おおさかナウ

2019年10月27日

共闘広げ希望ある未来を
全国革新懇が「地域・職場・青年交流会」
大阪から300人 各地の取り組み交流

 「安倍政治を終わらせ希望ある政治へ」「野党連合政権を目指す本気の『市民と野党の共闘』で総選挙勝利を」と、全国革新懇の「地域・職場・青年革新懇全国交流会」が19日と20日、神戸市中央区内で開かれました。大阪からも大阪革新懇の賛同団体や地域革新懇などから2日間で延べ約300人が参加し、全国各地での共闘の積み重ねの経験を学び、語り合いました。

全国革新懇が開いた「地域・職場・青年革新懇全国交流会」。初日の全体会には全国45都道府県から1800人以上が参加しました=19日、神戸市中央区内

全国革新懇が開いた「地域・職場・青年革新懇全国交流会」。初日の全体会には全国45都道府県から1800人以上が参加しました=19日、神戸市中央区内

移行の時代に今こそ役割を

 初日の全体会には全国45都道府県から過去最高の1800人以上が参加し、全国革新懇の小田川義和代表世話人(全労連議長)が問題提起と報告を行いました。生活向上・民主主義・平和の「3つの共同目標」を掲げる革新懇運動が、共同で野党連合政権を目指す運動の先駆者となってきたと指摘。「共闘の時代から連立の時代」への移行期にある今こそ、革新懇の政策の力、組織の力、草の根の力を発揮しようと呼び掛けました。
 その上で、総選挙勝利に向けて革新懇が取り組むべき行動として①安倍9条改憲阻止、共闘の共通政策となった13項目合意を実現する運動②都道府県はじめ、小選挙区、地方・地域で、参院選をたたかった市民連合・市民・団体・政党と総選挙に向けた懇談を始め、野党連立政権の実現を求めてたたかう運動と組織につなげようと訴えました。
 憲法学者の小林節さん、総がかり行動実行委員会の福山真劫共同代表、首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんが連帯あいさつ。ジェンダー問題で特別発言を予定していた同志社大学の岡野八代教授が病気のため欠席となりましたが、寄せられたメッセージを新婦人会長の笠井貴美代会長が代読しました。
 岡野氏はメッセージで、ジェンダーとは「個々に強い力で強制される政治的性差だ」と指摘。ジェンダー平等社会を実現するために、「戦争できる国」づくりを狙い、立憲主義や個人の尊厳を敵視する安倍政権を倒さなければならないと訴えました。

共闘の発展へ活発な討論が

分科会「『市民と野党の共闘』で政治を変えよう」で報告する(右から)冨田、五十嵐、穀田、小田川の各氏=20日、神戸市中央区内

分科会「『市民と野党の共闘』で政治を変えよう」で報告する(右から)冨田、五十嵐、穀田、小田川の各氏=20日、神戸市中央区内

 2日目は12の分散会・分科会が開かれ、野党連合政権の実現を目指して活発に討論しました。分科会「『市民と野党の共闘』で政治を変えよう」では、五十嵐仁・法政大学名誉教授の進行で、全労連の小田川議長、日本共産党の穀田恵二国対委員長、関西学院大学の冨田宏治教授が報告しました。
 この中で穀田氏は、4年間の市民と野党の共闘の発展の中で、「政権問題が現実の課題になった」と強調。野党連合政権を目指す共闘には▽「勝つためには諦めない」を信念にした探求▽「国民の声が背景にある」との大局観に基づく創造力▽多様性の中の統一――が重要だとし、「草の根の運動の発展で、『野党は政権を』といえる力を持つことが大切だ」と語りました。



「野党連合政権」への道市民と手をつなぎ開く

志位共産党委員長が特別発言

多様性の中の統一の立場を

 全体会で特別発言した日本共産党の志位和夫委員長は、冒頭、台風19号の犠牲者に哀悼の意とお見舞いを表明し、台風・豪雨被害の対策で避難所の生活改善や公的支援の抜本的拡大、災害の背景にあると考えられる気候変動への対策を提起しました。
 志位氏はこの4年間に積み重ねてきた市民と野党の共闘を「バージョンアップ」するために、野党連合政権づくりの開始を5野党・会派に呼び掛けたと報告。れいわ新選組の山本太郎代表と、社民党の又市征治党首との合意に続き、立憲民主党、国民民主党とも話し合っていきたいと述べ、「全国津々浦々から『野党は連合政権』の声を上げてほしい」と呼び掛けました。
 志位氏は「野党連合政権への道をどう開くか」として、3つの課題を提起。第1に、消費税5%減税や、9条改憲阻止、ジェンダー平等など、あらゆる分野で切実な要求に基づくたたかいを、国民共同の力で発展させること。第2に、国会内での野党共闘の発展、第3に、一つ一つの選挙で勝利し、地方政治を改革しようと訴えました。
 最後に志位氏は、野党共闘では「多様性の中の統一の立場が大事」と強調。「違いがあっても互いに尊重し、みんなが一つの輪に入ってくることが大事。日本共産党は市民の皆さんと手をつないで力を尽くします。今こそ革新懇の出番」と力説しました。

模索強める青年たちに
青年革新懇交流分科会

青年革新懇の魅力を交流した分科会=20日、神戸市中央区内

青年革新懇の魅力を交流した分科会=20日、神戸市中央区内

 青年革新懇の交流分科会には、全国各地の代表ら86人が参加し、模索を強める青年を視野に入れた活動を交流。青年革新懇の魅力と役割を再発見する交流会となりました。
 愛知県の青年革新懇「青年ネットAICHI」共同代表の川村ミチルさんは、今年6月、お笑い芸人のせやろがいおじさんと芥川賞作家の諏訪哲史さんを招いて開いたトークイベントが、450人の参加で成功したと述べ、「自分らしく生きたいという青年の思いを大切に活動していきたい」と発言しました。
 各地の運動交流では、仲間づくりの悩みなど率直な思いを交流。学園での学習企画の重要性も強調され、大阪での消費税10%増税を告発するデモも紹介されました。
 全国革新懇代表世話人で民青委員長の小山農さん、神戸女学院大学教授の石川康宏さんが、それぞれ主催者あいさつと基調報告をしました。

(大阪民主新報、2019年10月27日号より)

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