おおさかナウ

2022年11月05日

大阪万博 上振れ次々
「見通し甘かった」で済まされない

会場建設費 1250億円 → 1850億円
左岸線2期 1162億円 → 2900億円
メトロ延伸  250億円 →  346億円

 2025年に大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)で開かれる大阪・関西万博で、地元の大阪府・大阪市などが出展する展示館「大阪パビリオン」の建設費が当初の1・5倍に膨れ上がることが大問題になっています。

大阪パビリオン
41億円増の115億円に
府議会・大阪市議会 維自公の賛成で可決

建設費の異常な上振れが問題になっている「大阪パビリオン」のイメージ図(大阪市報道発表資料より)

 大阪パビリオンの発注業務は、一般社団法人「2025年日本国際博覧会大阪パビリオン」が担っています。同法人の会長は吉村洋文知事(大阪維新の会代表)、会長代行は松井一郎大阪市長(日本維新の会顧問)。ことし5月に示した事業者公募の実施要項では、「事業費参考価格」を約74億円としていました。
 竹中工務店など2者が応募し、1者は辞退しました。ところが竹中工務店が提案した提案価格は194億円。当初想定額の2・6倍以上です。府・市は竹中工務店側と調整し、材料の変更や構造の見直しなどで115億円に下げたとはいえ、当初より約41億円の上振れです。
 増額分のほぼ全額を府・市で折半するための補正予算は、10月26日の府議会で日本共産党と民主ネット以外の賛成多数で、同月28日の大阪市議会本会議で日本共産党以外の賛成多数で、それぞれ可決されました。

認めれば「何でもあり」に 縮小前提に計画見直しを
日本共産党 井上浩議員が反対討論 大阪市議会

反対討論に立つ井上議員=10月28日、大阪市議会本会議場

 「『見込みが甘かった』『万博に間に合わないから』などの言い訳が果たして許されるのか」――大阪市議会本会議で反対討論に立った日本共産党の井上浩議員は、上振れを厳しく批判しました。
 すでに、万博の会場建設費が当初想定の1250億円から1850億円へと600億円も上振れしていることに、「市民は納得していない」と指摘。通常の入札では、事業者が予定価格を上回る提案をしての落札などあり得ないとし、「これほどの上振れを起こしているのであれば、事業内容を精査し直し、再公募するのが当然のルールだ」と断じました。
 さらに、「万博に間に合わないから」などの理由で予算を膨らませることを簡単に認めることがまかり通れば、透明性・公平性が担保されず、まさに「何でもあり」という状態だと強調しました。
 井上氏は、今後も諸経費の高騰など上振れしない保証はどこにもない中、「厳しい市民生活の状況を踏まえれば、万博の縮小を前提に、全体計画を見直すべき」と主張しました。

(大阪民主新報、2022年11月6日号より)

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