連載 希望の政治へ 日本共産党VS自民・維新
第2回金権腐敗の根を断つ抜本改革は
「しんぶん赤旗」のスクープで自民党の組織的な裏金づくりが明らかになり、全容解明と金権腐敗の根を断つ抜本的な改革が求める声が大きく広がりました。
ところが、自公維3党は、企業・団体献金の禁止に一切触れず、政策活動費を合法化し、情報公開を後退させる改悪を強行しました。
金権腐敗の根を断つ抜本改革を実現させる日本共産党、妨害する自民、維新――違いは鮮明です。
企業・団体献金
全面禁止を迫る 日本共産党
禁止に反対 自民党
衆院で温存法に賛成 維新
日本共産党は、「営利を目的とする企業は金を出せば見返りを期待する。企業・団体献金は本質的に政治を買収する賄賂」「選挙権を持たない企業が巨大な資金力で政治に影響力を行使し、金の力で政治をゆがめることは、国民の権利である参政権を侵害すること」として、パーティー券購入を含めた企業・団体献金禁止法案を90年代から国会に提出し続けてきました。
先の国会では、自民党が額まで示して日本建設業界連合会(日建連)に献金を依頼し、10年間で120億円超の献金を日建連加盟企業から受け取ったことや、加盟企業が国から27兆円受注している実態を明らかにし、企業・団体献金は禁止すべきと追及しました。
自民党に2022年、5千万円献金したトヨタ自動車は、同年度に大企業優遇税制で5211億円減税、2800万円献金した三菱商事は3755億円減税など、献金の見返りに優遇されている実態とともに、2013年~22年に3億2700万円を献金した三菱重工に対しては、防衛省の中央調達(武器や燃料などの購入)の契約額が、2014~23年で4兆4843億円と巨額に上っていること、2950万円献金の川崎重工の契約額が1兆9724億円、1億5300万円献金の日本電気の契約額が1兆1137億円になっている実態を明らかにし、「政策を金で売り買いする賄賂政治」をやめさせようと奮闘しています。
朝日新聞は、今年2月~4月の世論調査で、企業・団体献金について「利益誘導につながりかねないから、認めない方がよい」が79%に上った一方、「政治活動は自由だから、認めた方が良い」は15%だったと報じています。
自民党は、企業・団体献金禁止に反対し、企業・団体献金を温存した規正法改正案を強行。財界・大企業に政治資金を提供してもらい、その利益のために貢献する姿を鮮明にしました。
維新は、「わが党の考えが100%通った」(馬場伸幸代表)と言って、衆議院で「企業・団体献金の禁止」がすっぽり抜け落ちた自民党の規正法改正案に賛成しました。
裏金事件追及の発端をつくった上脇博之神戸学院大学教授は「維新が、『企業によるパーティー券購入禁止』を言いながら自民案に賛成したのも、自身の案が本音でなくパフォーマンスであることを示すものです。実際、維新は従来政治資金パーティーに依存し続けています」と指摘しています。
これまでの維新の政治資金収支報告書には、パーティー券購入という形でトヨタ自動車や積水ハウス、大和ハウス工業など経団連加盟の大企業などから献金を受け取ってきたことが記載されています。
大阪府、大阪市は、維新の会のパーティー券を購入した企業との間で2016年以降100億円以上の契約を結んでいます。維新が主導する万博事業でパーティー券購入企業が多額の受注をしているとの報道もされています。
企業・団体献金、政策活動費に対する各党の態度
日本共産党 | 自民党 | 維新の会 | |
企業・団体献金 | 禁止を主張 | 温存を強行 | 衆院で温存案に賛成 |
政策活動費 | 廃止を主張 | 合法化する改悪を強行 | 衆院で合法化案に賛成 |
「10年後公開」を主導 | |||
領収書の一部「黒塗り」主張 |
政策活動費
廃止を主張 日本共産党
合法化する改悪強行 自民党
10年後公開を主導 維新
日本共産党は、「政策活動費は、規正法に既定がなく使途を明らかにする義務がない脱法的な闇金」「選挙買収に使われた疑惑もあり、キッパリ廃止すべき」と主張。「自公維案は、規正法に政策活動費を新た書き込み、闇ガネを合法化する大改悪」と批判しています。
自民党は、政策活動費を党役職者に数千万円単位で渡してきました。二階俊博衆議院議員には幹事長就任中に50億円を渡し、1年で10億円もの支出をしているのに使途を明らかにしていません。その闇の金を合法化した上、領収書の公開は10年後、黒塗りの余地を残すなどの逆行、改悪を強行しました。
維新も、政策活動費を党役職者に渡してきました。2013年~2022年の10年間に6億4240万円も支出してきました。
衆院では自民党の政策活動費の合法化に賛成。「10年後の領収書公開」を自民党に提案し、盛り込ませました。「10年後公開」とは、10年間は非公開で、ブラックボックスのままということ。10年後に違法・不適切な支出が分かっても、党幹部や議員の交代、政党の離合集散などがあれば責任はあいまいにされてしまいます。規正法違反の時効は5年なので、公開後に不正が発覚しても罪に問われないずさんなものです。
政策活動費の使途公開では、音喜多駿政調会長が「政党にとって公開しづらいお金がある」(2024年1月9日TBS「報道1930」)と発言。「吉村洋文副代表は(21年11月)17日、記者団に『全否定をしにくい。だって官房機密費だってある』」(21年11月27日朝日新聞)、「松井一郎代表は同日、『全部が全部オープンというわけにはいかん』と述べ、政策活動費は党運営に必要な経費との考えを示した」(21年11月26日朝日新聞デジタル)と報道されています。
10年後の領収書公開では、馬場伸幸代表が、「プライバシーに関わる部分マスキングが必要だ」(6月6日記者会見)と「黒塗り」を主張。政治活動を「国民の不断の監視と批判の下」に置くために公開を定めている規正法に反する姿を示しました。(日本共産党大阪府委員会政策宣伝部)
自民党への献金額とその〝見返り〟
献金額(2022年) | 優遇税制での減税額(2022年度) | |
トヨタ自動車 | 5000万円 | 5211億円 |
三菱商事 | 2800万円 | 3755億円 |
「しんぶん赤旗」2024年8月11日付より)
受注企業 | 献金額(2013~22年) | 中央調達契約額(2014~23年度) |
三菱重工 | 3億2700万円 | 4兆4843億円 |
川崎重工 | 2950万円 | 1兆9724億円 |
日本電気 | 1億5300万円 | 1兆1137億円 |
三菱電機 | 1億9100万円 | 1兆 581億円 |
(「しんぶん赤旗」2024年8月14日付より)
(大阪民主新報、2024年9月1日号より)