大阪維新の会が２０１０年に結成されて以来、所属する首長や議員個人が開いた政治資金パーティーの利益が22年までに計７億円を超えることが、本紙の調べで分かりました。

　大阪府選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書の各年版によると、２０１０年から22年までの13年間に、68人の首長（推薦を含む）や議員がパーティーを開催。収入は計15億２６４９万円で、開催費用を差し引いた利益は計７億５６７２万円、利益率は49・57％です。
　このうち、利益が計１千万円を超える政治家は23人です（表）。この23人のパーティーの利益の合計（７億３９１万円）だけで、首長・議員のパーティー全体の利益の93・02％を占めています。

桁違いに多い橋下氏の収入

大阪維新の会の政治資金パーティー＝２０１０年９月、大阪市北区内

　収入が桁違いに多いのは、大阪維新の会の創始者である橋下徹元知事・元大阪市長。２０１０年以降、計17回開催し、利益は計１億４７６万円（利益率55・75％）。大阪維新の会結成前の知事時代の２年間に開いた10回分を合わせると、総利益は１億３３１７万円（同54・78％）です。
　現代表の吉村洋文氏（府知事）は８回開催し、利益は４８４５万円（同53・01％）、日本維新の会代表の馬場伸幸衆院議員（大阪17区）は14回開催し、利益は４２９３万円（同35・05％）となっています。
　政治資金パーティーは企業・団体などがまとまってパーティー券を購入することから、「形を変えた企業・団体献金」とされてきました。大阪維新の会は結成以来、コロナ禍の20年と21年を除いて毎年、政治資金パーティーを開催し、利益は総額６億７３００万円。首長や議員個人のパーティー利益はそれをさらに上回る額です。
　この間、自民党の主要派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑が噴出する中、吉村氏は昨年12月、地域政党としてのパーティー開催のあり方を検討するよう指示したと表明。ところが個人のパーティーは「政治活動の自由」として容認する動きも伝えられており、「政治のカネ」の問題に本気でメスを入れる気があるのかが問われます。

大阪維新の首長･議員の政治資金パーティーで利益が計１千万円を超える政治家

(大阪民主新報、2024年1月14日号より）