おおさかナウ

2023年12月02日

山下よしきのあったかエッセイ
人間の自由で全面的な発展

 「『人間の自由』こそ社会主義・共産主義の目的であり、最大の特質である」
 日本共産党第29回大会決議案の一節です。決議案は、①「利潤第一主義」からの自由、②人間の自由で全面的な発展、③発達した資本主義国の巨大な可能性、という3つの角度から「人間の自由」が未来社会で豊かに保障されることを展望しています。
 なかでも、「労働時間が抜本的に短縮され、自由な時間が十分に増えるならば、すべての人間が自分の能力を自由に存分に発達させることができるようになる」とのくだりは、生協労働者だった私にも強く共感できる部分です。
 当時、毎日毎日、朝から夕方まで、生協商品をトラックに積み込んで地域の組合員に届けていました。班ごとに注文された商品を、組合員に「卵1。食パン2。豆腐3」などと読み上げてもらい、トラックの荷台からすばやく取り出します。慣れてくると、次に読み上げられる商品と注文数を予測しながら出せるように。ですから私が生協労働者時代に「発達させた能力」は反射神経でした。(笑)
 私だけではありません。多くの労働者にとって仕事をつうじて発揮される能力は、持っている力のごく一部です。
 「資本主義のもとで、開花されずに埋もれていた多くの人々の潜在的な力が全面的に発展し、それが人間社会の飛躍的な発展へとつながっていく――ここにこそ社会主義・共産主義の一番の輝きがある」。多くの労働者と共有したいですね。(やました・よしき 日本共産党参院議員 次回は12月31日・1月7日合併号に掲載)

(大阪民主新報、2023年12月3日号より)

 

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