おおさかナウ

2024年03月09日

日本共産党大阪市議団市政懇談会
万博・カジノ優先する維新市政
「公共の福祉」と自治取り戻そう
山中智子団長の報告(大要)

 日本共産党大阪市議団が2月27日、大阪市役所内で市政懇談会を開き、山中智子団長が2024年度予算案や維新市政の問題点について報告しました。大要を紹介します。

異常なまでの万博優先予算

報告する山中智子団長=2月27日、大阪市役所内

 昨年4月に横山英幸市長(大阪維新の会幹事長)になってから、10カ月余りが立ちました。
 24年度予算案を提案した横山市長は、10年以上の「挑戦」の姿勢による維新の市政運営を継承し、「子育て・教育の無償化」を最優先に、府市一体で「成長戦略」を加速させると表明しました。
 予算案全体では、3年ぶりに収支不足になり、将来の収支概算を示す「粗い試算」も悪化しています。
 収支不足の最大の原因は、異常なまでの万博最優先。能登半島地震後、市民はますます万博に期待しなくなり、世論調査のたびに「万博に行きたい」という人が減っています。
 ところが、万博関連の予算は大阪府・市で、会場建設費539億円、大阪パビリオン82億円、機運醸成・参加促進23億円など。まちづくりも、万博やカジノを核とする統合型リゾート(IR)関連の開発、なにわ筋線65億円、淀川左岸線2期事業322億円などが優先で、御堂筋や難波など都心部を飾り立てる一方、周辺部は置き去りです。
 大阪公立大学の森之宮新キャンパス整備は総事業費1千億円で、来年度予算案では196億円です。

防災・減災で見えない対策

 能登半島地震を受けて、市民がいま一番心配しているのは、大阪市の防災・減災です。
 小学校の体育館へのエアコン設置を巡り、維新市政は絶対やらないと言ってきましたが、能登半島地震を受けて、設置に向けた調査費4千万円を計上。できるだけ早く供用できるよう努めてほしいと要望していますが、それ以外は何もありません。
 災害時に自ら避難することが難しい一人暮らしの高齢者や要介護者、障害者などの「個別避難計画」を、26年度末までに作成することが、自治体に義務付けられています。
 大阪市は来年度、各行政区に1年限りの非常勤職員を、1人だけ配置しますが、こんなことでは、とてもではないですが、ちゃんとした計画ができるとは思えません。

特別顧問らが言いたい放題

 「府市一体化」や「副首都ビジョン」も相変わらず推進し、府市共同設置の部署がどんどん増え、病院を所管する府市それぞれ病院機構の一体化も狙われています。
 副首都推進本部会議では、橋下「改革」を賛美する上山信一氏ら特別顧問たちが、言いたい放題です。
 いま維新府市政は、一般ドライバーが自家用車で客を有償送迎する「ライドシェア」を、万博開催の半年前から1年間導入しようと狙っています。
 国の制度案は、実施主体はタクシー会社に限定し、運行区域や時間などに制約を設けています。ところが大阪の制度案は、誰でも参入でき、運行区域は府内全域。運賃は、繁忙期は高く、暇なときは安くするというものです。
 副首都推進本部会議で特別顧問の原英史氏は、国の制度案は「タクシーもどきだ。ライドシェアではない」などと発言しています。規制をなくして安全を壊す悪い方向へ、国を引っ張ろうとしているのが、副首都推進本部や維新政治の本当の姿だと思います。
 「白タク」など悪徳タクシーの不安がある中で、「ライドシェア」に前のめりになるなど、自治体のすべきことではありません。地域の公共交通であるタクシーへの支援を国に求めるとともに、コミュニティー交通の構築など長期的に市民の足を守り、充実させることにこそエネルギーを使うべきです。

