万件の輸入に対して検査率は10・9%にすぎないとし、 「せめて50%の検査率にするだけでも、 人員の大幅増が必要なのに、 ことし4月に増えたのは7人。 食の安全を守るにはいまの自民党政治ではだめ。 食料を外国に依存する時代ではない」 と強調しました。

大きな運動に

 新日本婦人の会八尾支部の根屋智恵子さんは、 農民運動全国連合会と共同で取り組んでいる産直野菜運動の経験を報告。 月1回、 地元の豆腐店に協力してもらい、 国産大豆100%の豆腐を届けていることも語りながら、 「 『食べて学んで美しく』 が合言葉。 日本農業を守ることは地球環境を守ること」 と話しました。
 自然環境会議・菜の花プロジェクトの宮川晃さんは、 休耕田に菜の花を植えて菜種油を作り、 油かすは肥料に、 廃油を燃料にしている取り組みを紹介。 「かつて河内木綿で知られた八尾。 地域の資源を活用し、 CO2 (二酸化炭素) や農業従事者の高齢化問題と結びつけて大きな運動に発展させたい」 と抱負を述べました。

紙智子参院議員の基調報告
有数の輸入国から自給率向上へ

 基調報告でまず汚染米問題について詳しく報告した紙議員は、 三笠フーズなどによる事故米の不正転売・流通が、 医療・介護施設や学校給食に及び、 関与した会社は大阪で63社、 全国で380社に上っている中、 「問題を解明し、 教訓を明らかにして、 防止策をつくることが問われている」 と指摘。 同時に、 本来は食品衛生法違反で積み戻すか、 廃棄すべき事故米を輸入・流通させた農水省に最大の責任があると強調しました。

輸入前提の農水省

 紙議員は汚染米問題の背景にあるミニマムアクセス (最低輸入機会=MA) 米に言及。 貿易上の義務でもないのに、 08年で77万dのMA米の輸入量を前提にしてきた農水省の姿勢を、 「国民の食の安全を最優先にする立場に立っていない」 と批判しました。
 さらに紙議員は、 食料法の改悪で04年以降、 それまで許認可制だった米の販売が、 誰でも参入できるよう規制緩和されたことで、 仲買にいろんな業者が入って流通が複雑化する中で、 転売でもうける 「米転がし」 の実態もあることを指摘。 「国会質問で民主党もMA米の中止を主張するなど、 世論が大きく広がっている。 食料の6割を外国に頼っている事態を見直さなければならない」 と強調しました。
 続いて紙議員は、 日本共産党がことし3月に発表した 「日本共産党の農業再生プラン」 の基本点を説明しました。 「発表以来8カ月。 食料をめぐる世界情勢がさらに激変する中で、 プランが示す方向で日本の農政を転換しなければならないことが、 いよいよ明らかになっている」 と語りました。

農業再生を今こそ

 世界で飢餓人口が8億人を超えるなど、 地球的規模で食料不足が深刻になっている要因について紙議員は、 途上国で急増する食料需要、 気候変動による生産の不安定化、 穀物市場への投機マネーの流入などを指摘。 「世界有数の食料輸入国として、 世界中から買い集めている日本の農政のあり方を反省し、 農業再生の道を探り、 実行に移すことが今こそ求められている」 と強調しました。

政治の大本を変え

 紙議員はプランが打ち出した4つの提言@持続可能な農業を目指し、 価格保障と所得保障を組み合わせるA農業の担い手への支援B食料主権を尊重した公正な貿易ルールの確立C農業者と消費者の共同を広げて、 「食の安全」 と地域農業の再生を目指す  について説明。 「政治の大本を変え、 農政の転換を」 と語りました。

投稿者 jcposaka : 2008年10月10日

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