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大阪本社大企業内部留保 過去最高の33兆円 空前の経常利益 大阪労連の調査で判明《1面》

2006年12月18日

 大阪に本社を持つ大企業の「隠し利益」(内部留保・注)が33兆円を超えて過去最高になっていることが、大阪労連(全大阪労働組合総連合)が発表した「07年国民春闘勝利!ビクトリーマップ」(大企業の内部留保と雇用創出試算)で明らかになりました。

0.25%の取り崩しで1万円賃上げ可能
1年で8兆円以上積み上げ

 「ビクトリーマップ」は大阪に本社を持つ資本金100億円以上の大企業138社の内部留保を、有価証券報告書に基づいて調査・試算したもの。06年度の内部留保額は33兆4921億1400万円。05年度から1年間で8兆4274億9600万円を積み上げ、総額、増加額とも過去最高です。

 経常利益総額も5兆1279億円と過去最高で、1年間で1兆7556万円増やしています。赤字を出したのは138社中4社だけ(過去最低)です。

 従業員数は47万9677人で、05年度から9163人増えていますが、これは企業合併の影響です。藤沢薬品と山之内製薬が合併したアステラス製薬で2810人の増、光洋精工と豊田工機が合併したジェイテクトが3980人の増などとなっています。

時給100円増には0.32%で

 従業員削減が最も多いのは松下電器産業2209人で、次いで三洋電機1550人などとなっています。

 138社のすべての従業員(47万9677人)に1万円の賃上げを実現するには、内部留保をわずか0・25%取り崩すだけで可能。1万円の賃上げで消費支出は620億円増え、経済波及効果は578億円、4321人の新たな雇用が生まれると試算しています。

 大阪のパート労働者などすべての非正規労働者(139万人)に時給100円(週15時間労働)を還元するために必要な取り崩しは、0・32%にすぎません。

21万人の雇用拡大も可能

 大阪労連は別に「ワークシェアリングにたった雇用拡大」も独自に試算。@正規労働者の時間外労働(1人当たり161時間)をなくせば21万1818人の雇用増A年次有給休暇(現在平均付与目数17.65日、平均取得日数8.02日)の完全取得では、15万3609人の雇用増B年間実労働時間(2111時間)を政府の国際公約(現在は取りやめ)である1800時間にすれば、41万6207人の雇用拡大が見込めるとしています。

格差の広がり明らかに

大阪労連・服部信一郎副議長の話
 大阪の労働者の4割が非正規になっている中、大企業は相次ぐ法人税減税などでバブル期以上の収益を確保し、内部留保を巨額にため込んでいる実態に、私たちもあらためて驚きました。

 しかも隠し利益を利益剰余金(配当金や役員報酬)に投入し、『株主資本主義』の様相を呈している。もうけは従業員や下請け中小企業など、大企業そのものを支える人たちや地域社会ではなく、一部の会社役員や株主に流れている。『格差』の広がりが今回の調査でも明らかになっています。

 07春闘に向け、最低でも1万円以上の賃上げ、パート・派遣労働者の待遇改善、下請関連企業の引き上げなどを掲げて頑張りたいと思います。

内部留保は隠し利益

 大企業が利益準備金 や任意積立金、退職給一与引当金など、さまざ まな名目でため込んでいる利益のこと。

 運用実態とかけ離れた隠し利益となっています。
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投稿者 jcposaka : 2006年12月18日

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