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暮らし役立つ府政に 明るい会がシンポジウム(7面)

2006年11月30日

 「格差社会」から府民を守る大阪府の役割を考えようと、「明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)」が「明日の大阪府政を考えるシンポジウム」を11月23日午後、大阪市天王寺区のたかつガーデンで開きました。21団体と16地域などから約150人が参加。08年知事選に向けて「明るい会」が検討している府政政策の「中間まとめ(案)」やパネル討論に基づいて活発に語り合いました。

“大型開発・同和を聖域化”

 主催者あいさつで「明るい会」の谷真琴事務局長は、大阪で貧困と格差拡大が深刻なのに、太田府政が「行財政改革プログラム(素案)」で府民施策の切り捨てを進め、大型開発や同和行政を聖域化していると批判。「今こそ暮らしに役立つ府政に変えなければならない」と強調しました。

 基調報告で奈良女子大学の中山徹助教授が「中間まとめ(案)」の要点を明らかにしたのに続き、大阪社会保障推進協議会(大阪社保協)の寺内順子事務局長、大阪樟蔭女子大学の鎌倉健助教授、日本共産党大阪府議会議員団の宮原威団長がパネル討論しました。

 「まさに『格差社会』の底で府民があえいでいる」と切り出した寺内さんは、失業率、生活保護受給率などあらゆるデータで大阪は「全国ワース卜5」に入っていると指摘。大阪社保協の自治体キャラバンで浮き彫りになった、払いたくても払えない国保料や介護保険料の現実を示しながら、「住民が困っているときに助けてくれるのが行政。格差をなくすことこそ府政の役割」と訴えました。

 「大阪経済の現状と課題」のテーマで報告した鎌倉さんは、大阪の製造業の衰退傾向や高水準の企業倒産件数、事業所の廃業率が開業率を上回るなど大阪経済の深刻さを解明。その要因として@家電メーカーなど大企業の海外進出A大阪本社企業の東京移転B経営難・後継者難から廃業へという「内なる空洞化」を指摘し、市町村と連携した産業振興策の具体化など府政の役割を明らかにしました。

 宮原さんは府「行財政改革プログラム(素案)」は大型開発優先と同和行政を継続しながら、府民犠牲を進め、府の広域的役割を投げ捨てようとていると批判。今後の大型開発やゼネコン談合、同和事業のゼロからの見直しなどを対案として示すとともに、住宅のバリアフリー改修の促進が中小企業の仕事を増やすことにもつながることを明らかにしました。

 参加者からは「箕面市では、水と緑の健康都市や国際文化公園都市など見通しのない開発が集中。府が役割を担ってい
るだけに、大型公共事業やめよの世論を大きくしたい」(共産党箕面市議団)、「府立高校で授業料減免制度の改悪に続いて、入学料を払えない生徒を入学させない動きが進んでいる。断固阻止したい」(府高教)、「中小零細業者は生きていくために商売をしている『生業』層が多い。バブル崩壊後も頑張ってきた業者に光を当てる府政を」(大商連)などの発言がありました。

府は府民生活の防衛を
中山徹氏の基調報告

 「中間まとめ(案)」について報告した中山氏は、政府の「構造改革」で府民が深刻な状態に置かれている中、大阪府政が、府民と企業が最悪の状況から脱するために必要な施策を担わず、「構造改革」の推進役を果たしていると批判しました。

 中山氏は、「今こそ大阪府が府民生活の防衛に直接乗り出し、大阪経済の下支えや直面する生活・経営負担を取り除く施策を最優先すべき」と強調。財政危機の中、急ぐ必要のない巨大開発など中長期的な投資はできるだけ控え、府民生活を守るための施策に限られた財源を集中することが必要だと力説。

 特にこの2、3年間は「府民生活防衛・格差是正」の集中期間と位置付け、その間は同時に、開発事業の是非など中長期的な展望を府民とともに徹底的に議論し、計画することを提案しました。

 中山氏は、「この2、3年間に集中して取り組むべき課題」として@府民生活の防衛(市町村の
生活相談窓口拡充のための補助制度など)A企業支援(中小企業に対する緊急融資、大型店の出店凍結と商店街活性化など)B行財政の点検(大型公共事業や同和行政の点検、入札制度の是正、民営化・民間委託の凍結など) の3点を提起。
「中長期的対策」として、社会保障・教育の抜本的改善、大阪経済の活性化、府民参加の保障など8項目を挙げました。

投稿者 jcposaka : 2006年11月30日

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