おおさかナウ

2017年09月01日

公開質問について
住みよい堺市をつくる会

 8月29日、住みよい堺市をつくる会が、大阪維新の会・永藤英機氏への公開質問状を出しました。紹介します。

 

大阪維新の会・永藤英機様

公開質問について

2017年8月29日
住みよい堺市をつくる会

  平素の堺市政発展へのご尽力に敬意を表します。

 さて、堺市長選挙が迫ってまいりました。今回の市長選挙は、これからの堺と大阪の未来を左右する重要な選挙として、堺市民はもとより、府下や全国から注目されています。

 それだけに、候補者が自らの政策と主張を、事実に基づいて有権者の前で議論し、審判を仰ぐことが求められています。

 この立場から、いくつかの点で質問します。ぜひ、ご回答いただきますようお願いします。

「大阪都」構想にかかわって

 1 永藤氏は、堺市長選挙で「大阪都構想を争点にしない」「4年間は議論しない」と述べておられます。

 しかし、「大阪都」構想は、そもそも大阪維新の会結成の旗印です。そして「大阪都」(特別区)のためには、「大阪市」と「堺市」を「廃止」しなければなりません。

 永藤氏が2015年府議選でかかげた「維新・堺市マニフェスト」には、「3ステップ」で堺市も「大阪都」に加わること、「大阪都」でこそ「東西交通」も、「水道料金引き下げ」も実現するなどと明記されています。

 それを、今回の堺市長選挙で勝つために、わずか1年半で覆すようなら、今回の「マニフェスト」も、同様の扱いになるのではありませんか?

 実際、貴党の参議院議員も「大阪都構想のことを考えれば何が何でも勝たなければいけない」とツイッターで発信されています。

「大阪都隠し」は、選挙目当ての主張ではないのですか?

 2 永藤氏は、「水道料金が高い堺市」「低い大阪市」と言われますが、橋下氏や吉村氏が大阪市の水道料金を大幅に引き下げたことがあるのですか?逆に「福祉減免」の廃止で、水道代の負担増を強いられた弱者が多くいます。

 堺市の水道料金は府内で平均以下ですが、淀川水系を供給源として、早くから大都市基盤を整備してきた大阪市よりは高くなっています。下水道も思い切った設備投資に経費がかかりました。それでも竹山市長就任直後に水道料金の引き下げが行われ、下水道もこの秋からの値下げが行われます。

 永藤氏もこうした歴史的経過や都市構造の違いを知っているから、「水道料金値下げ」は、将来の「大阪都」でと「公約」していました。それを今回は「大阪都」なしに「早期の値下げ」を主張するのは、市民を欺くご都合主義ではありませんか。

 「大阪都」でなければできないとしていた「東西交通」についても、いまどんな具体策をもっているか示すことができますか?

 「停滞か、成長か」という主張にかかわって

3 永藤氏は、市長選挙の争点は「停滞か、成長か」――「停滞している堺市」か、「成長する大阪市」かだといいます。

 しかし、貴党は先般の「住民投票」の際、「大阪市はこんなに停滞している」から「大阪都」をと訴え、ホームページにも「大阪のひどい現実」として「止まらない経済低迷」と書かれているのに、堺市民に「大阪市は成長」と描くのは虚偽ではないですか?

 もし「大阪市が成長」しているなら、「大阪都」はいらないのではないですか?

 その一方、「停滞している堺市」の根拠はどこにあるのでしょう。例えば、2012~2016年の企業本社転出入は、大阪市は▲468社で政令市最下位、堺市は+28社で政令市2位です。平成27年度の合計特殊出生率は、全国平均が1.45、大阪府平均が1.39となっている中、大阪市は1.26、堺市は1.49です。「堺市は成長、大阪市は停滞」こそ現実ではないでしょうか?

 4 「停滞」の一つとして、「増え続ける堺市の借金」「1000億円増」と作為的なグラフをだして宣伝しています。しかし、この「増えた借金」なるものは、堺市が増やしたものではなく、「臨時財政対策債」、つまり国が地方におしつけている借金です。

 こうした批判のやり方について、橋下徹氏は大阪府知事当時、「これ(=臨時財政対策債)は国から押し付けられた借金で、大阪府にはどうしようもないもの。この部分を除いて…見なきゃいけない」(平成27年10月6日)とのべていますが、永藤氏は、橋下氏のこの主張は間違いだというのでしょうか?

