おおさかナウ

2019年06月30日

「都」構想
法定協が再開
各派が立場を表明

統一地方選後初めて開かれた法定協=6月21日、府庁内

統一地方選後初めて開かれた法定協=6月21日、府庁内

 大阪市を廃止して「特別区」に再編する、いわゆる「大阪都」構想の制度設計を議論する大都市制度(特別区設置)協議会(法定協)の第24回目の会合が21日、府庁内で開かれました。4月の統一地方選後初めて開かれたもので、各会派の代表が今後の議論などについて立場を表明。「都構想反対」を掲げていた公明党が「特別区」の設置に賛成する立場に転じ、自民党も「住民投票で決着することに賛成」と態度を変える中、日本共産党だけが大阪市の廃止にも、再度の住民投票にも反対を貫いていることが浮き彫りになりました。

 法定協は、吉村洋文知事と松井一郎大阪市長、府議・大阪市議各9人の計20人で構成。統一地方選の結果を受け、議員の構成は維新9人、自民4人、公明4人、日本共産党1人となっています。

 日本共産党の山中智子大阪市議は、大阪市を廃止して設置される「特別区」は半人前の自治体であり、膨大な初期コストがかかるなど、住民サービスの悪化は避けられないと指摘。大阪市廃止は地方分権の流れに逆行する最大の地方自治破壊だと批判し、住民投票にも反対だと述べました。(別項で大要)。

 維新の山下昌彦大阪市議は「統一地方選の結果を受け、『都』構想は単なる政治課題から行政課題へとステージが進んだ」などと強弁。自民党の川嶋広稔大阪市議は「維新と公明党が『特別区』設置に賛成することで合意していることから、住民投票での決着を目指す。法定協では是々非々で議論する」と述べました。

 公明党の西﨑照明大阪市議は「ダブル選では『都』構想議論を前進させることに、府民・市民から予想を上回る強い民意が示されたことを重く受けとめる。『特別区』制度に賛成の立場で前向きに議論する」と述べました。

 この日の会合では、8月から「特別区設置協定書」作成に向けた委員間の議論を進め、来年4~6月ごろに協定書案をまとめ、国との協議、府市両議会での議決を経て、来年秋から冬ごろに住民投票を行うとするスケジュール案が示されました。

大阪市廃止は最大の地方自治破壊
15年住民投票で民意はすでに明確

山中智子大阪市議の発言(要旨)

「都」構想の本質 議論で明らかに

15大阪市会_城東区_山中智子 2年近くの法定協の議論を通じて、各会派からさまざまな問題点、市民にもたらされるデメリットが指摘され、この大阪市廃止構想、いわゆる「都」構想の本質が明確になりました。これに基づく私たちの考えも幾度となく表明し、今日この時点においても、いささかも変わるものではありません。

 大阪市を廃止して「広域行政を一元化する」といいますが、消防、水道、下水道など、広域行政の範ちゅうに入らない多くの基礎自治体本来の仕事も含めて、428もの事務事業を府に移管させるものの、事業の中身も予算も権限も何ら変わるものでも、良くなるものでもありません。ここにあるのは、ただただ大阪市の廃止・解体のみということです。もとより、大阪の経済が良くなる道理はありません。

「特別区」設置でサービスは悪化

 大阪市を解体して設置される「特別区」は、権限も自主財源も大きく損なわれ、およそ一般市にも満たない半人前の自治体に成り下がると同時に、庁舎建設やシステム改修など膨大な初期コストがかかり、職員増などによりランニングコストが増えることも明らかになっています。

 その上、いざ本当に大阪市を廃止しようとすれば、具体の作業に途方もないエネルギーを要します。庁舎の場所の選定から建設、財産などの実際の分割や登記、各「特別区」の条例制定、庁舎移転など、今の副首都推進局の体制ではとてもできないほどの労力ではないでしょうか。さらに住所の変更などによる市民負担を考えれば、この上ない無駄であり、結局、住民サービスは良くなるどころか、悪くならざるを得ません。

時代の流れに逆らう大阪市廃止

 政令市は今や20市に及び、一般市から中核市への移行も進んでいます。府県からの権限移譲など、地方分権は時代の流れです。東京23区では、「特別区廃止」の運動が根強く続けられています。大阪市廃止、「特別区」設置は最大の地方自治破壊にほかならず、私たちは大阪市廃止構想には到底賛成できないし、住民投票にも反対です。

 なお、今度の選挙で、「大阪市廃止賛成の民意が示された」との議論が一部にありますが、私たちはこれにくみすることはできません。今度の選挙では「大阪の成長を止めるな」「自民党から共産党までなれ合い、野合だ」といったフレーズが最も大きくけん伝されていたという印象があります。大阪市廃止構想、いわゆる「都」構想について、大阪市民の明確な民意が示されたのは、2015年の住民投票が唯一だということをあらためて申し上げます。

(大阪民主新報、2019年6月30日号より)

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