おおさかナウ

2019年01月13日

声を届けて
たつみコータロー参院議員の国会論戦
リニア新幹線計画 利益優先し自治体との約束反故

 日本共産党国会議員団のリニア中央新幹線問題プロジェクトチーム事務局長のたつみコータロー参院議員は2015年2月5日、東京都町田市内のリニア建設予定地を、本村伸子衆院議員らと共に視察し、工事に伴い大量発生する建設残土の課題や、地下水枯渇など環境への影響について調査しました。

 予定地の沿線住民から「町田は水田が多く、地下水が枯れたら米が供給できなくなる」「工事で騒音が10年間続くと影響が心配」(福祉施設関係者)など不安の声が上がり、たつみ議員らは計画中止へ全力を尽くす決意を表明。この他、関係自治体の担当者と意見交換しました。

行き先のない残土

国土交通委員会で質問するたつみ議員=2015年3月26日

国土交通委員会で質問するたつみ議員=2015年3月26日

 「リニアといえば残土。品川―名古屋間は9割がトンネルで、残土は5680万立法㍍出る」「大量の残土を適切に処理できるのか、その担保はどこにあるのか」

 たつみ議員は2015年3月26日の参院国土交通委員会で、建設残土の処理や保管に関するルールの法制化を求め、大量の残土を発生させるリニア中央新幹線計画の着工中止を求めました。

 この日の質問の中で、2001年以降、建設残土の崩落事故が21件発生し、2人が死亡したことが明らかになりました。たつみ議員は建設残土の発生者責任を明確にし、発生から搬出・処理に至る流れを管理する仕組みの法制化が必要だと指摘。リニア新幹線計画について「残土の行き先も決まっていないのであれば、そもそも事業を着工するなと言わなければならない。引き続き住民の立場から、リニア残土問題を取り上げ追及していく」と述べました。

鳥飼での井戸掘削

リニア計画地を視察し、住民と懇談するたつみ議員ら=2015年2月5日、東京都町田市内

リニア計画地を視察し、住民と懇談するたつみ議員ら=2015年2月5日、東京都町田市内

 「自治体との約束を反故にして、利益最優先で強引に事業を進めるJRの経営姿勢は許されない」(参院国土交通委員会=15年6月2日)

 JR東海のリニア中央新幹線計画で、同社が摂津市と結ぶ環境保全協定を無視し、車両清掃用水などのための井戸掘削を開始した問題を取り上げ、国の対応を厳しくただしました。

 この問題が起きたのは、摂津市と茨木市にまたがる東海道新幹線鳥飼車両基地。新幹線開業の64年から深刻な地盤沈下が発生したため、摂津市は72年に地下水のくみ上げ中止を旧国鉄に要請し、地下水保全と地盤沈下防止のため「環境保全協定」を締結しました。公害の恐れがある施設設置などの際、事前協議の取り決めも交わされています。

 たつみ議員は、事前協議もなくコスト削減などを理由に、市の制止を無視して茨木市側の車両基地敷地で井戸掘削を始めたJR東海の姿勢を批判。「隣接する市でも地下水脈はつながっている。地盤沈下の原因は国鉄時代の地下水くみ上げではないか」と指摘しました。井戸水くみ上げで年間1億円の経費削減になるとしたJR東海の試算にも触れながら、利益最優先で環境保全協定さえ守らないJR東海がリニア建設を強引に進めることは、絶対に許されないと強く求めました。

(大阪民主新報、2019年1月13日号より)

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