おおさかナウ

2022年08月06日

森友学園事件
赤木さん妻の裁判が結審
「私は真実を知りたい」

 森友学園への関わりを否定する安倍晋三首相(当時)の国会答弁に端を発した公文書改ざん事件で、自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54歳)の妻・雅子さんが佐川宣寿・元財務省理財局長に損害賠償を求めた裁判は、7月27日に大阪地裁で雅子さんの本人尋問が行われ、同日結審しました。判決は11月25日。

〝権力の壁にぶつかってたたかった〟

姿見せない佐川氏

会見する原告側弁護団=7月27日、大阪市内

 本人尋問で雅子さんは、俊夫さんとの出会いから結婚生活、改ざんをさせられた当時の様子、精神を病み、夫婦で助け合いながらも自死に至るまでの状況を語りました。
 改ざんを指示したとされる佐川氏が一度も法廷に姿を見せなかったことに、雅子さんは「一度くらいここに来て、改ざんの経緯を話してほしかったし、夫に線香の1本でもあげてほしいと、今でも思う」と話しました。
 安倍氏の発言の5日後に、菅義偉官房長官(当時)が佐川氏らを呼び会議を開いています。雅子さんは「その時に何を話されたのか、公にすべき」と話しました。また「(安倍氏の妻の)昭恵さんが知っていることを話すことが大事」と述べました。

今からでも尋問を

 最後に雅子さんは「私は真実が知りたい。今からでも佐川さんの尋問を行ってください」と訴えました。
 公判の後に原告側弁護団は大阪市内で会見し、「国家権力の壁の高さと厚さにぶつかってたたかってきた。少しでもその壁を乗り越えられるような判決を期待したい」と述べました。
 雅子さんは2020年3月に、国と佐川氏を相手取り提訴しました。国は事件の全貌を明らかにせず、昨年12月に原告の請求を一方的に認める「認諾」をし、原告側がなすすべもないまま訴訟を終わらせました。
 佐川氏との訴訟では、原告側が求めた佐川氏の尋問を、地裁は認めませんでした。

政治の責任は重い

 裁判を傍聴した日本共産党の宮本岳志衆院議員は、「国は税金を使う『認諾』で逃げ切るという、悪い範を示した。省内の決済でこれがやれるのは問題だ。『万策尽きた』という原告側弁護団の言葉を受け止める政治の側の責任は重い」と話しました。

(大阪民主新報、2022年8月7日・14日合併号より)

月別アーカイブ