おおさかナウ

2018年07月01日

カジノは日本ブランド壊す
参院予算委員会 実施法は廃案を

 通常国会会期末を迎えた6月20日、自民・公明与党はカジノ実施法案はじめ一連の悪法を押し通すため、国会会期を延長する暴挙に出ました。同日の衆院本会議で会期を7月22日まで32日間延長することを、与党と維新などの賛成多数で議決。カジノ実施法案をめぐる論戦の舞台が参院に移る中、6月25日の参院予算委員会の集中審議で日本共産党の大門実紀史議員がカジノ問題で質問に立ちました。

日本共産党・大門議員が追及
大門実紀史議員

実施法案強行を理由に会期延長

 大門氏は「国会延長の最大の理由がカジノ、賭博場をつくる法案を通すためとは何とおぞましいことか。国会の権威をおとしめるものだ」と指摘。世論調査でも今国会でカジノ実施法案を通す必要はないとの声が7割に上り、自民党支持者でも6割以上に達するとし、「安倍総理は『IR(統合型リゾート)が理解されていない』と言うが、いくらIRという言葉でごまかしても、国民は、しょせんばくちであり、刑法で禁止された犯罪行為を合法化するなど、とんでもないと感じている」と述べました。

カジノなしでも観光振興に成功

 カジノをつくる目的について安倍首相は、「外国人観光客を増やし、経済成長の目玉にする」と主張してきましたが、「そんな必要はない」と大門氏。2011年から16年の間に、カジノのあるシンガポールでは外国人観光客の増加率は124%なのに対し、カジノのない日本は368%で、大阪は595%(11年と17年との比較では700%)となっていることを示し、「カジノがなくても、十分に日本は観光振興に成功している。国民が反対するカジノを導入しなくても、まっとうで健全な観光政策を進めるべき」と強調し、カジノ計画を断念するよう迫りました。

 安倍首相は大門氏が示したデータを「私たちの観光戦略の成果」などとうそぶき、「カジノを含む日本型IRは新たなビジネスの起爆剤」「新たな海外からの観光客が期待される」などとカジノに固執しました。

地域に入る観光収入が減る

 大門氏は、大阪はじめ全国の現地調査を踏まえ、いずれの計画も空港から高速船などで直接カジノに客を呼び込む「囲い込み戦略」だと指摘。「これでは来日した外国人が大阪観光をする金がなくなり、そのまま帰国するのではないか。地域に入った観光収入が減るのではないか」と述べました。

 さらにカジノは、いま日本各地が持っている観光ブランドを壊す危険性があると強調。大阪では2025年の万博とセットでカジノを開業する構想だが、万博パビリオンと道路をはさんだ隣にカジノをつくる計画になっているとし、「せっかく伸びてきた大阪の観光イメージが、カジノによってダウンするのではないか」とただしました。

 石井啓一国土交通相は、カジノ客へのチケット手配などを通じて全国各地に送り出す「送客機能」を持たせることで日本の観光振興につなぐと答弁。大門氏は「何を夢物語のようなことを言っているのか」と批判しました。

粗利益の7割が米カジノ資本に

府や大阪市などがカジノ・万博の誘致予定にしている大阪湾の人口島・夢洲を視察する(左から)日本共産党のたつみ、大門参院議員、清水前衆院議員、大阪市議ら=6月16日、大阪市此花区内

府や大阪市などがカジノ・万博の誘致予定にしている大阪湾の人口島・夢洲を視察する(左から)日本共産党のたつみ、大門参院議員、清水前衆院議員、大阪市議ら=6月16日、大阪市此花区内

 大門氏は、カジノ誘致を目指す自治体当局の説明では、カジノの標的は外国人観光客ではなく、客の7~8割を日本人と想定しているとし、「日本人を相手にした民営賭博が、なぜ合法なのか」と力説。日本で公営賭博だけが認められてきたのは、その収入を住民サービスなど公的目的に使うことで公益性が担保されるからだと述べました。

 大門氏は、カジノ実施法案では粗利益の3割は国や自治体に納めるが、残りの7割はカジノ事業者のものだと指摘。日本への参入を狙う米国カジノ最大手のラスベガス・サンズの会長兼CEO(最高経営責任者)のシェルドン・アデルソン氏は、トランプ米大統領の最大の支援者です。大門氏は、同社の株主構成によれば、カジノのもうけのほぼ100%がアデルソン一族に入ることを示した上で、「日本人から吸い上げたお金が、アメリカの一握りのファミリーに行く。こういうものになぜ公益性があり、なぜ合法なのか」と迫りました。

 安倍首相は、カジノの運営主体が決まっていないとして答弁を拒否。大門氏は「悪法は廃案にするしかない」と締めくくりました。

(大阪民主新報、2018年7月1日号より)

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