おおさかナウ

2022年10月01日

『時代をつないで 大阪の日本共産党物語』
バトン受け継ぎ、次の100年へ
出版記念会を開催

創立100周年記念事業として

 9月24日の出版記念会で主催者あいさつで柳利昭府委員長は、ことし日本共産党が創立100周年を迎えるに当たって、府委員会の新事務所建設と、大阪の党の100年の歴史をまとめるという2つの事業に取り組んできたと説明しました。
 新型コロナから府民の命と暮らしを守る取り組み、大阪市廃止・分割の是非を問う2度目の住民投票、初めて政権交代に挑戦した昨年の総選挙など激しいたたかいに、大阪のすべての党組織と党員が努力してきたことが、2つの事業をやり遂げる大きな土台になったと強調しました。
 柳氏は、志位和夫委員長の党創立100周年記念講演(9月17日)と、大阪の100年史に学び、次の100年に向かうため、市民と野党の共闘の再構築と、それを担う強く大きな党づくりと世代的継承の活動へ全力を挙げる決意を述べました。

100年の歴史この1冊に凝縮

中村正男氏

 中村正男府副委員長(編集委員会責任者)が、『時代(とき)をつないで 大阪の日本共産党物語』(以下『物語』)発行の経緯や編集上の努力について報告。60代から30代まで8人のチームで70回以上の議論を重ね、府委員会の歴代幹部、元国会議員や府民団体の幹部など82人から、延べ100回以上の聞き取りを行ったと紹介しました。
 参考にした書物は、党の基本的文献と共に、『大阪社会労働運動史』(全9巻)はじめ313冊の文献に上ると指摘。1962年に創刊された本紙の紙面も読み直し、「大阪の歴史の証言者、開拓者の役割を知る思いだった」と述べました。
 本の特徴と魅力について①大阪の100年の歴史がこの1冊に凝縮されている②党の歴史を大阪の政治経済社会の変化の中で追っている③日本の中での大阪のたたかいの位置と役割を明らかにした④大阪の党の歴史とたたかいを「政治対決の弁証法」の角度でとらえる⑤時々のたたかいを担った先人のドラマと思いを主役にする――の5点を挙げました。

 

山下芳生氏

 党中央委員会を代表して山下芳生副委員長・参院議員が祝辞を述べました。志位委員長の党創立100周年記念講演と重ねて合わせて、『物語』を読むことで、先人たちの苦闘と開拓の歴史を、臨場感をもってつかむことができると語りました。
 鳥取大学の学生時代に黒田了一氏の講演を聞き、懇談した経験を紹介しながら、「先輩たちから受け継いだバトンを次の世代に。党づくりを後退から前進に転じるため、この本から大阪の取り組みに学び、新しい党づくりと新しい共闘を大阪から全国に広げるために頑張る」と述べました。

各界から7氏が来賓あいさつ

 出版記念会には府委員会の名誉役員はじめ党関係者と共に、野党の代表、府民団体の幹部らも出席しました。その中から、7氏が来賓あいさつしました。
 元府委員長の菅生厚氏は、党が分裂した「50年問題」の時期に、地区委員長として党の組織原則を守り抜いたことや、黒田革新府政の誕生と、日本共産党単独推薦で黒田府政の2期目を実現したことが、自分自身の誇りだと強調。「私は96歳。過去を振り返るだけでなく、前を向いて皆さんと一緒に頑張りたい」と述べました。
 社会民主党府連の長崎由美子代表は、戦前の治安維持法下でクリスチャンの叔父が米英のスパイだとして拷問されたとし、弾圧を受けながらたたかい抜いた日本共産党への敬意を表明。「お互いに持っているところを尊敬し合い、助け合い、それぞれ頑張るところは頑張ろう」と市民と野党の共闘を発展させる決意を述べました。
 前衆院議員の村上史好氏は、かつて民社党に所属し、中選挙区制時代の大阪3区で日本共産党と対峙していた時代もあると振り返り、「その私がいまここに立っている。一緒にたたかって政治を変えようという喜びがある」と表明。市民と野党の共闘を進め、来年の統一地方選や引き続く国政選挙で政治を前に進めようと語りました。
 第33話「中国の干渉とのたたかい」(75~77㌻)に登場する今橋巳佐子氏は、日本国際貿易促進協会関西本部の事務局員で入党間もない頃に、毛沢東一派の「文化大革命(文革)」の強制とたたかった体験に触れ、「党の100年の輝かしい歴史に、ちょっとでも足跡を残せたことがうれしい」と話しました。
 第56話「偉大なる敗北」(122~124㌻)では、統一協会・勝共連合の謀略で不当逮捕され1審で有罪判決を受けた辻邦男氏が、10年に及ぶたたかいで逆転無罪・完全勝利を勝ち取った記述も。故・邦男氏の妻、辻日出子氏は不当逮捕当時の状況や裁判闘争を振り返り、「若い人にも統一協会の問題を広げ、今こそ息の根を止めたい」と述べました。
 「自分史と重ね合わせて本を読んでいる」と述べた新婦人府本部の杉本和会長は、ことし7月20日に亡くなった父・柳河瀬精氏(元府議)が、『物語』の編集に大きな役割を果たしたことにも触れながら、「無名の、無数のたたかいが今日をつくっている。『この社会を変えるのは私たち』と、ご一緒に頑張りましょう」と話しました。
 民青同盟の近田靖幸府副委員長は1994年生まれ。「本をさっそく読み、私の知らない歴史に発見と驚きの連続。そこには変革の生き方や思想が貫かれている」と発言。「多くの先輩の変革の生き方と不屈のたたかい、共同の力を引き継いで発展させるためにも、若い世代にこそ、この本を読んでほしい」と語りました。
 駒井正男府書記長が閉会あいさつし、あいさつした各界の人々に感謝を述べるとともに、大阪の地でこそ市民と野党の共闘を発展させ、強く大きな党をつくることで、次の100年へ確かな歩みを進めたいと決意を語りました。

菅生厚氏

村上史好氏

辻日出子氏

長崎由美子氏

今橋巳佐子氏

杉本和氏

近田靖幸氏

 

『時代をつないで』
 『時代(とき)をつないで 大阪の日本共産党物語』(以下『物語』)は、本紙2020年7月12日号から22年7月24日号まで連載された、同名の連載に、史実をより正確にするための補筆・加筆などを行い、1冊にまとめたもの。大阪の日本共産党の100年の歩みを100話にまとめています。
 日本共産党の各事務所で販売。書店でも取り寄せられます。定価:本体1091円+税。

●出版記念会の録画はユーチューブでも視聴できます。(「『時代(とき)をつないで 大阪の日本共産党物語』出版記念会」で検索)

(大阪民主新報、2022年10月2日号より)

月別アーカイブ