おおさかナウ

2022年06月04日

大阪府も国も府民の声にどう応える
住民投票を求める署名に取り組んで

「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」共同代表
浪速産業株式会社代表取締役 中野雅司さん

中野雅司さん

 カジノを核とする統合型リゾート(IR)の大阪誘致の賛否を問う住民投票を求める署名が3月25日から5月25日まで行われ、住民投票の条例制定を知事に求めるために必要な法定数を上回ったと市民団体が発表しました。署名を進めてきた「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」共同代表で、浪速産業株式会社代表取締役の中野雅司さんに話を聞きました。

 カジノ誘致を巡る大阪府と大阪市の住民向け説明会や公聴会はどこでも反対意見が多かったのに、コロナを理由に打ち切られました。大阪市議会も府議会も、国に申請するための計画案が通されようとしていた中で、このまま進めさせてはいけない、府民の声を聞けと署名を始めました。

市民が自発的に立ち上がり

 法定数約14万6千筆。最初は「決まったのでは?」と言われたり、関心を持たれなかったりでしたが、最後の10日でものすごく伸び目標を突破。今も回収が続き、20万筆を上回る可能性も出てきました。署名場所を必死に探してくださる方、署名活動をする私たちに「ありがとう」と言われる方の多さにも驚きました。市民が自発的に立ち上がった運動でした。

ギャンブルは絶対にご法度

 私は会社を経営しています。まともに商売をしてもうけさせていただいている者からすると、ギャンブルは絶対にご法度です。それに加えて、例えばUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)よりたくさん人を集めるとしているなど計画がでたらめである上に、税金は一切使わないとしていたのに、第1段階で土壌改良などに公金を790億円使い、最終的には4千億円ぐらいになるのではないかとも言われていること、それを府との折半でなく大阪市だけで出そうとしていることなど問題だらけです。
 しかも事業者との契約が一方的で、向こうの言うがまま。民間会社なら取締役は全員クビになるような不平等契約です。
 コロナで市民が大変な時に、2029年完成のカジノになぜそれだけのお金を使うのか。あれだけ二重行政や箱もの行政と批判してきたのに、それ以上に無駄な金が使われているのです。

住民合意の手続き得られず

 集まった署名は6月6日に提出しますが、大阪府は府民の意見をどう考えるのか。カジノ実施法(IR整備法)では住民の合意形成を求めています。これだけの署名が集まったということは、合意手続きが取られていないことを示しています。国もこんなものを許可してもいいのかが問われています。

(大阪民主新報、2022年6月5日より)

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