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府議会フォーラムin東京 自治体の権限 確立・拡充を 共産党府議団がアピール

2008年09月05日

  「大阪府議会フォーラム東京」 が8月28日、 東京都千代田区の都道府県会館で開かれました。 府財政危機の根本原因の一つに、 「三位一体の改革」 による地方交付税や国庫補助負担金の削減など国の悪政がある中、 橋下徹知事と府議会で、 国に対して権限移譲や税財源移譲、 地方分権の推進などをアピールしようと開かれたもの。 一般参加者のほか、 大阪選出の衆参国会議員、 府議ら約140人が参加しました。

 シンポジウムでは、 府議会主要4会派の幹事長と、 橋下知事が権限移譲、 税財源移譲、 国直轄事業負担金の3つのテーマに沿って討論しました。
 日本共産党の山下よしき参院議員、 府議団の宮原威団長、 朽原亮議員も参加しました。

地方自治法の精神に基づき

 発言の中で日本共産党の阿部誠行幹事長は、 議論の大前提として、 「地方分権は、 憲法や地方自治法の精神に基づいて、 地方自治体の権限を確立・拡充することでなければならない」 と強調しました。
 権限移譲問題では、 「分権」 と言いながら実際は国の関与や規制がかけられていることや、 行政代執行の問題を示し、 地方自治体の権限の確立が必要だと述べました。
 阿部議員は、 「三位一体の改革」 による地方交付税、 国庫補助負担金の削減で、 大阪府は07年と03年を比べると約500億円の減収だと指摘。 国と地方との財源配分を現在の6対4から5対5にすることや、 国税・所得税の大半を地方税に移譲するなど、 地方自治体に財政自立を保障すべきだと訴えました。

財政の再建は府民のために

 阿部氏は大阪府の財政危機の根本原因に、 「3割自治」 と呼ばれる国の地方税財政制度、 「三位一体の改革」 による地方税財源の締め付けとともに、 「景気対策」 の名で90年代以降に借金で進められた大型開発にあると力説。 大阪府は 「財政再建」 を理由に府立高校授業料の引き上げや私学助成の削減、 福祉医療制度の改悪、 職員人件費の削減などを進めてきたが、 「府民の福祉や医療、 教育などを犠牲にするのは、 まったく間違っている」 と主張しました。
 さらに阿部氏は、 資本金10億円以上の大企業が、 バブル期を上回る収益を上げている中、 97年から99年にかけて法人税率が37・5%から30%に引き下げられ、 今もそれが続いていると指摘。 橋下府政は08年度1100億円の歳出削減を掲げているものの、 法人税率を97年当時に戻すだけで、 年間1千億円の税収増になることを示し、 大企業や大資産家への優遇税制を改めることが府財政確立にとっても、 避けて通れない課題だと語りました。

国直轄事業の抜本見直しを

 淀川水系4ダムや関空連絡橋の買い取りで問題になっている国直轄事業負担金の問題では各会派とも、 「国は地方をコントロールしたいだけ」 (橋下知事)、 「知事と全く同じ意見」 (自民・浅田均氏)、 「自民党さんが 『一揆だ』 と言うなら参加したい」 (民主・西脇邦雄氏)、 「お上のやることに黙ってついてこいというやり方」 (公明・光澤忍氏) などと批判し、 負担金の廃止を主張しました。
 阿部議員は、 「国庫補助負担金は減らされる一方、 国直轄事業負担金は毎年増えている。 地方自治体の自主性が保障されず、 制度そのものが問題」 として、 負担金の廃止や国直轄事業の抜本見直しを提案しました。

記者メモ
光る日本共産党の真価

○……府議会超党派と橋下知事による大阪府議会フォーラム東京は、 地方自治体に権限も財源も保障されず、 地方自治がないがしろにされている現状の中で、 抜本的な地方分権の推進を、 大阪府から発信していく場として開かれました。
 フォーラムでは 「地域のことは地域自らが考え、 決定し、 地域自ら責任を負うことのできる地域主権の確立」 を求める宣言を採択。 しかしその 「地域主権」 の中身をめぐって、 橋下知事や7月臨時府議会で08年度予算に賛成した自民・公明・民主の各党と、 日本共産党との違いも、 鮮明に浮き彫りになりました。
○…… 「地方交付税や補助金は、 国が権限とお金を持って地方をコントロールする仕組み」 と決め付けた橋下知事。 その権限やお金の調整を、 「霞ヶ関 (国) がやるのか、 道州がやるのか。 その選択がいま迫られている」 として、 持論の道州制導入を主張しました。
  「三位一体の改革」 による地方交付税の削減、 国直轄事業負担金の問題では自民・公明・民主もそろって国を批判。 ところが、 自民党政治が 「景気対策」 の名で押し付けた借金漬けの無駄な大型事業に追随し、 歴代知事とともに 「オール与党」 として賛成・推進してきた責任については、 触れずじまいでした。
 橋下 「改革」 は 「総論として評価」 と述べた民主党。 公明党は施策削減や人件費カットについて 「地方分権の推進へ、 府が襟を正して自己責任を果たす。 ここが知事と共有する部分」 と発言。 「これだけの英断を下しても、 府の努力だけでは限界」 なので、 「地域主権の確立」 を求めるという立場ですが、 これでは本末転倒です。
○……日本共産党の阿部幹事長は、 「財政を立て直すのは、 府民の福祉や教育を守るためにこそある」 と力説すると同時に、 「府民の暮らしを守るためにこそ権限、 財源移譲が必要」 として国がきちんと責任を果たすことを要求しました。
  「国が言う 『地方分権改革』 とは何だったのか」 と会場発言で問い掛けたのは同党の宮原威団長。 地方交付税や国庫負担金の削減などで府財政が圧迫され、 福祉や教育の削減につながっていることを示し、 「小さな自治と住民いじめがいまの結果。 これを根本から切り換えて、 府民福祉の向上、 地方自治の拡大に方向転換しなければならない」 と力説しました。
 国政でも府政でも、 「住民が主役」 の立場で一貫した取り組みを進める日本共産党の真価が光っています。

投稿者 jcposaka : 2008年09月05日

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