上げるべきは保育士の給料

 一方、市民施策はどうでしょうか。
 横山市長が今回打ち出したのは、0~2歳児の保育料無償化です。段階的に無償化を進め、横山市 長の任期中である2026年度中に、0~2歳 児を完全に無償とすることを目指しています。
 ただ、無償化を進めれば、保育所に行く子どもが増えます。今でも保育士が確保できていない中、待機児童の解消や保育人材の確保が必要になります。
 保育人材の確保対策事業は、勤続1~7年目、10年目、15年目、20年目、25年目の保育士に、20万円を支給するとしています(102億2400万円)。
 でも、本当に確保対策をやるのであれば、保育士の給料そのものを上げるべきです。
 子どもの医療費助成制度は4月から所得制限を撤廃しますが、20億円あれば完全に無料にできるのに、1診療500円の一部負担は変わりません。

少人数学級の実現こそ必要

大阪市議会の開会日に行われた大阪市対策連絡会議のデモ=2月9日、大阪市北区内

 教育分野では、不登校特例校の開校に合わせて夜間中学を統廃合することに、引き続き怒りの声が上がっています。不登校の児童・生徒を支援する「校内教育支援センター」を24校でモデル実施(1億600万円)。年度途中からの産休や育休、病休などの代替講師に欠員が生じている中、本務教員を市独自で65人配置する制度(4億円)を創設しますが、少人数学級を実施し、本務教員を抜本的に増やすことには、背を向けています。
 コロナ禍を経て、クラスサイズを小さくするべきだということは、わが国の常識になり、小学校は段階的に35人学級です。大阪市以外の政令市はすべて、国の基準に何らかの上乗せをして少人数学級を実施しています。
 大阪市PTA協議会も、1クラス当たりの人数を減らすことや、上限40人の場合は担任を2人にすることを要望するようになっています。中学校でも35人学級の実現を国に求め、市独自の予算措置を行うよう求めています。しかし、市は少人数学級の検討すらしません。
 習い事・塾代助成事業(月額上限1万円)は10月から所得制限を撤廃し、対象者は5万人から10万人に増えます(65億1600万円)。通年になれば、事業費はさらに増えます。
 これだけのお金があるのなら、やはり少人数学級を実施し、教師を増やして、すべての子どもたちに目が行き届く教育を目指すべきではないでしょうか。
 学校統廃合の強行やテスト漬けなど、差別と競争の教育に反省はなく、大森不二雄特別顧問による教育委員会へのどう喝的な介入が議会でも問題になるなど、異常な教育行政が進行しています。その中で、どれだけ子どもたちや教職員が苦しんでいるかを一緒に考え、声を上げて行くために、皆さんと力を合わせたいと思います。

国保や介護は大幅な値上げ

 物価高騰などで市民が困っているのに、国民健康保険料は11・4%、後期高齢者医療保険料は4・9、介護保険料は14・3%と、いずれも大幅な値上げになっているのは、許せません。
 特別養護老人ホームの新規着工はゼロ。コロナ禍で保健所体制の弱さが浮き彫りになりましたが、1保健所のままで移転先ビルの改修を続けます。ギャンブル依存症対策も何一つ増やしません。
 生活困窮、DV被害、性的搾取などに苦しむ女性を公的枠組みで包括的に支援する「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援法)」が4月に施行されます。政令市は支援計画をつくり、女性相談支援員を配置することが努力義務。大阪市は政令市のトップを切って、支援計画をつくっています。大切な事業で担当課長も熱意を持っており、応援していきたいと思います。
 最後に、「新・市政改革プラン」のパブリックコメント(意見公募)が3月11日まで行われています。橋下市政以来、暮らし・福祉・教育を切り捨てる市民いじめを進めてきたのが「市政改革プラン」。「新・市政改革プラン」は、その市民いじめを高く評価し、民営化や職員削減をさらに続けるもの。「公共の福祉」と自治を取り戻すために、声を上げていきましょう。

(大阪民主新報、2024年3月10・17日号より)

 

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