おおさかナウ

2023年03月25日

維新政治を転換し希望ある大阪に
大阪府知事選 火ぶた切る
カジノなど争点で構図鮮明に
明るい会 たつみ候補が全力
4月9日投票

 統一地方選の前半戦(4月9日投開票)は、23日告示の府知事選に続き、26日に大阪市長選が告示されます。府知事選には、明るい民主大阪府政をつくる会の、たつみコータロー候補や現職の吉村洋文氏(大阪維新の会代表)、「アップデートおおさか」の谷口真由美氏らが立候補。大阪市長選は「アップデートおおさか」の北野妙子氏と、大阪維新の会の横山英幸幹事長らが立候補する見通し。31日には府議選、大阪市議選、堺市議選が告示されます。

 府知事選では、この間のテレビ討論などを通して、「維新政治を転換し、希望ある大阪をつくろう」と訴える、たつみ氏と吉村氏との対決構図がいっそう鮮明になっています。
 関西経済同友会は知事選告示前の20日、大阪市北区内で「大阪府政に関する政策討論会」を開きました。たつみ、吉村、谷口、参政党の吉野敏明の4候補が出席し、関西経済同友会の廣瀬茂夫事務局長の質問を受けてそれぞれの政策を語りました。

カジノの誘致で経済は落ち込む

みんなの力を合わせ希望の大阪へと訴える、たつみ府知事候補=19日、大阪市北区内

 たつみ氏は、「維新が進めるカジノを核とした統合型リゾート(IR)のもうけの8割はカジノで、そこに使わるお金は本来、地域経済に使われるはずのものだ。カジノは大阪の地域経済を落ち込ませる。カジノで経済成長はあり得ない」と強調。ギャンブル依存症は本人や家族を苦しめ、人生を狂わせるとし、「対策をすればいいという考えは甘い」としました。
 吉村氏は「課題面の依存症に正面から向き合う。シンガポールでは依存症に正面から取り組み、依存症が減った」と発言。これに関して、たつみ氏は、シンガポールではIRを利用する自国民は約3割なので厳しい規制ができるが、日本の計画は自国民が7割で、これを規制すればカジノがもうからないため、シンガポールのようにはできないと反論しました。

いま必要なのは命を守ることだ

 たつみ氏は、大阪でコロナによる死者数が全国一になった原因は、大阪市が本来やるべきコロナ対策を「府市一体」で府に丸投げし、住吉市民病院の廃止や公衆衛生施設の統合・独立行政法人化を進めるなど、パブリック(公共)が削減されたからだと指摘しました。
 コロナ禍で病床不足が明らかになる中、急性期病床の削減・転用は全国で府がトップだったとし、「いま必要なのは、命を守ること。『府市一体』ではなく、それぞれの自治体が役割を果たすために、府が応援する行財政改革だ」と力説しました。
 吉村氏は、維新の首長が府と大阪市の財政を立て直し、「自民党の古い政治より、まともなことをやってきた」と述べましたが、自らのコロナ対策への反省はありませんでした。

気候危機打開へ グリーン革命を

 「有権者や若い世代へのメッセージは」との質問に、吉村氏は「1票を持たない子どもたちや孫たちを向いた政治をしたい。成長の土台をつくり、次の世代へバトンタッチしたい」と語りました。
 たつみ氏は、カジノの事業期間は最短で35年間だとし、「子どもや孫の世代にカジノを残していいのか。絶対ストップさせる」と強調。公教育の充実へ府が役割を果たすとともに、ジェンダー平等社会の実現、気候危機打開へ日本一の省エネ・再エネ都市を築く「グリーン革命」を挙げました。
 中小企業の街・大阪の知事として、消費税5%への減税やインボイスの中止などを国に求めるとともに、「戦争準備のための予算ではなく、授業料無償化、医療費の窓口負担軽減へ税金を使うよう国に言うトップになる」と表明しました。

(大阪民主新報、2023年3月26日号より)

月別アーカイブ