おおさかナウ

2022年01月01日

新春インタビュー
総選挙の教訓生かし 参院選、統一地方選で必ず勝利を
日本共産党府委 柳利昭委員長に聞く

 2022年を迎えて、日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長に、2021年のたたかいを振り返るとともに、今年どう臨むか聞きました。

――新年おめでとうございます。
 おめでとうございます。
 昨年は、コロナ危機が続く下で府民の命と暮らしを守る党の役割を発揮しながら、野党共闘を発展させ、政権交代を目指して総選挙をたたかいました。
 共闘は確かな成果を上げましたが、共産党の議席は悔しい後退となり、自公政権の継続と維新の伸長を許す結果になりました。勝利のために奮闘されたすべての皆さんに心からの感謝を申し上げるとともに、それを結果に実らせられなかった責任を痛感しています。
 今年は党創立100周年の節目の年です。この総選挙の教訓を直ちに生かして、7月の参院選で必ず雪辱を果たし、さらに来年の統一地方選挙の勝利を目指して系統的な取り組みを進める決意です。

コロナ禍の下でのたたかい

インタビューに答える柳府委員長

――新型コロナウイルスの感染が拡大し、「緊急事態宣言」が繰り返される中でのたたかいでした。
 昨年は、年明けから出された2度目の「緊急事態宣言」を、吉村知事の要請などで2月末に前倒しで解除した直後から感染が急拡大して、大阪の医療崩壊が現実のものとなりました。4月末の3度目の「宣言」は6月まで続き、感染爆発の中でオリンピック開催が強行されて、8月から4度目の「宣言」が9月末まで出されました。
 大阪の医療崩壊は、府民が必要な医療を受けられない異常事態となり、全国でも突出した死亡者を出しました。検査を抜本拡大せず、重症病床の運用数を大幅に減らし、大阪の医療全体に「命の選別」を迫る危機を広げたことは、吉村府政による「人災」と言わなければなりません。
 この危機の下で私たちは、節目ごとに府委員会のアピールを繰り返し出して、大阪府にコロナを封じ込めるための政策転換を求め、緊急署名に取り組みました。府議団を先頭に地方議員団が各自治体に対策強化を繰り返し求め、民主団体や労組が大きな役割を発揮し、大阪革新懇を中心に「コロナ対策共同特設サイト」で情報発信を行いました。
 総選挙勝利目指す取り組みも、コロナ禍での新たな探究を進めました。5月までの「総選挙躍進特別期間」では、「コロナの下でも前進できる党活動をつくろう」と奮闘し、3月の「近畿オンライン演説会」の成功、オンラインでの府党会議や府活動者会議・「集い」の開催、感染対策をとった支部会議や宣伝・対話活動などの努力を行いました。さらに、すべての小選挙区でオンライン演説会を成功させるなど、新しい挑戦が進められました。
 コロナ感染の現状は、オミクロン株の拡大という新たな脅威の下で、感染の第6波が懸念されています。感染拡大防止の責任を果たしながら党活動を強めていきます。

大阪の総選挙結果について

――総選挙は支配勢力との激しい攻防になりました。
 昨年11月の第4回中央委員会総会(4中総)決定では、総選挙の結果を支配勢力と野党共闘・共産党との攻防――「政治対決の弁証法」の角度で全面的に捉えようと呼び掛けました。悔しい後退は事実ですが、私たちが政権交代を目指す共闘を発展させ、支配勢力を追い詰めて重要な成果を上げたこと。この新しいステージで支配勢力の総力を挙げた共闘・共産党攻撃という新たな困難が生まれたこと。これを突破すれば大きな新しい展望が開けることがつかめます。
 共闘内部の弱点についても、支配勢力の攻撃とのたたかいの中で捉えて、選挙後も強められている共闘破壊の攻撃を共同で打ち破り、共闘をさらに発展させていこうということです。
 大阪の選挙結果については、府委員会の総括で明らかにしました。自民が小選挙区で全敗し、比例近畿で自公が共に全国で唯一議席を減らすなど、自公政治への怒りはどこよりも示されました。しかし、野党共闘の大義と魅力を伝えきれない下で、維新が自公批判の受け皿となって大阪と近畿で第1党になりました。この流れの下で立憲も大きく後退、共産党は全党の大奮闘で比例票で前回並みに踏みとどまりましたが、掲げた目標には大きく届きませんでした。
 同時に、大阪の共闘の到達も歴史的意義を持つものです。「共通政策」「政権協力」の合意の下に共産・立憲・社民で9選挙区で共闘し、5区・17区では共産候補に一本化しました。この画期的な到達を発展させるために、コロナ対策強化と急性期病床削減中止、カジノ許すな、「9条守れ、憲法生かせ」のたたかい、気候危機やジェンダー平等など、府民各層・分野の要求運動を広げて、政権交代を府民多数の声にする努力を進めます。
維新の伸長をどう見るのか

