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4月スタート後期高齢者 募る不安 患者も病院も 世論広げきっぱり撤回を 共産党がいっせい署名宣伝

2008年04月05日

 医療費を抑制するため、 75歳以上の人を強制加入させる 「後期高齢者医療制度」 が1日、 スタートしました。 新たな保険料徴収と高齢者を差別する医療など様々な問題を持つ制度に対して、 「年寄りは死ねというのか」 「誰がこんな制度をつくったのか」 と怒りが噴出。 病院側も 「診療すればするほど赤字になる制度」 と悲鳴を上げる中、 「今からでも中止・撤回を」 の声が広がっています。

今になってこんな仕打ち許せない 

 大阪市西淀川区の 「のざと診療所」 で 「きょうからこっちの保険証を出すんですよ」 と言われた松井芳子さん (77) は、 保険証や診察券の束を掴み、 「分からん。 (病院に行く時は) 全部持っていく」 と返事をしました。 リハビリに通う三谷翔さん (88) は 「おれたちは 『お国のため』 と言われ戦争へ行き、 戦後は食べ物のない中、 働いてきた。 今になってこんな差別は絶対許せない」 と話しました。
 最大の関心は保険料です。 「年金から天引きされるのか」 「介護保険と合わせた額は?」 など、 区役所へ行っても表を見せられるだけ。 内科を受診した渡嘉敷直豊さん (90) は 「今になってもまだ分からない」 と漏らします。
 診療所事務長の木村一さんは 「この地域は独居老人や老夫婦の2人暮らしも多い。 手助けする家族のいない人たちは、 新制度を理解するのが特に難しい」 と話します
 さらに木村さんは 「身寄りのいない高齢者に 『資格証明書』 が発行される危険がある」 と危惧します。
 保険料を1年滞納した人は保険証を取り上げられ、 「資格証明書」 が発行され、 さらに半年滞納すれば医療給付が差し止められます。 介護保険料の場合、 大阪では普通徴収の約2割、 少なくとも10万人以上が保険料を滞納しており、 75歳以上になれば後期高齢者医療保険料も滞納することが予想されます。
  「スーパーで値引き商品を買い、 3カ月に1度病院で薬をもらい、 あとは家でじっとする。 そんな暮らしをしている人から医療が取り上げられる可能性があります」。

診察するほど病院経営は赤字に  

 診療報酬も改訂され4月からは 「後期高齢者診療料」 が新設されました。 届出制で、 診療報酬包括制です。 「3月までできた診療が、 4月に入ると急にできなくなる」 と木村さんは話します。
 「実際には患者一人ひとりに応じた診察をせざるを得ない。 やればやるほど、 病院は赤字です」」 と木村さん。 届出を見合わせる医療機関もあります。
 15日、 1回目の年金からの保険料天引きが始まると、 いっそう怒りや不安が広がります。
  「そもそも、 75歳で医療に差別を持ち込むことが間違い」 と木村さんは話します。 「中止・撤回させる展望はあります。 制度の廃止法案成立のため、患者さんと共に運動を広げていきます」

人間としての尊厳否定する制度  

 この日、 制度の実施中止・廃止を求める緊急全国いっせい宣伝・署名行動が取り組まれる中、 京橋駅前では衆院比例代表候補の宮本たけし元参院議員、 黒田まさ子府議、 党府委員勤務員らが宣伝・署名に参加。 「日本共産党とご一緒に反対世論を広げて制度撤回を」 と訴えました。
 宮本氏らは、 75歳以上の高齢者を差別する新医療制度について、 「人間としての尊厳さえ否定する」 ものだと批判。 「お年寄りに早く死ねと言わんばかりのひどい仕打ちを強行した自民・公明に審判を下そう」 と呼び掛けました。
 じっと立ち止まって訴えを聞く市民の姿もあり、 青年も次々と署名していました。
  「収入が減るばかりの高齢者になぜ保険料負担を課すのか」 と怒るのは藤田徹さん (68)。 25歳の山下孝治さんは 「弱い立場の人たちを守るのが当たり前の政治」 と話していました。

投稿者 jcposaka : 2008年04月05日

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