おおさかナウ

2018年02月18日

でたらめな「大阪都」構想再挑戦
たくらみ止める展望ここに
住民投票許すな2・7決起集会
中山徹奈良女子大教授が講演

 明るい民主大阪府政をつくる会と大阪市をよくする会が7日、大阪市東成区内で開いた「住民投票許すな!2・7決起集会」では奈良女子大学の中山徹教授が「相手がその気なら『都』構想をもう一度否決しよう。そして今度こそ1年後には新たな大阪を迎えよう」と題して講演しました。

ルールを逸脱し住民投票もどき

講演する中山教授

講演する中山教授

 中山氏は、維新が狙う「都」構想再挑戦の問題点を4つ挙げました。

 第1は、民主主義のルールをまったく踏み外していること。住民投票は市民が直接意見を表明する最も重要な機会であり、その結果を尊重するのは政治の大原則だとし、「それを軽々しく扱えば、何のために住民投票をやったのか分からない。日本や世界の歴史を見ても、住民投票が終わるや否や、またやると言っている政党がどこにあるのか」と述べました。

 第2に、維新が再度実施しようとしている住民投票には、民主的な選択肢が保証されていない問題です。前回の住民投票は「都」構想を進めるかどうか、すなわち、大阪市を解体して「特別区」を設置するかどうかが問われました。

 ところが今回は、住民投票より前に「基本議決」なるものを議会で可決することが画策されています。「基本議決」は住民投票で「都」構想反対が多ければ、8区に合区する「総合区」を導入することを、あらかじめ決めておこうというもの。市民には、「都」構想(「特別区」)か「総合区」か、二者択一で意思表明するというように映ってしまいます。

 「こんなでたらめな話はない」と中山氏。多くの市民が願う「24区をそのまま残して改善していく」という意思を反映させる仕組みがないとし、「市民の意見を反映する保証をしてこそ、住民投票を実施する意味がある。これは“住民投票もどき”」と断じました。

大義は全くなくでたらめな内容

 第3は、今回の「都」構想にまったく大義がないということです。

 中山氏は、維新は前回の住民投票で「二重行政の解消」を掲げたものの、府立大学と大阪市立大学があって困っている市民はおらず、住吉市民病院の廃止では、深刻な弊害が出ていることなどを示しました。

 今回、維新が「いまは市長と知事が連携しているから二重行政になっていない。将来、違う市長と知事になれば復活するかも知れない。そうならない仕組みをつくる」と主張していることに対して、中山氏は「自治の基本が分かっていない」と指摘。「国は国、府は府、市は市の考えがあっていい。それは駄目で、一方的に全部集めるということが、そもそもおかしい」と批判しました。

 第4は、今回の「都」構想の内容がひどすぎること。「特別区」の数が前回の5区から、4または6区へと数が変わっただけで、「『都』構想は数の問題ではない。大阪市の権限や財源を府に移して、府がカジノ誘致や大型公共事業をやりたい放題やるというところに本質がある」と語りました。

カジノの誘致で経済は冷え込む

 次に中山氏は、「『都』構想が通ったらどうなるか。それこそ取り返しのつかない事態が起きる」とし、維新が大阪経済活性化の目玉としているカジノ誘致に言及。カジノの運営は海外の富裕層だけでなく、多くの府民・市民が来て初めて成り立つものだと指摘。府民・市民のお金がカジノで巻き上げられれば、いままで地元で使っていたお金が減り、地域経済は冷え込むだけだと述べ、「パリやロンドン、ニューヨークなど世界の国際的な都市で、カジノに依存して地域経済を維持しているところはない」と、維新政治の異常さを浮き彫りにしました。

 さらに橋下徹知事誕生から10年、維新はまともな経済対策をとらず、福祉・教育・医療の切り捨てを進めたことが、現在の大阪経済の冷え込みを生んでいると指摘。「経済無策の結果、カジノ誘致を狙う。こんなことを許せば、大阪経済はますますひどくなる。大阪市の税金が府に取られれば、福祉・教育・医療はますます大変になる。こんな大阪にしていいのか。これが問われている」と話しました。

住民投票許さぬ世論をつくろう

 「都」構想にさせないために、何をすべきか。中山氏は「最も重要なのは、住民投票に持ち込ませない世論を形成すること」と強調。それでも住民投票になった場合には、「都」構想を否決することだと述べました。

 また「基本議決」との関係に触れ、「住民投票で『都』構想に反対することは、『総合区』を選ぶことなのかという戸惑いが出るかも知れないが、これは違う。そういう幻惑を市民に持たそうというのが、維新の狙いだ」と注意を促しました。

 「都」構想の住民投票は、あくまで大阪市を廃止して「特別区」を設置するのかどうかを決めるもの。中山氏は「都」構想に反対することは住民投票上、「総合区」や合区への賛成とは何も関係がないとし、「『都』構想にも『総合区』にも反対の人は、住民投票で反対すればよい。この本質をしっかりつかむことが大切。『都』構想は否決しかない」と力説しました。

デマには惑わず確信持ち止める

 中山氏は、「都」構想は住民投票で賛成多数になれば政府に報告し、総務大臣の認可が下りてしまえば、元の大阪市に戻そうとしても、現在の法律では「特別区」が市になる仕組みがない「一方通行」だと説明しました。

 一方、「基本決議」が可決されている下で反対多数となった場合、8区に合区する「総合区」を設置する条例が市議会に提案される可能性があるが、国は関係なく、大阪市の判断で進めていくもの。「条例が可決されたとしても、来年の統一地方選や市長選で議会や市長の構成を変えれば、元に戻すことができる」と語りました。

 中山氏は「ホップ(住民投票に持ち込ませない)、それでだめならステップ(住民投票で否決)、ジャンプ(総合区になれば、選挙でやめさせる)と、たくらみを止める展望がある。『特別区』か『総合区』しか選べないというデマに惑わされず、確信を持って住民投票を止めよう」と呼び掛けました。

「都」構想否決し〝新しい大阪〟を

 最後に中山氏は、今回のたたかいでは、「都」構想に反対すると同時に、「維新後の大阪」について夢を語ることが重要だと強調。住民投票で「都」構想を否決することは、維新の崩壊につながり、「都」構想やカジノではない、新たな大阪が展望できると話しました。

 維新政治がもたらした問題点が見えてきている中で、それを乗り越える府や大阪市のあり方、「反維新」の共同に依拠して、市民的な議論を広げていくことを提案。「今回の住民投票は、維新にとっても背水の陣。われわれは、いままでにない新しい大阪の扉を開くことができる。そういう攻勢的な運動をしていこう」と締めくくりました。

  (大阪民主新報、2018年2月18日号より)

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