――維新の伸長をどう見て、たたかいますか。
 維新の伸長を許した最大の問題は、先に述べたように共闘の大義・魅力を伝えきれなかったことにありますが、彼らの「大阪の改革を全国へ」「身を切る改革」などがメディアで無批判に流されたことや、維新首長と地方議員の組織力もそれを支えました。
 維新の進出は重大ですが、改憲と「河野談話」撤回をあおるなどの危険性、コロナ対策に逆行する医療病床削減、カジノ誘致と規制緩和頼みの「成長戦略」の危うさなど、府民の願いとの矛盾も拡大します。府民のたたかいで最大の旗印の「都構想」を許していないこと、大阪の第一党は維新になびかない「支持なし層」であることなど、私たちのたたかいの足場をつかむことが重要です。
 この点でも、維新政治とたたかう府民運動を広げ、政治を変える市民と野党の共闘を発展させましょう。参院選と統一地方選挙に向けて、維新を「改革者」と見る維新支持層の思いを踏まえて、国政では補完勢力・大阪の地方政治では悪政の中心として、それぞれで果たしている維新の実態を具体的に知らせながら、私たちの希望ある改革プランと本物の改革勢力の姿を浮き彫りにしていきます。

比例5議席とたつみ勝利を

――参院選での躍進が焦点ですね。
 4中総決定は総選挙の総括と一体に参院選方針を提起して、日本共産党の反転攻勢と共闘勝利で政権交代の新たな足掛かりをつくることを呼び掛けました。大阪の目標は、「70万票、18%以上」の得票実現で、大門みきしさんはじめ比例5議席を「全国は1つ」で絶対確保し、大阪選挙区のたつみコータロー前参院議員の議席を奪還することです。
 この目標の実現へ、昨年末から「3本柱」の活動を進めています。
 ①3月末までに参院選勝利の勢いをつくること。全市区町村の「たつみキャラバン」でトークセッションを行い、声の宣伝とポスター張り出し、毎月の「6連打ビラ」発行、「第1次折り入って作戦」での支持拡大と担い手広げの取り組みです。
 この中で、「しんぶん赤旗」と「大阪民主新報」の読者拡大が重要です。選挙後もメディアを使った共闘破壊と反共攻撃が執拗に続いています。支配勢力が共闘前進をいかに恐れているかの現れですが、その反撃の一番の力であり、岸田政権と維新の危険な姿を知らせるのが「しんぶん赤旗」です。そして、2月で創刊60周年を迎える「大阪民主新報」は大阪の維新政治とのたたかいでかけがえのない役割を発揮しています。
 ②わが党が政権交代に挑戦する新しいステージでの反共攻撃にかみ合って、積極的支持者を増やすことを戦略的課題にします。「党を語る集い」を10万人規模で開き、「共産党が政権に加わることこそ、政治をよくする道だ」と訴えていきます。
 ③党の世代的継承を中軸にして、党員拡大では現役世代で1千人、全体で2千人を迎えて参院選をたたかいます。そのために、食料支援活動で大きな役割を発揮して前進している民青同盟をさらに大きくする、職場支部の元気な活動を広げる、大阪の5千人の真ん中世代の党員が輝く党活動への努力を強めます。あらゆる党活動の中で、現役世代・若い世代との接点を大事にして、全党の力を合わせて結び付きを強め発展させます。
 いま取り組んでいる「4中総徹底と反転攻勢めざす特別期間(1月末まで)」を成功させ、「3本柱」の活動の推進で勝利を目指します。
 参院選をたたかう拠点となる新しい大阪府委員会事務所は、3万人を大きく超える皆さんからのご支援で、いよいよ3月に竣工します。建設募金目標達成へもう一息、さらなるご協力を心からお願いいたします。

(大阪民主新報、2022年1月2日・9日合併号より)

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