おおさかナウ

2023年07月15日

「不存在」としていたメールが存在
疑惑まみれ カジノやめよ
大阪市議会建設港湾委 井上議員が追及

質問する井上氏=6日、大阪市議会建設港湾委員会

 6日の大阪市議会建設港湾委員会で、日本共産党の井上浩議員が、カジノを核とする統合型リゾート(IR)用地の鑑定評価に関わる不適切な公文書管理問題について質問しました。
 大阪湾の埋め立て地、夢洲のIR用地の鑑定評価を巡っては、賃料を算定した不動産鑑定業者4社のうち3社の鑑定結果が一致していていたほか、IRを誘致するのに「IR事業は考慮外」として不当に安い賃料に算定された疑惑があります。
 この鑑定評価に関わるメールについて、大阪港湾局はこれまで、「しんぶん赤旗」日曜版の情報公開請求や市議会に対して「不存在」と説明してきました。しかし今月3日、198通のメールが存在することが、ことし4月に判明したと発表。うち鑑定業者とのやり取りは129通です。

大阪市の指示でIR考慮外に?

 井上氏は、日本共産党大阪市議団の記者会見(ことし3月14日)で、「IR考慮外」としたのは依頼者である市の指示に基づくのではないかという見解を示したと指摘。これに対する市の見解はまだ示されていないが、判明したメールに新たな情報が記載されているかも知れないとただしました。
 大阪港湾局は、市の指示ではないとする従来の答弁を繰り返しました。
 井上氏は、「IR考慮外」としてショッピングモールを前提に鑑定評価したことは、土地の価値を最大限に引き出す「最有効使用」の原則に反しているとし、鑑定をやり直すべきだと求めました。

非公開情報を盾に答弁しない市

 井上氏は、昨年11月5日に市が実施した不動産鑑定士へのヒアリングは、鑑定業者4社のうち3社の鑑定評価額が一致したことなどについて意見を聞いたものだとし、その内容をただしました。
 大阪港湾局は「事業者との交渉に影響を及ぼすなど非公開情報であり、答えられない」と答弁しました。
 井上氏は「4社が独自に主体性を持って判断したのなら、なぜ別の鑑定士にアドバイスを求めるのか。疑惑は深まる一方だ。疑惑まみれのカジノ・IRは、きっぱりやめるべきだ」と主張しました。

(大阪民主新報、2023年7月16日号より)

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