 それとも大阪府の借金は正当化できるが、堺市なら批判するという態度なのでしょうか?

 5 「堺市の人口流出」なるものも、減っているのは南区の大阪府営住宅による建て替えで一時的に流出したことが中心で、南区を除けば増えています。このことを一番よく知り、責任を伴うのは維新の松井知事であるはずです。これがフェアな議論と言えるでしょうか。

 これまでの府政でのかかわりについて

6 永藤氏は府議当時の2013年12月、松井府政による泉北高速鉄道を運営する第三セクター「大阪府都市開発」(OTK)の株式を米投資ファンドへ売却する案に賛成しておられます。しかし、米投資ファンドは、10円の運賃値下げしか提案しておらず、南区をはじめとする市民運動のなかで、「地元である堺のためにならない」と堺市から選出された維新府議なども反対され、「反対多数」で否決されました。

 堺市から選出されていた永藤氏は、堺市民よりも維新の方針を優先して賛成したのでしょうか。いま松井府政は、「売却益は地元に還元してほしい」との住民の要望に背を向ける態度をとっておられますが、同じ態度でしょうか?

7 大阪府政・市政がすすめるIR(カジノ)誘致についても、永藤氏は同調しておられます。しかし、刑法で禁じられる賭博を解禁し、大阪に誘致することが市民の理解を得られるのでしょうか?

 「住みよい堺市をつくる会」が実施した「市民アンケート」には12,000通を超える返信があり、「カジノ誘致」に反対が67%(賛成は15%)でした。時事通信社の世論調査(7月)でも、「身近にカジノがつくられることになった場合」に、「反対」が66.8%で多数です。「治安が悪化する」「青少年に悪影響がある」「ギャンブル依存症が増加する」などの懸念が広がっています。

 永藤氏は、こうした市民の不安にこたえるのか?それとも大阪府知事・大阪市長に追随し、カジノ推進・大阪誘致の旗をふるおつもりでしょうか?

8 「森友学園疑惑」は大阪府政がかかわる一大疑惑事件です。とくに、大阪府私学審議会において「瑞穂の國小学院」開校を、寸前まで「私学認可ありき」ですすめてきた松井府政への責任が問われています。ところが、府議会で維新は関係者の証言を引き出せる「百条委員会」の設置に反対し、委員会での参考人質疑にも背を向け続けています。永藤氏も、これに同調しておられますが、なぜでしょうか?

 「野合」批判、「身を切る改革」にかかわって

9 永藤氏は各区のタウンミーティングで松井知事、吉村市長の力を借り、「自共民野合」などの批判を展開しています。

 国政での態度や他の政策の違いはあっても、各政党・市民団体が「大阪都ストップ」「堺はひとつ、堺をつぶすな」という一点で手を組むことは、「野合」などではなく、堺市民が求める大義ある共同です。

 この点で、吉村大阪市長は7月29日、栂文化会館で開かれた永藤氏のタウンミーティングにおいて、次のゆゆしき発言をおこない、動画でホームページにもアップしています。

 「竹山市長は自分の選挙を応援してくれる自民党、民進党、共産党、そっちにお金、流してるんでしょう」

 これは一体何を根拠にされての発言でしょうか?事実無根なら、速やかに謝罪し、撤回すべきではありませんか?

10 永藤氏は「身を切る改革」を訴えていますが、それなら元維新市議2人の政務活動費不正問題にどういう態度をとるのでしょうか?

 元維新の堺市議である小林よしか氏と黒瀬大氏が政務活動費1300万円を不正に使用していた疑惑について、リコール署名運動が取り組まれるなど市民の大きな怒りが生まれ、ついに8月9日、黒瀬氏は辞職しました。ところが小林氏はいまもなお議員の座にしがみついています。

 問題は、堺市議会で「議員辞職勧告決議」が可決された際、大阪維新の会堺市議団はこれに反対したことです。永藤氏も、辞職は必要ないという態度でしょうか。

ご多忙のところですが、以上のことについて、9月4日までに文書でご回答をいただきますようお願いいたします。

 

【連絡先】
 住みよい堺市をつくる会(担当:丹野)
 堺市堺区北花田口町3-1-15 東洋ビル
 TEL 072-222-2704
 FAX 072-222-2700
 Mail  sumiyoisakai@sky.plala.or.jp

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