おおさかナウ

2023年06月10日

堺市長選
野村友昭氏が健闘
維新・現職の永藤氏が再選

選挙結果を受けてあいさつする野村友昭氏=4日、堺市堺区内

 4月の統一地方選で大阪維新の会が伸長する中、全国からも注目された堺市長選は4日投開票の結果、党派を超えた市民共同の無所属候補で、日本共産党も参加する住よい堺市をつくる会が自主支援した元堺市議の新人、野村友昭氏(49)は8万8077票(得票率38・7%)を獲得し、健闘しましたが及びませんでした。当選は大阪維新の会公認で現職の永藤英機氏(46)。永藤氏は13万9295票(同61・3%)を得ましたが、4月の府知事選で吉村洋文氏が堺で獲得した23万1237票から大きく後退しました。投票率は34・12%で、2019年の前回選挙を6・71ポイント下回りました。
 4年間の維新市政のあり方が問われる中、野村氏は、永藤氏が偽りの「財政危機宣言」を出して市民施策を切り捨ててきたことを「失政」と批判し、永藤氏が切り捨てた施策の復活・拡充などを盛り込んだ「野村ともあきマニフェスト100」を掲げ、「市民の日常の暮らしを支えることが基礎自治体の役割」と、きっぱり語りました。
 永藤市政が大阪府や大阪市と「連携」して進める、堺のベイエリア開発などの事業を、市民目線で総点検すると公約。「府の言いなりではなく、政令指定都市としての権限をさらに高める」と訴えました。
 永藤氏が4年間の実績を語れず、公約違反の「おでかけ応援制度」改悪などで言い訳に終始する中、維新陣営は4月の統一地方選で当選した議員らを動員。吉村知事、横山英幸大阪市長が堺入りして、「府市連携」を強調。日本維新の会の馬場伸幸代表は「堺のことは堺で、という時代は終わった」と言い放ち、「共産党が応援している候補者に負けるわけにはいかない」などの反共攻撃を続けました。
 選挙結果を受けて堺市堺区内の事務所に駆け付けた野村氏は、集まった支援者らを前に「今後、大阪の政治がどう進むか分からないが、引き続き皆さんとしっかりと力を合わせて、大阪の政治に向き合っていきたい」とあいさつ。記者団の質問に「市民の皆さんが、一人一人、私の支援に来て下さったことに心から感謝しています」と語りました。
 つくる会の丹野優事務局長は5日、選挙結果を受けて声明(2面に全文を掲載)を発表。「市民1000人委員会」や「チーム堺」との共同の力の発揮を大切にすると同時に、「堺市政を変える。トークアクション」の開催や、選挙の焦点や野村氏の政策を市民に伝える独自の宣伝や対話に取り組んだと振り返り、「引き続き広範な市民の皆様との対話と共同で、市民の命とくらしを最優先にする市政を実現するため運動を強める」としています。

堺市長選挙開票結果 (投票率34.12%)

139,295 永藤英機 46 維現
  88,077 野村友昭 49 無新

 

(大阪民主新報、2023年6月11日号より)

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