おおさかナウ

2023年06月03日

民意切り捨ての議員定数削減
やり方も中身もひどい維新案
日本共産党大阪市議団 山中智子団長に聞く

 大阪維新の会は開会中の大阪市議会(9日閉会)に議員定数を現行の81から70へと11削減する条例案を提案し、強行しようとしています。自民党や公明党も維新案に賛成するとの動きも伝えられる中、定数削減や維新のやり方の問題点について、日本共産党大阪市議団の山中智子団長に聞きました。

最大の狙いは「実績」づくり

山中智子市議

――維新の動きをどう見ますか。
山中 4月の市議選で維新が過半数を取った段階で、議員定数削減を持ち出してくるだろうと予測はしていましたが、選挙直後の今、国政選挙に向けた自らの「実績」づくりを狙う姿に、あきれる思いです。
 まずお話したいのは、大阪市議会の議員定数をどう考えるかということです。大阪市の人口は270万人で行政区は24区。一方、232万人の名古屋市は16区、377万人の横浜市でも18区。大阪市は他の政令市より行政区の数が多いため、1票の格差が大きくなり、人口が少ない行政区の方が議員定数が多い「逆転現象」が問題になってきました。

議会の議論を無視して提案

 許されない逆転現象をなくすために、この間、議会では各会派から複数の代表者が参加する会議体もつくり、人口や事業量に対応した定数や議員報酬、議会のあり方について議論を重ねてきました。今回の維新のやり方は、議会の取り組みを無視した、乱暴極まりないものです。
――ことし4月、総定数81、2減で市議選が行われたばかりです。
山中 2減は20年の国勢調査結果に基づくものです。日本共産党は非交渉会派なので定数問題の議論には参加できなかったのですが、次の27年の選挙の定数は、25年の国勢調査を受けて検討することで合意していたと聞いています。
 ところが維新の削減案は、20年の国勢調査結果で4年後の定数をいま決めるもので、道理がありません。本来なら、非交渉会派も含めた会議体をつくり、定数だけでなく、出前議会の開催など議会全体の改革を進めるべきなのに、議論すらしない。「維新が改革をやった」とアピールするだけだということは、明らかだと思います。

1票の格差はさらに拡大へ

――削減案の問題点は。
山中 定数削減は、民意を切り捨てるものですが、維新案は、なぜその区で減らすのかという理由すら説明できない、ひどいものです。
 4月の選挙では、議員1人当たりの人口が最も少なかったのは東成区の2万8302人でした。その東成区を筆頭に、議員1人当たりの人口に着目して減らすということのようですが、それでいくとなぜ東淀川区を減らして、東淀川区より東成区の人口に近い区を減らさないのか、説明がつきません。
 定数2の大正区と此花区は、1人区になってしまうから減らさないということは理解できますが、中央区・西区・西成区はそのまま。あまりにも恣意的です。
 4月の選挙で1票の格差が最大だったのは、天王寺区の1・451。ところが維新案では最大の格差は西淀川区の1・544と、逆に拡大してしまいます。25年の国勢調査で人口の増減が明らかになれば、維新案の矛盾はさらに深まるでしょう。

首長が議会を平気でつぶす

大阪市議会開会日に議員定数削減反対をアピールする人たち=5月18日、大阪市北区内

――横山英幸市長(大阪維新の会幹事長)が定数削減を急げと号令を掛けています。
山中 二元代表制の下で、議会には首長をチェックする役割があります。チェックされる側の横山市長が、自らをチェックする議会の力を失わせ、つぶそうとする。なんという、おぞましい姿でしょう。二元代表制や議会はいらない、維新の首長が決めたことがどんどん進めばいい。それが維新の思想なのだと実感します。
 4月の選挙では維新が候補者を大量擁立し、城東区でも定数5に3人が立候補しました。私は、保守も含め幅広い方々に働き掛け、「私がいなくなれば、議会は大勢の維新と自民、公明だけになる。それでは議会が偏ります」と訴えました。すると皆さんは「それは、あかん」とおしゃいました。
 定数削減は「身を切る改革」などではなく、市民の多様な声、特に弱者の声が届かなくなり、市民の命と暮らしが危険にさらされること。それを市民の皆さんに分かってもらうために、決してあきらめず、議員定数の削減反対を訴えて頑張る決意です。

大阪市議選の1票の格差と維新の削減案

  4月の大阪市議選 維新の削減案
行政区 定数 議員1人当たりの人口 1票の格差 定数 減数 議員1人当たりの人口 1票の格差
北区 4 34,844 1.231 3 -1 46,459 1.497
都島区 3 35,968 1.271 3   35,968 1.159
福島区 2 39,664 1.401 2   39,664 1.278
此花区 2 32,626 1.153 2   32,626 1.051
中央区 3 34,575 1.222 3   34,575 1.114
西区 3 35,287 1.247 3   35,287 1.137
港区 2 40,474 1.430 2   40,474 1.304
大正区 2 31,042 1.097 2   31,042 1.000
天王寺区 2 41,074 1.451 2   41,074 1.323
浪速区 2 37,752 1.334 2   37,752 1.216
西淀川区 3 31,955 1.129 2 -1 47,932 1.544
淀川区 5 36,689 1.296 5   36,689 1.182
東淀川区 5 35,424 1.252 4 -1 44,280 1.426
東成区 3 28,302 1.000 2 -1 42,453 1.368
生野区 4 31,827 1.125 3 -1 42,436 1.367
旭区 3 29,890 1.056 2 -1 44,835 1.444
城東区 5 33,809 1.195 4 -1 42,261 1.361
鶴見区 3 37,564 1.327 3   37,564 1.210
阿倍野区 3 36,998 1.307 3   36,998 1.192
住之江区 4 30,018 1.061 3 -1 40,024 1.289
住吉区 5 30,611 1.082 4 -1 38,264 1.233
東住吉区 4 31,962 1.129 3 -1 42,616 1.373
平野区 6 32,025 1.132 5 -1 38,430 1.238
西成区 3 35,370 1.250 3   35,370 1.139
合計 81 33,980 1.201 70 -11 39,320 1.267

(大阪民主新報、2023年6月4日号より)

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