おおさかナウ

2021年04月05日

職員が市長のしもべに
池田市議会百条委 藤原市議が意見表明

 冨田裕樹市長(維新を離党)の不適切な庁舎使用やパワハラなどを調査する池田市議会百条委員会は3月25日に10回目の会議を開き、これまでの調査を踏まえて委員が意見表明。同委員会副委員長の日本共産党・藤原美知子市議は、このまま冨田市長が市長職にとどまれば、「職員は市長の『しもべ』となり、市民より市長の顔色をうかがう職員と化してしまいかねない」と述べました。

利益供与で公選法に抵触も

池田市の百条委員会=3月25日

 冨田市長は市長室や周辺に家庭用サウナや畳ベッド、運動器具などを持ち込んでいたことが問題となっています。健康上の理由からそれらを必要だと正当化していることに対し藤原議員は、「診断書を提出し、誰もが理解できる環境整備を議会の承認を経て行うべき」と指摘しました。
 冨田市長が持ち込んでいたのは他にも施術用ベッド2台や冷蔵庫2台、電子レンジ、調理器具、スポーツウェア、シューズ、ドライヤーといった生活用品に及んでいます。
 市役所の駐車場チケットを冨田市長の後援会長らに提供していたことも明らかになりました。藤原議員は「市民・有権者に対する利益供与であり、公職選挙法に触れる違法行為。とても看過できない」と厳しく指摘しました。
 昨夏に新型コロナウイルス感染で市内初のクラスターが発生し、市内で初の死者が出た際、休暇中だった冨田市長が虚偽の居場所報告をしたことも百条委で指摘されました。冨田市長の後援会長が市職員を、「維新の弁護士が来て、おそらく告訴する」と脅したことも発覚。市長自身による数々のパワハラも職員から多くの証言が寄せられました。

庁舎私物化から市政私物化へ

 藤原議員は「(冨田市長は)今に至っても全く反省の姿勢がなく自己中心的で、このまま続ければ市庁舎の私物化にとどまらず、市政の私物化となる恐れがある」とし、住民の福祉と健康の増進という地方自治のあるべき姿が失われることになりかねないと厳しく批判。百条委が今後取りまとめる調査報告を基に、市議会に毅然と対応するよう求めました。

冨田池田市長の不信任を否決

 3月29日開かれた池田市議会本会議で、冨田市長の不信任決議案が賛成少数で否決されました。
 共産党の藤原議員は、「さまざまな疑惑がほぼ事実として認定されつつある時に、結果を待たず動議を提出すべきではない」と反対しました。

(大阪民主新報、2021年4月4日号より)

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