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府庁をWTCに移転!? 橋下知事「関西州」狙い財界と歩調あわせ

2008年08月21日

 大阪府の橋下徹知事が、 大阪市の第三セクター 「ワールドトレードセンター (WTC)」 (大阪市住之江区) への府庁移転案を持ち出しています。 5日には大阪市の平松邦夫市長に、 移転案を正式に表明。 「関西州の州都に見据えて動き出したい」 と言う橋下知事ですが、 見え隠れするのは、 関西財界の意向です。

重なるイメージ

  「関西州が実現するまで、 ばく進するしかない」   就任半年を迎えた6日の記者会見で、 橋下知事はこう語り、 府庁整備を考えるにも、 「関西州を視野に入れる」 としています。
 関空の離着陸で、 飛行機からシャープや松下の工場が見え、 神戸のポートアイランドが見える。 そして全面にWTCがそびえ立ち、 「これが関西州の州都、 顔だという光景は、 非常にすっきりする」。
大阪湾ベイエリア地域で橋下知事が描くイメージは、 関西財界の青写真とも重なります。
 関西経済連合会は昨年7月、 「大阪湾ベイエリアの活性化に関する提言」 を発表。 同地域を、 「大規模製造業」 や 「国際物流機能」 の集積地と位置づけ、 関空2期事業の推進や、 淀川左岸線や大和川線、 第2名神高速道路などの整備促進を打ち出しています。
 橋下知事が、 WTCへの府庁移転案を平松市長に正式表明した同じ日、 関西経済同友会の大阪府・市経営改革委員会が、 水道事業の統合など府市連携と広域行政の推進を要求する提言を発表。 手交の席で橋下知事は、 「淀川左岸線は絶対必要」 と発言するなど、 「ベイエリア活性化」 に役立つ開発を推進する姿勢を示しています。

跡地を狙う財界

 橋下知事は9月議会にWTCへの移転を含む庁舎整備の素案を示す予定ですが、 府庁のあり方について注文をつけてきたのも、 関西財界。
 関西経済同友会は4月に出した 「橋下大阪府知事への提言」 の中で、 「庁舎エリアの一体的整備で、 府民財産の有効利用」 を要求しています。
   「品格ある大阪の顔」 として、 府庁舎建替えを含めて一体的整備を行うべきである。 その際には財政再建に資する方向で、 民間の知恵と資本を最大限に活用すべき
   「新庁舎凍結」 から12年間、 庁舎エリアの府有地が極めて効率の悪い低利用地として放置されてきたのは、 「民間の経営感覚」 からすれば、 大きな機会損失
  貴重な財産を有効利用すべく、 一体的整備の検討をスタートさせ、 1年以内に結論を得るべき
 期限まで切った財界の要求に対し、 橋下知事は5月に、 土地利用や新庁舎像、 本館の残し方や民間を含めた土地活用の考え方など 「全体構想の素案を早急に取りまとめたい」 と回答していました。

投稿者 jcposaka : 2008年08月21日

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