おおさかナウ

2021年07月17日

「生理の貧困」 自治体が支援を
共産党議員団が各地で要求

 新型コロナウイルスの影響で収入減少やアルバイト先が見つからないなど、経済的理由などで生理用品を十分に入手できない「生理の貧困」問題が注目されています。日本共産党は各自治体の6月議会で支援策を提案しています。

市民アンケート基に議会で取り上げ 八尾

生理用品の無料配布が始まった男女共同参画センターすみれで、田中裕子(右)、越智妙子八尾市議=6月24日、八尾市内

 八尾市議団は今春にコロナ禍の市民生活の実態をつかもうと市民アンケートを全戸配布しました。ひとり親の4割超が「経済的に困窮」と回答。「経済的支援」を求める声が最も多く寄せられました。市内の学生向け食糧支援の現場では「生理用品への余裕がないときは布を当てたりしている」などの声があり、生理用品を支援物資として用意。新婦人八尾支部も市教委に「生理用品の配布と相談環境の整備」などを求めています。
 議会として「コロナ禍における女性の負担軽減に関する緊急要望」が市に提出され、共産党も3月議会の代表質問で、防災備蓄用の生理用品を今こそ活用すべきだと求めました。

小中学校などで無料配布を開始

 市は4月臨時議会に提出された補正予算案に支援策を盛り込み、6月から順次、市内小中学校に生理用品を配布、男女共同参画センターでも緊急事態宣言解除後から生理用品無料配布が始まっています。
 共産党は6月議会でも、生理の貧困が女性や子どもの健康と尊厳へ与える影響調査や、学校トイレへの生理用品の配置実現を求めています。またコロナ禍以外でも、生理用品の継続的な無償支給、恒常的に学校や公共施設のトイレに、トイレットペーパーと同じように無料で配置されるよう要望しました。

女子トイレなどへの設置を要求 東大阪など

 東大阪市議会では6月、生理の貧困の問題を共産党などが取り上げました。市は小中学校の保健室に生理用品を配置しており、必要な子どもは保健室に行くとしています。共産党は女子トイレへの設置を求めましたが、市は「トイレは汚いから」などと実現していません。女性相談員が相談者に生理の貧困にあると思われる人には声を掛けて提供するなど、もっと自然に提供できるようにすべきだと共産党市議団は提案しました。
 太子町の6月議会でも共産党は一般質問で学校トイレに生理用品配備を求めました。

軽減税率を求める意見書を提出 吹田

維新と自民、公明が反対し否決

 共産党吹田市議団は5月議会に、生理用品を軽減税率の対象に求める意見書を提出しましたが、維新と自民・公明が反対し否決されています。

生理用品の無料配布場所

 このほか府内で生理用品の無料配布を実施している自治体は次の通り。

岸和田市 市役所、各市民センターなど
豊中市 「生理用品の購入が困難な女性の窓口」を男女共同参画推進センターに開設
吹田市 児童館、男女共同参画センター、他
泉大津市 市役所
高槻市 男女共同参画センター
枚方市 男女共生フロア・ウィル
泉佐野市 市役所
富田林市 若者からの相談をTopicきらめき創造館で受付
寝屋川市 市立小中学校
河内長野市 市役所など公共施設
大東市 防災備蓄品の中から、市役所、図書館、郵便局
和泉市 市役所、男女共同参画センター、総合福祉会館
柏原市 市役所、他
羽曳野市 市役所
摂津市 男女共同参画センター
藤井寺市 市役所、社会福祉協議会
大阪狭山市 男女共同参画推進センター
熊取町 町役場
岬町 町役場
河南町 かなんぴあ、町社会福祉協議会、町内小中学校保健室、大阪芸術大学保健管理室
千早赤阪村 村役場
門真市 門真市女性サポートステーション

※貝塚市は5月6、7日、市民福祉センターで配布。※個数限定で配布済みの自治体もあり。

(大阪民主新報、2021年7月18日号より)

月別アーカイブ