おおさかナウ

2024年03月02日

平和な港に軍艦来るな
米強襲揚陸艦が大阪港入港

 米海軍の強襲揚陸艦「アメリカ」が2月27日、大阪港に入港しました(3月2日出港予定)。同艦の大阪港入港は、昨年2月に続き2回目です。「戦争をするための米軍艦が、平和な国際貿易港である大阪港に入港することは許されない」と、安保破棄大阪実行委員会、大阪平和委員会、大阪原水協、非核の政府を求める大阪の会の各事務局長は2月23日、大阪市の横山英幸市長に入港を許可しないよう要請。27日の入港当日には4団体の呼び掛けで抗議行動が行われました。

平和団体が抗議

強襲揚陸艦「アメリカ」の大阪港入港に抗議する宣伝行動。訴えているのは日本共産党の、わたなべ結衆院大阪3区候補=2月27日、大阪市住之江区内

 安保破棄大阪実行委員会などが横山市長に提出した要請書では、岸田内閣が2022年末に閣議決定した「安保3文書」は、「核を含むあらゆる能力によって裏打ちされた米国による拡大抑止の提供」「既存の空港・港湾等を運用基盤として、平素から訓練を含めて使用する」と記していると指摘しています。
 これまで以上に、核兵器が日本に持ち込まれる可能性や、港湾の軍事利用の危険性が高まっていると強調。大阪市に対し、大阪港湾の軍事利用や核兵器搭載の有無に無回答のままでの入港を許さず、大阪市議会が全会一致で採択した「大阪港の平和利用に関する決議」(1994年、別項)を尊重し、入港許可を与えないよう求めています。
 「アメリカ」は2月27日午前9時に、大阪市住之江区南港南のJ岸壁に入港する予定で、抗議行動も同時刻から行う計画でした。当日、入港が遅れましたが、抗議行動は9時すぎから行われました。
 各団体の代表らリレートークで、「この岸壁は食品の運搬などに使われている。平和とは全く相反する、戦争のための船が入ってくること自体、許されない」「昨年の入港時は、核兵器が搭載可能なF35Bも載せていた。こんな軍艦の入港を認めることは、市民や議会の平和の意思を踏みにじるものだ」と語りました。
 日本共産党の、わたなべ結衆院大阪3区候補、辻井大介住之江区市政対策委員長も訴え。わたなべ氏は「軍艦が大阪港に入港することは、日常の光景として受け入れられない。軍事力で平和はつくれない。日本を、軍事ではなく、外交と民生支援で世界平和をつくるリーダーシップを取る国にしよう」と力を込めました。

大阪港の平和利用に関する決議(1994年)

 大阪港は、さきの大戦により壊滅的な打撃を受け、大阪市民の力と熱意により平和な商港として復興に力を注ぎ、今日では我が国有数の国際貿易港となっている。
 こうした歴史的経過もあり、大阪市民は港の平和利用を強く念願しているものである。
 しかるに、10月21日、米軍艦クロムリンが入港した。
 我が国の核兵器に対する基本姿勢は、「作らず」「持たず」「持ち込ませず」という非核三原則を国是としており、本市会においても、「大阪市世界平和連邦平和都市宣言」や核兵器を大阪湾、大阪港はもとより日本国土に持ち込むことを一切拒否するように政府に強く要望した「すべての国の核兵器持込みに反対する決議」等幾度となく平和に関する決議を行っており、平和への祈願が内外に表明されているところである。
 よって本市会は、平和都市宣言及びこれらの市会での決議等の趣旨を踏まえ、大阪港が核兵器持ち込みを拒否する世界に開かれた平和な貿易港として運営されるよう強く要望するものである。

上陸支援の〝準空母〟
強襲揚陸艦「アメリカ」 日米共同訓練に参加

米海軍の強襲揚陸艦「アメリカ」(昨年2月20日の入港時に撮影)

 強襲揚陸艦は飛行甲板を備え、航空機やヘリコプター、舟艇を使い、兵士や兵器、装備を海上から陸地に送り込むための艦船。「アメリカ」は米海軍第7艦隊の所属で、2019年から長崎県の在日米海軍佐世保基地に配備されています。
 満載排水量は4万5693㌧、全長は257・3㍍。最新鋭戦闘機F35B(通称ライトニングⅡ)なども搭載可能で、「ライトニング空母」とも呼ばれます。昨年の入港は、2016年2月の揚陸指揮艦「ブルーリッジ」以来、米艦船として7年ぶりでした。
 陸上自衛隊と米海兵隊が、「離島防衛」を想定して鹿児島県・沖永良部島や沖縄で行っている共同訓練「アイアン・フィスト(IF・鉄の拳)」(2月25日~3月17日)に参加しています。

(大阪民主新報、2024年3月3日号より)

 

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